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.NET TIPS ［ASP.NET］SQL Serverモードのセッション管理で情報を永続化するには？ 山田　祥寛 2004/11/19

　「TIPS：［ASP.NET］セッション情報をSQL Server上で管理するには？」では、SQL Serverを利用して、IISサーバ・プロセスからセッション管理を分離する方法について紹介した。セッション管理をASP.NETアプリケーションから分離することで、メモリ負荷の軽減などの効果を得ることができる。

　しかし、前述のTIPSで紹介した方法では、セッションを管理するSQL Serverが何らかの事情で再起動したときにセッション情報を維持することができない。これは、セッション情報を保持するtempdbデータベースが、SQL Server再起動のタイミングで必ず初期化されるためだ。そのため、たとえ障害に対する耐久性を向上する目的で、SQL Serverをクラスタ構成にしていたとしても、フェイルオーバーによってセッション状態は破棄されてしまうことになる。これでは、せっかくセッション管理のプロセスをASP.NETアプリケーションから分離しても、その効果は半減してしまう。

　そこで本稿では、SQL Serverが再起動してもセッション状態を維持させる方法について紹介する。もっとも、その方法はすでに先のTIPSでSQL Serverモードのセッションを実現された方ならば、ごく簡単だ。

　先述のTIPSでは、セッション管理用のデータベースを作成するためにInstallSqlState.sqlを使用したが、これを同一のフォルダ（「＜Windowsルート＞\Microsoft.NET\Framework\＜バージョン番号＞」フォルダ）に含まれるInstallPersistSqlState.sqlに置き換えればよい。ただし、InstallPersistSqlState.sqlは.NET Framework 1.1から同梱されるようになったスクリプトであり、.NET Framework 1.0には含まれていないので注意すること。.NET Framework 1.0を使用している方は、以下のサイトからPersistSqlState.exeをダウンローしていただきたい。

• Microsoft技術サポート情報：[HOW TO] ASP.NET で持続性のある SQL Server セッション状態管理を構成する方法

　InstallPersistSqlState.sqlの実行方法は、前述のTIPSの手順1でも紹介したとおりである。インストールに際しては、MSSQLServer、およびSQLServerAgentのサービスを起動しておく必要がある。また、それ以降のweb.configの設定についても、別稿の手順に従えばよい。

　正しくInstallPersistSqlState.sqlが実行され、セッション管理用のデータベースが生成されているかどうかを確認するとき、MSDEのようにGUIのデータベース管理ツールがない場合には、Microsoft Access上から行うとよい。AccessからSQL Server（MSDE）に接続する手順については、「Windows TIPS：AccessをMSDEのフロントエンドとして利用する」にて紹介しているので、併せて参照してほしい。

　以下は、ASPStateデータベースのテーブル・リストだ。InstallSqlState.sqlを実行した時にはtempdbデータベース上に展開されたテーブルが、今度はASPStateデータベース上に展開されたことが確認できるはずだ。もちろんこのデータベースは、tempdbデータベースと異なり、SQL Serverが再起動しても、その情報が自動的に削除されることはない。

ASPStateデータベース

InstallPersistSqlState.sqlによって生成されたASPStateデータベースには、セッション操作用のストアドプロシージャに加え、セッション情報を保存するためのテーブルが含まれる。

　なお、InstallPersistSqlState.sqlによって生成されたASPStateデータベースは、UninstallPersistSqlState.sqlによって破棄することができる。

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