連載:[完全版]究極のC#プログラミング

Chapter2 ジェネリック

川俣 晶
2009/08/17

2.2 新しいコレクションの紹介

 リスト2.1で使用されているListクラスは、従来のArrayListクラスに相当するコレクションクラスである。ちなみに、Listクラスが属する名前空間は「System.Collections」ではなく「System.Collections.Generic」である。

 このことからわかるとおり、ジェネリックなコレクションを使ううえでは、「名前が変わっている」、「名前空間が変わっている」という2つのポイントを踏まえなければならない。

 このうち、名前空間のほうは基本的に1種類しかないので、さほど迷うことはないだろう。特に、Visual Studio 2008でソースファイルを作成すると、デフォルトで、

using System.Collections.Generic;

が書き込まれたファイルが作成されることも多いので、いちいち意識せずとも対応できるだろう。

 問題は、コレクションクラス本体の名前が変わっている点である。素早く把握できるように、主要なコレクションクラスについての対応関係を表2.1にまとめておく。

従来のコレクション ジェネリックのコレクション 機能
ArrayList List 可変サイズの1次元リスト
Hashtable Dictionary キー/値ペアのコレクション
Queue Queue 先入れ先出しコレクション
SortedList SortedList キーでソートされたキー/値ペアのコレクション
Stack Stack 後入れ先出しコレクション
表2.1 コレクションクラスの対応表
ジェネリックのコレクションクラスは.NET Framework 2.0以降でクラスライブラリに追加されたもの。もちろんこれには従来のコレクションクラスも含まれている。

 ちなみに、Stackクラスのように、従来のものと名前が同じクラスが存在することに注意が必要である。これらは別の名前空間に属する異なるクラスである。そのため、ジェネリック使用の有無のほかにも相違があるケースがある。その中で、特に大きな問題については後で説明する。

 さて、ArrayListからListへの名前の変更は、よく使われるクラスの名前がより短くなったということで使い勝手が良くなったといえるだろう(もっとも、ArrayListからList<string>になったと思うなら、短くなったとはいいにくいが……)。

 一方、HashtableからDictionaryへの変化は、原型をまったくとどめない名前の変化といえる。これは、名前からの類推が通用せず、新しい名前を暗記するしかないだろう。

 話はまだ終わらない。実は、ジェネリックのコレクションには、従来のコレクションにはない機能も増えているからだ。ここでは、そのような2つのクラスを紹介しておこう。


 INDEX
  [完全版]究極のC#プログラミング
  Chapter2 ジェネリック
    1.2.1 ジェネリックとは何か?
  2.2.2 新しいコレクションの紹介
    3.2.3 新しいコレクションクラス―LinkedListクラス
    4.2.4 新しいコレクションクラス―SortedDictionaryクラス
    5.2.5 ジェネリックコレクションの使い方
    6.2.6 ジェネリックメソッドと型推論
    7.2.7 HashtableクラスとDictionaryクラスの非互換性
    8.2.8 ジェネリックなクラスを自作する
    9.2.9 制約の付いたジェネリックなクラス/C++のtemplate機能との相違/練習問題
 
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