.NET TIPS WebBrowserコントロールのコンテンツを文字列により設定するには?[2.0、C#、VB]デジタルアドバンテージ 遠藤 孝信2008/08/07 |
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Windowsフォーム用のWebBrowserコントロール(.NET Framework 2.0以降で利用可能)では、UriプロパティにURLを設定するか、URLを引数にしてNavigateメソッドを呼び出し、ページを表示するのが一般的だが、HTMLコードの文字列をWebページとして表示することも可能だ。ここではその方法を2つ紹介する。
DocumentTextプロパティによる表示
1つ目の方法は非常にシンプルで、WebBrowserコントロールのDocumentTextプロパティに、HTMLの内容を含んだ文字列をセットするだけだ。
次のサンプル・コードでは、WebClientクラス(System.Net名前空間)によりInsider.NETのトップ・ページのHTMLを取得し、それをWebBrowserコントロールに表示している。
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DocumentTextプロパティによりHTMLを表示(上:C#、下:VB) | ||
変数webBrowser1はWebBrowserコントロールを参照しているものとする。また、WebClientクラスを使用しているため、System.Net名前空間のインポートが必要。 |
WebClientクラスの使い方については「TIPS:WebClientクラスでWebページを取得するには?」で解説している。
なお、当然ながら、相対URLで記述されている要素(=絶対URLで記述されていない要素。例えば「<img src="images/fdotnet_m.gif">」)については、正しく表示などが行えない。
OpenNew/Writeメソッドによる表示
もう1つの方法は、WebBrowserコントロールに表示されているドキュメントを示すHtmlDocumentオブジェクト(Documentプロパティから取得できる)に対して、WriteメソッドによりHTMLを書き込む方法だ。メソッドの引数にはHTMLの内容を含んだ文字列を指定する。このとき、事前にOpenNewメソッドを呼び出すことにより、現在表示中のドキュメントの内容をクリアできる。
ただし、アプリケーションの起動直後は、WebBrowserコントロールにHtmlDocumentオブジェクトが割り当てられていない。このため、下記のサンプル・コードのように、Navigateメソッドにより空白ページに移動するなどして、WebBrowserコントロールにページ表示をさせる処理が最初に必要となる。
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WriteメソッドによりHTMLを表示(上:C#、下:VB) | ||
変数webBrowser1はWebBrowserコントロールを参照しているものとする。また、WebClientクラスを使用しているため、System.Net名前空間のインポートが必要。 |
なお、OpenNewメソッドの引数には、WebBrowserコントロールが保持する履歴の現在のエントリを新しいドキュメントで置き換えるかどうかを指定する。
2つの方法の違い
以上、2つの方法を示したが、DocumentTextプロパティに文字列をセットした場合には、Navigating、Navigated、DocumentCompletedなどのイベントが発生するのに対して、Writeメソッドで文字列を書き込んだ場合には、これらのイベントは発生しない。これが2つの方法の大きな違いといえる。
利用可能バージョン:.NET Framework 2.0以降 カテゴリ:Windowsフォーム 処理対象:WebBrowserコントロール 使用ライブラリ:WebBrowserコントロール(System.Windows.Forms名前空間) 使用ライブラリ:WebClientクラス(System.Net名前空間) 使用ライブラリ:HtmlDocumentクラス(System.Windows.Forms名前空間) 関連TIPS:WebClientクラスでWebページを取得するには? |
「.NET TIPS」 |
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