連載:[完全版]究極のC#プログラミングChapter18 LINQ to XML川俣 晶2010/05/06 |
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18.7 まとめ―ストレスレスなXMLの扱い
従来から、C#は比較的XMLを扱いやすい言語であった。標準でXML関連のクラスライブラリが提供され、文字列もISO 10646/Unicodeであり、文字のエンコードもXMLと同じIANA名準拠だったため、安心してXML文書を扱うことができた。また、DOMにも初期の頃からW3C非準拠の便利な機能が追加されていて、コーディング時のストレス感もそれほど大きくはなかった。
しかし、それでもC#でXMLを扱うとき、筆者の場合、一息ついて「やるぞ」と気合いを入れる必要があったのも事実である。だから、XMLを扱う機能は特定のクラスに集約し、ソースコードの大半はXMLのことを忘れて記述できるような構造をいつも採っていた。しかし、そうしたやり方はC# 3.0になって完全に変わった感がある。LINQ to XMLがあれば、気合いを入れなくとも、気楽にXMLを扱うコードが書けるのである。
これにより、従来はXMLを使わなければ処理できない部分だけにXMLを使っていたが、これからはXMLを使わなくとも処理できる部分にもXMLを使っていくことになるかもしれない。そのような構造を採ることは、データをプログラム外に持ち出しやすくなることを意味し、ネットワーク経由での分散処理の時代への1つの布石になるかもしれない。
【Exercise】練習問題
LINQ to XMLについて正しい説明を行っているものを選べ。
- XML文書の構築など、クエリ以外の機能も持つ
- LINQ to SQLの拡張であり、SQL ServerのXML型へのクエリを行う
- 遠隔地のXMLデータベースに対してクエリを発行する専用機能である
- DOMオブジェクトツリーに対するLINQ to Objectsによるクエリのことである
- XML Web Serviceで使用されるSOAPプロトコルを用いてSQL Serverにクエリを行う
INDEX | ||
[完全版]究極のC#プログラミング | ||
Chapter18 LINQ to XML | 1.18.1 LINQプロバイダーを導入する別の理由 | |
2.18.2 XML最大の災厄 | ||
3.18.3 DOMの憂鬱 | ||
4.18.4 E4XのXMLサポート | ||
5.18.5 LINQ to XMLというブレークスルー | ||
6.18.6 単純化されたXML文書生成 | ||
7.18.7 まとめ―ストレスレスなXMLの扱い/練習問題 | ||
「[完全版]究極のC#プログラミング」 |
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