特集:VBプログラマーのためのLINQ超入門(前編)LINQ(リンク)の基礎知識デジタルアドバンテージ 遠藤 孝信2008/09/26 |
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本稿は、すでに公開されている「特集:C#プログラマーのためのLINQ超入門(前編)LINQ(リンク)の基礎知識」を、Visual Basicプログラマー向けに加筆・修正したものです。 |
Visual Studio 2008(以下、VS 2008)にはさまざまな新機能が追加されていますが、最大の新機能といえばやはり「LINQ」(「リンク」と読みます)でしょう。
LINQとは、
Language INtegrated Query
の略で「統合言語クエリ」と訳されますが、もう少し分かりやすくいい換えれば、
言語(Visual BasicやC#など)のコード内に記述できるクエリ
となります。クエリとは「問い合わせ」です。開発でクエリといえばデータベース検索に使われるSQL文が代表的ですが、LINQではSQL文に似た構文によりクエリを記述し、データベースをはじめ、さまざまな対象から、データの検索や集計、取得などが可能になります。
LINQによるクエリをコード内に記述できるようにするため、Visual BasicやC#は拡張されバージョン・アップしています。LINQが利用可能な言語は、Visual Studio 2008とともに登場した.NET Framework 3.5に含まれるVisual Basic 2008(=Visual Basic 9.0。以降、VB 9.0)やC# 3.0です。また.NET Framework 3.5のクラス・ライブラリには、LINQのクエリを実行するのに必要なクラス群が追加されています。
本稿ではVBプログラマーの方に向けて、LINQを使ううえで最低限必要な知識を分かりやすく解説していきます。これからLINQを学ぼうという方の最初の一歩となれば幸いです。
LINQで記述された問い合わせ
まずはLINQにより、これまで記述していたデータベースの問い合わせのためのVBのコードがどのように変化するのかを見ていきます。
■ADO.NET+SQL文によるデータベースへの問い合わせ
.NETでデータベースのクエリというと、これまではADO.NETのフレームワーク(クラス・ライブラリ)を使って行っていました。これは例えば次のようなコードになります。
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リスト1 ADO.NETによるデータベースの検索 |
このサンプル・プログラムを実行するには、まずVS 2008でコンソール・アプリケーションのプロジェクトを新規作成します。次にサンプルのデータベース・ファイルである「NORTHWND.MDF」をソリューション・エクスプローラのプロジェクト名の部分にドラッグ&ドロップしてください。NORTHWND.MDFの入手については「連載:Visual Studio 2005によるWindowsデータベース・プログラミング 第4回」で解説しています。これによりデータソース構成ウィザードが起動しますが[キャンセル]ボタンをクリックしてキャンセルしてください。そしてリスト1のコードを入力します。
リスト1のSQL文では、Ordersテーブルから、ShipCountry列の値が「Norway」のレコードを選択し、そのレコードの4つの列の値を取得しています。ADO.NETによるプログラミングに関しては、「連載:ADO.NET基礎講座 第2回 .NETデータ・プロバイダによるデータベースのアクセス Page2」を参照してください。
リスト1の実行結果は次のようになります。
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リスト1の実行結果 |
さて、リスト1で示したコードは、ADO.NETを利用したデータベース・プログラミングの基本的なコードといえますが、SQL文の記述に関しては次のような問題点があります。
- SQL文を文字列で記述しなければならず、その構文が正しいかどうかは実行するまで分からない(コンパイル時に構文エラーを検出できない)
- SQL文の記述時にIntelliSense機能で列名を自動補完できないため不便
例えばテーブルの列名のスペルを間違ったとしても、それは実行時にSQL文が送信されるまでエラーになりません。LINQはまずこれらの問題を解決してくれます。
INDEX | ||
VBプログラマーのためのLINQ超入門(前編) | ||
LINQ(リンク)の基礎知識 | ||
1.ADO.NET+SQL文によるデータベースへの問い合わせ | ||
2.LINQによるデータベース/コレクションへの問い合わせ | ||
3.クエリの実行を支えるさまざまなLINQプロバイダ/LINQの書き方 | ||
4.そのほかのポイント/LINQPadの紹介 | ||
VBプログラマーのためのLINQ超入門(後編) | ||
LINQによるデータベース・アクセスとO/Rマッピング | ||
1.LINQのメソッド構文 | ||
2.データベースの問い合わせを行うLINQ to SQL | ||
3.O/RマッピングとLINQ to SQL | ||
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