.NET TIPS Visual Studio 2005でバージョン情報を設定するには?[VS 2005のみ、C#、VB]デジタルアドバンテージ 一色 政彦2006/02/03 |
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.NETアセンブリ(.EXEファイルや.DLLファイル)には、次の画面で示しているような、いくつかのバージョン情報を設定することができる。この画面は、エクスプローラでファイルを選択し、そのプロパティを表示させているところだ。
.NETアセンブリに設定されたバージョン情報 | ||||||||||||
.NETアセンブリ(asmverinfo.exe)のバージョン情報を表示させているところ。バージョン情報を表示するには、エクスプローラで.NETアセンブリ・ファイル(.EXEファイルや.DLLファイル)を右クリックして表示されるコンテキスト・メニューから[プロパティ]を選択する。もしくはファイルを選択した状態でショートカット・キー[Alt]+[Enter]キーを押す。するとファイルのプロパティ画面が開くので、その画面の[バージョン情報]タブをクリックすれば、バージョン情報が表示される。 | ||||||||||||
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このようなバージョン情報をアセンブリに対して設定する方法は、「TIPS:アセンブリにバージョン情報を設定するには?」で紹介している。このTIPSで紹介した方法では、Visual Studio .NETのプロジェクト・テンプレートから自動生成された、AssemblyInfo.cs(C#の場合)もしくはAssemblyInfo.vb(VB:Visual Basic場合)というファイルの内容を編集することでバージョン情報を設定できたが、これはVisual Studio 2005(以降、VS 2005)でも同じだ。
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しかしVS 2005では、さらにGUI画面(=VS 2005のIDEが持つ画面)からもバージョン情報を指定できるようになったので、より直感的で分かりやすくなった。本稿ではその設定方法について解説する。
プロジェクトのプロパティ・ページによるバージョン情報の設定
アセンブリに上記画面のようなバージョン情報を設定するには、次の画面のように、プロジェクトのプロパティ・ページを開き、そこから[アセンブリ情報]ダイアログを表示して設定すればよい。
[アセンブリ情報]ダイアログにおける各項目(=アセンブリ情報)と、.NET Frameworkのアセンブリ属性との関係を次の表にまとめた。
アセンブリ情報 | アセンブリ属性 | 説明 |
タイトル | AssemblyTitle | プログラムの概要 |
説明 | AssemblyDescription | プログラムの詳細な説明 |
会社 | AssemblyCompany | 会社名 |
製品 | AssemblyProduct | プログラムの正式名称 |
著作権 | AssemblyCopyright | 著作権情報。記述形式は「Copyright (C) <西暦年> <会社名>.」(例:Copyright (C) 2001-2006 Digital Advantage Corp.)とするのが一般的 |
商標 | AssemblyTrademark | プログラム名称などを商標登録していればその情報を記述する(例えば、Windows (R) は登録商標)。それ以外の場合は何も指定しなくてよい |
アセンブリ バージョン | AssemblyVersion | .NETアセンブリ用のバージョン番号。.NET Frameworkのバージョン管理機能で使われる |
ファイル バージョン | AssemblyFileVersion | Win32ファイル・システム用のバージョン番号 |
GUID | Guid | アセンブリを一意に識別するためのGUID(Globally Unique IDentifier)。アセンブリがCOM(Component Object Model)に公開される場合のタイプ・ライブラリのIDになる |
ニュートラル言語 | NeutralResourcesLanguage | ニュートラル・リソース言語。ここでリソースのカルチャ(=“ja-JP”や“en-US”などの言語情報)を指定することで、.NETアプリケーション内のリソース管理を担当するResourceManagerオブジェクトがメイン・アセンブリに含まれているリソースを検索しなくなるため、パフォーマンスが向上する |
アセンブリを COM 参照可能にする | ComVisible | アセンブリ内のマネージ型をCOM(Component Object Model)から参照可能にするかどうか |
アセンブリ情報とアセンブリ属性の関係 | ||
アセンブリ属性はいずれも(語句の後に続く)「Attribute」を省略している。例えば「AssemblyTitle」は正確には「AssemblyTitleAttribute」となる。なお、このように「Attribute」を省略した場合、.NET Frameworkのコンパイラがコンパイル時に自動的に「Attribute」を付加してくれるという仕組みになっている。 |
以上の設定を行うと、AssemblyInfo.cs(C#)/AssemblyInfo.vb(VB)の内容が自動的に更新される。
利用可能バージョン:.NET Framework 2.0のみ カテゴリ:クラス・ライブラリ 処理対象:アセンブリ 使用ライブラリ:AssemblyVersion属性(System.Reflection名前空間) 関連TIPS:アセンブリにバージョン情報を設定するには? |
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「.NET TIPS」 |
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