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IBMが歴史を変える!? 新カテゴリの製品を発表

加山恵美
2012/5/25

Club DB2でより深くDB2 10を知る

 もう1つのDB2 10の説明を聞く機会はDB2の勉強会「Club DB2」でした。4月13日と4月27日の2回にわたり、DB2 10をテーマにしました。講師はこちらも野間氏(写真)。勉強会ともあり、新機能にポイントを絞って深く解説が行われました。

 ここでは「タイムトラベル照会」で使う「テンポラル表」と「Multi-Temperature Storage」をとりあげます。

 まずは新機能「タイムトラベル照会」。これは時間的要素を持つデータを扱うための機能です。例えば「3月31日時点での売上集計を行いたい」、「5月1日から12月31日まで有効な旅行パッケージ価格を設定する」など、業務では時間的要素を持つデータがよくあります。一般的にこういうデータはアプリケーション側でロジックを組むことが多いのですが、こうした時間的要素をDB2の機能として格納/蓄積して扱えるようになります。

 タイムトラベル照会でデータに時間的情報を付与するのが「テンポラル表」です。レコードの履歴管理を行うのが「システム期間テンポラル表」、業務で使う日付などレコードの有効期限を管理するのが「アプリケーション期間テンポラル表」、両者をハイブリッドで使える「バイテンポラル表」です。これらを活用することで開発のリスクとコストを抑えることにつながりそうです。

 もう1つ「Multi-Temperature Storage」、ここで言う「Temperature(温度)」とはストレージの使用頻度と考えてよいです。一般的に使用頻度が高いデータは高速なもの、そうでないなら比較的低速なもの格納することでストレージにかかるコストを節約したりします。しかしこうした機能はハードウェアが行うようになっており、機種やコスト面で制約があります。これをDB2のソフトウェア側で設定することができるようになったのが画期的です。具体的にはDB2で同じ特徴を持つストレージ・パスごとに「ストレージグループ」を設定し、データの特質に合わせて「自動ストレージ表スペース」に割り当てます。

 現場のエンジニア向け勉強会とあって、内容はとても具体的かつ実践的。参加者からは「こういうことが起きた場合はどうなるのか」と実に細かい質問が飛び交い、関心の高さがうかがえました。

 なお5月以降に開催するClub DB2はデータベース初心者向けの内容となっています。製品に依存しないデータベース基礎となるので、「基礎からデータベースを知りたい」方や職場の新人を誘ってみてはいかがでしょうか。

Dr.K連載記事からSQL ServerのMVPへ

 今月はIBMの話題が続きましたが、最後はマイクロソフトです。とはいっても「中の人」ではなく、マイクロソフトのMVP(Most Valuable Professional)の小澤真之氏(写真)。得意分野はもちろん、SQL Serverです。なおMVPは高い専門知識や技術コミュニティへの貢献が認められた方のみに贈られる名誉ある賞です。

 小澤氏はもともとはデータベース管理者ではなく、アプリケーション開発者でした。SQL Server自体は6.5から経験があったものの、本格的に興味が出てきたのは@ITの“ドクターK”こと熊澤幸生氏の「Dr. K's SQL Serverチューニング研修」などの連載記事がきっかけだそうです。

 「あそこまで内部構造を語れるのはすごいと思いました」(小澤氏)

 連載記事から小澤氏はSQL Serverを理解し、資料の探し方のコツも覚えてきて製品への探究心を高めていきました。SQL Serverに関する技術情報はブログ「SEの雑記」でつづり、コミュニティ活動「SQLTO」も手がけるようになりました。こうした活動が認められ、2011年7月にMVP受賞となりました。

 受賞の連絡を受けたときの感想について小澤氏に訊ねると「MVPをとるのが目的ではなかったので驚きました。これまでの活動を表彰してくれたことは素直にうれしいです。やっててよかったと思いました」と笑顔で話していました。

 小澤氏が見てきたのは主にSQL Server 2000以降。SQL Serverがエンタープライズ向けに機能や性能を飛躍的に進化してきた期間と、小澤氏自身がエンジニアとして成長した期間が重なり、製品への愛着へとつながったようです。

 思いがけぬ受賞ではありましたが、小澤氏には「(MVPを)継続していきたい」という意欲もわいてきました。直近では6月9日のコミュニティ合同イベント「Community Open Day 2012」にSQLTOも参加するので「ぜひ皆さん来て下さい」(小澤氏)とのことです。今後の活躍を期待しております。

 ではまた来月、お会いしましょう。過去記事もどうぞ!

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Index
IBMが歴史を変える!? 新カテゴリの製品を発表
Page 1
パターン化とオープンのIBM PureSytems
ビッグデータ時代に対応したIBM DB2 V10登場
→ Page 2
Club DB2でより深くDB2 10を知る
Dr.K連載記事からSQL ServerのMVPへ



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