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書籍転載:Windows Azure Platform開発入門 SQL Azureレポート入門 2012/02/13 |
本コーナーは、日経BP社発行の書籍『Windows Azure Platform開発入門』の中から、特にInsider.NET読者に有用だと考えられる章や個所をInsider.NET編集部が選び、同社の許可を得て転載したものです。基本的に元の文章をそのまま転載していますが、レイアウト上の理由などで文章の記述を変更している部分(例:「上の図」など)や、図の位置などを本サイトのデザインに合わせている部分が若干ありますので、ご了承ください。『Windows Azure Platform開発入門』の詳細は「目次情報ページ」や日経BP社のサイトをご覧ください。 |
ご注意:本記事は、書籍の内容を改変することなく、そのまま転載したものです。このため用字用語の統一ルールなどは@ITのそれとは一致しません。あらかじめご了承ください。 |
■4.14 SQL Azureレポート
SQL Azureレポートは、SQL Serverで提供されるレポートサーバー機能をクラウドで提供するサービスです。
今のところ、データソースに使用できるのはSQL Azure上のデータベースに限定されています。オンプレミスのSQL Serverのデータソースを使用したい場合は、従来どおりのSQLServer Reporting Servicesを使用するか、もしくはSQL Azure Data Syncを使用しSQL Azureと同期を取るなどの対応が必要です。
SQL Azureレポートに配置したレポートを参照するには、オンプレミスもしくはWindows Azureアプリケーションでレポートビューアーコントロールを使用する方法と、Webブラウザーで参照する方法のどちらかの方法を使用します。
2011年10月に最終CTP版の提供が始まり、2012年の第1四半期に正式サービス提供を開始すると発表されています。最終CTP版の提供に伴い、Windows Azure管理ポータルに完全に統合され、SQL Azureサブスクリプションを持っている人であればだれでもサービスを試行できるようになりました。
SQL Server Reporting Servicesで作成したレポートをクラウド上に配置し公開できる機能を提供するのが、SQL Azureレポートです。つまり、SQL Server Reporting Servicesで提供されているレポートの配置、管理、表示などを担当するレポートサーバーのSQL Azure版と言えます。
●4.14.1 レポートサーバーの作成
SQL Azureレポートを使用するためには、まずSQL Azureレポートサーバーを作成します。
○1 Windows Azure管理ポータルでレポートを選択する
Windows Azure管理ポータルにログインし、左下のメニューから[レポート]を選択します。
○2 レポートサーバーを作成する
レポートサーバーを作成するためにリボンの[Create]をクリックします。
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図4.50 SQL Azureレポートサーバーの[Create]ボタン |
○3 使用許諾条件に同意する
使用許諾条件が表示されるので、同意する場合は[I agree to the Terms of Use statement above.]チェックボックスをオンにします。
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図4.51 SQL Azureレポートの使用許諾条件の同意 |
○4 レポートサーバーの情報を設定する
[Subscription]と[Region]を選択し、[次へ]をクリックします。SQL Azureレポートサーバーを作成するサブスクリプションを選択します。サーバーを配置する場所を全世界6か所から選択します。選択する際には、利用者との物理距離が最少になる地域を選択します。
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図4.52 SQL Azureレポートサーバーのサブスクリプションと地域の選択 |
○5 レポートサーバーの管理者情報を設定する
[Administrtor]と[パスワード]、[パスワードの再入力]を入力し、[完了]をクリックします。SQL Azureレポートサーバーの管理者アカウントとパスワードを設定します。
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図4.53 SQL Azureレポートサーバーの管理者アカウントの設定 |
以上で、SQL Azureレポートサーバーの準備が完了しました。
●4.14.2 レポートの配置
次は、SQL Azureレポートサーバーにレポートを配置します。SQL Azureレポートサーバーに配置するレポートのデータソースはSQL Azureにする必要があります。データソースがSQL Azure以外の場合は、SQL Azureに変更します(図4.54)。
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図4.54 共有データソースを SQL Azureに設定する |
SQL Azureレポートサーバーへのレポート配置は、SQL Server Business Intelligence Development StudioやMicrosoft SQL Server 2008 Reporting Services Report Builderから直接配置することもできますし、Windows Azure管理ポータルからも配置できます。SQL Server Business Intelligence Development Studioから配置する場合は、配置設定の[TargetServerURL]にSQL Azure ReportingサーバーのURL(例:https ://example.reporting.windows.net/reportserver)を指定します(図4.55)。
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図4.55 配置設定の TargetServerURLの設定 |
配置設定でSQL AzureレポートサーバーのURLを設定した後、配置を実行するとSQL Azureレポートサーバーにファイルがアップされます。配置完了後、Windows Azure管理ポータルからファイルの配置を確認することができます(図4.56)。
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図4.56 配置完了後の Windows Azure管理ポータルの表示 |
●4.14.3 アクセス制御
SQL Azureレポートサーバーでは、フォルダーやオブジェクト単位でアクセス制御(Windows Azure管理ポータル上では、Permissionsと表記)をすることができます。アクセス制御は、ユーザーとロールで管理します。実際にユーザーを作成し、レポートにアクセスできるユーザーとできないユーザーを作成する手順を説明します。
○1 Windows Azure管理ポータルでレポートサーバーを選択する
Windows Azure管理ポータルにログインし、左下のメニューから[レポート]を選択します。左メニューのサブスクリプション配下にあるサーバーを選択します。
○2 ユーザーの管理画面を表示する
リボンの[Manage]をクリックします。アクセス制御するための管理情報を設定するために管理ダイアログを開きます。
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図4.57 SQL Azureレポートのユーザー管理画面の表示 |
○3 ユーザーを設定する
[User name]と[パスワード]を入力して、[Item role]を選択し、[OK]をクリックします。
Item roleは、Browser、Content Manager、My Reports、Publisher、Report Builderから選択します。ここで選択したロールは、サーバー全体のオブジェクトに対して有効です。たとえば、Browserロールのtestユーザーを作成すると、既存の配置済みのフォルダーやオブジェクトにtestユーザーのBrowserロールが付与されます。各オブジェクトで個別にロールを設定するとその設定が優先されますが、他のオブジェクトには影響を及ぼしません。
[閉じる]をクリックし、ユーザー管理ダイアログを閉じます。
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図4.58 SQL Azureレポートのユーザー管理 |
○4 レポートサーバーに接続する
配置したレポートを参照するため、画面中央のサーバー URLの右側にある[Link]をクリックし、レポートサーバーに接続します。
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図4.59 SQL Azureレポートサーバーのリンク |
○5 レポートサーバーにログインする
[Username]と[Password]を入力し、[Sign in]をクリックします。
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図4.60 SQL Azureレポートサーバーのログイン画面 |
○6 レポートが格納されているフォルダーに移動する
レポートを参照するため、先ほど配置したレポートを格納しているフォルダーに移動します。
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図4.61 レポートが格納されているフォルダーの表示 |
○7 レポートを参照する
レポートをクリックし、レポートを表示します。
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図4.62 レポートの表示 |
以上で、SQL Azureレポートサーバーの作成、レポートの配置、ユーザー管理、レポートの表示までの手順を確認しました。SQL Azureと同様に、SQL Azureレポートもサーバーの管理をマイクロソフトが担当します。レポートサーバーが必要になってから、作成、配置、公開までわずかな時間で実施することができます。現在、CTP期間なので試行して気付いたことはMSDNフォーラムなどでフィードバックしてください。
■
次回は、SQL Azure Federationについて解説します。
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「Windows Azure Platform開発入門」 |
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