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特集:Windows 8開発に向けて準備しよう Metroスタイル・アプリの開発者が知るべき3つのこと 2012/03/13 |
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先日、Windows 8 Consumer Preview(以下、Win8CP)とVisual Studio 11 beta(以下、VS11beta)が公開され、誰でもダウンロードできるようになった。この機会に、Windows 8の新しいUIである「Metroスタイル・アプリ」の作成に挑戦してみようと思っている読者も多いことだろう。
だが、その前に押さえておきたいポイントがある。この記事では、あなたの素晴らしいアイデアを実現できるかどうかに関わってくる、3つの重要なポイントについて説明する。
* 本稿は発売前のソフトウェアに基づいて書かれており、製品では異なることがある。 |
* 本稿に載せたキャプチャ画像は、Windows 7(64bit版)の上でVirtualBoxを使い、Win8CPとVS11betaを動かしたものである。掲載したコードもその環境で確認している。 |
* 本稿での「ユーザー」という表記はすべて、Metroスタイル・アプリを利用する「エンド・ユーザー」を意味する。 |
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■Metroスタイルがやって来た
Windows 8のMetroスタイル・アプリは、画面全体を1つのアプリだけで使うのが基本で、余計な飾りはなく、すっきりした外観となっており、タブレットPCなどでのタッチパネル操作に適したUIになっている(次の画面を参照)。
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Metroスタイルを採用したWin8CPのスタート画面(最小推奨解像度である1366×768ドットでの表示) |
しかし開発者の視点からは、デスクトップ・アプリケーションと見た目が異なるだけではなく、従来の.NET Frameworkとは異なる新しいプラットフォームと考えるべきものである。アプリ開発の根幹に関わる違いを、この記事で理解しておこう。
■Metroスタイル・アプリの開発者が知るべき3つのこと
以下に示す3つのポイントは、いずれも、アイデア段階から考慮しておくべきことである。
- [配布の原則]Windows Storeで配布すべし!
- [機能の原則]ユーザーのプライバシーを守護すべし!
- [設計の原則]万全のリジューム機能を装備すべし!
これらはWindows Phoneアプリの開発では当たり前になっていることなのだが、デスクトップの開発では思いもよらないことかもしれない。順番に説明していこう。
■その1:[配布の原則]Windows Storeで配布すべし!
Metroスタイル・アプリは、原則としてWindows Storeを通じて配布/販売しなければならない。従来のようにインストール・パッケージを作ってそれを配布したり、Webからインストールしてもらったりすることはできない。
●Windows Store
ユーザーは、Windows Store(下の画像を参照)でMetroスタイル・アプリをダウンロードしたり、更新(=アップデート)したりする。
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Windows Store(ベータ版)(2012/3/5時点のキャプチャ) |
Windows StoreでMetroスタイル・アプリを配布するには、開発者登録をしなければならない(下の画像)(※本稿執筆時点では、まだ一般からの登録受け付けは始まっていない)。
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Windows Storeの開発者登録画面(Win8CPに搭載されているIE10CPを利用)(2012/3/5時点) |
正式版では年会費が必要となる(ベータ版でどうなるかはまだ不明)。 |
Windows Storeへの開発者登録は、個人でも可能である。個人が世界に向けてMetroスタイル・アプリを販売できるのだ。
●Sideloading
Windows Storeを通さずにMetroスタイル・アプリをインストールすることもでき、この方法を、「Sideloading」(=「サイドローディング」、本稿執筆時点では日本語訳はないようだ)と呼ぶ。詳細については、マイクロソフトのTechNetサイトに情報がある。
- Managing the Windows Store 〜 What is sideloading? Does the Windows Store allow it?(英語)
- How to Add and Remove Apps.(本稿執筆時点では機械翻訳)
業務アプリケーションなどをWindows Storeを介さずに配布するためには、Active Directoryが必須となる。
また、開発中にテスト機にインストールするには、開発者ライセンスとして与えられたデジタル証明書を手動でインストールする必要がある(この方法で一般に配布してはいけない)。
結局、一般向けにMetroスタイル・アプリを配布するには、Windows Storeを介するしかないということである。
Windows Storeを通さないと配布できないのは不便に感じるかもしれないが、そうすることによってマイクロソフトはMetroスタイル・アプリに対する信用を勝ち取ろうとしているのだ。
続いて次のページでは、2つ目のポイントを説明する。
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INDEX | ||
[特集] Windows 8開発に向けて準備しよう | ||
Metroスタイル・アプリの開発者が知るべき3つのこと | ||
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1.[配布の原則] Windows Storeで配布すべし! | |
2.[機能の原則] ユーザーのプライバシーを守護すべし! | ||
3.[設計の原則] 万全のリジューム機能を装備すべし! | ||
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