.NET TIPS [ASP.NET]チャート・コントロールを使うには?(環境設定)[3.5、C#、VB]山田 祥寛2009/05/21 |
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チャート・コントロールは、名前のとおり、円グラフや棒グラフなどのチャート画像を生成するためのサーバ・コントロールだ。
従来、.NET Frameworkではチャート画像を生成するための標準的なライブラリやコントロールは提供されていなかった。そのため、チャート生成にはサードベンダ製品に頼る必要があったわけだが、2008年9月に登場したチャート・コントロールによって、こうした選択の手間は不要になる。チャート・コントロールを利用することで、ようやく標準的な環境でチャートを生成できるようになったのだ。
現時点で、チャート・コントロールが対応している主なチャートの種類は、次のとおりである(多くのチャートは3D表示にも対応)。
- 棒グラフ(積み上げ棒グラフを含む)
- 折れ線グラフ(階段グラフ、曲線グラフを含む)
- 円グラフ&ドーナツ・グラフ
- レーダー・チャート
- バブル・チャート
- 散布図
- 株価チャート/ロウソク・グラフ
- 領域グラフ
- 漏斗グラフ/ピラミッド・グラフ
また、チャート・コントロールはWindowsフォーム、Webフォーム双方に対応しており、いずれの環境もよく似た手順でチャートを生成できるのも、うれしいポイントだ(ただし、本稿ではASP.NET環境を前提に手順を解説する)。
●チャート・コントロールを利用するための準備
上述したようにチャート・コントロールは2008年9月にリリースされた新しいコントロールであるため、.NET Framework 3.5 SP1には標準では組み込まれていない。
チャート・コントロールを利用するには、.NET Framework 3.5 SP1のインストールに加えて、チャート・コントロールの動作/開発に必要ないくつかのライブラリをインストールする必要がある。
1. チャート・コントロールをインストールする
チャート・コントロール本体は、以下のページからインストールできる。
このMicrosoft Chart Controls for Microsoft .NET Framework 3.5は、ASP.NET、Windowsフォームで動作するチャート・コントロールのアセンブリを含むもので、チャート・コントロールを動作させる場合に最低限必要となるライブラリである。
ダウンロードしたMSChart.exeをダブルクリックするとインストーラが起動するので、あとはウィザードの指示に従って進めていけば、インストールは完了だ。
2. チャート・コントロールの言語パックをインストールする
次に、チャート・コントロール対応の言語パックをインストールする。言語パックは、チャート・コントロールのプロパティ・ウィンドウでの表記やその他のメッセージを日本語化するためのパッケージだ。
ダウンロードしたMSChartLP_jpn.exeをダブルクリックするとインストーラが起動するので、そのままウィザードの指示に従って進めていけば、インストールは完了する。
3. Visual Studio 2008用のアドオンをインストールする
チャート・コントロールをツールボックスに登録し、フォーム・デザイナ上でチャート・コントロールを利用するためのVisual Studio 2008用アドオンも公開されている。
もちろん、チャート・コントロールを動作させるだけであれば、最低限、上記1、2の手順を済ませるだけでも構わないが、Visual Studio 2008を利用しているならば(ほとんどの読者が該当すると思うが)、以下のアドオンをインストールしておくことをお勧めする。
ダウンロードしたMSChart_VisualStudioAddOn.exeをダブルクリックすると、インストーラが起動するので、こちらもそのままウィザードの指示に従って進めていけばよい。
アドオンのインストールに成功したら、Visual Studioで適当な.aspxファイルを開いてみよう。ツールボックスの[Data]タブにChartコントロールが追加されていることが確認できるはずだ。
Visual Studio 2008に追加されたチャート・コントロール |
4. サンプル・アプリケーションをダウンロードする
後日、.NET TIPSでも随時紹介していきたいと思うが、チャート・コントロールは実に多機能なコントロールだ。なかなか一度にすべてを把握するのは難しい。
どこから手を付けてよいのか分からないという方は、まずは、サンプル・アプリケーションを入手してみるとよいだろう。サンプル・アプリケーションは、以下のページからダウンロードできる。「ASP.NET Samples」というリンクをクリックしてほしい。
ダウンロードしたWebSamples.zipを解凍すると「WebSamples」というフォルダができるので、適当なフォルダにコピーしたうえで、Visual Studioから開いてみよう。Default.aspxをASP.NET開発サーバで実行すると、以下のようなページが開く。
チャート・コントロールのサンプル・アプリケーション |
サンプル・アプリケーションは、単にサンプル集というだけでなく、オーバービューから導入のためのチュートリアルも含まれているので、特に「Getting Started」は軽く一読しておくと全体像の把握に役立つだろう。あとは「Chart Types」の配下から自分の作成したいチャートを選んで、具体的なコードと実行結果を確認していくとよい。
なお、チャート・コントロールに含まれる各種APIについては、Microsoft Chart Controls for .NET Framework Documentationから.chm形式のドキュメントもダウンロードできる。
利用可能バージョン:.NET Framework 3.5 カテゴリ:Webフォーム 処理対象:Chartコントロール 使用ライブラリ:Chartコントロール |
「.NET TIPS」 |
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