連載Visual Studio 2005 Team System概要第2回 分散アプリケーションと論理データセンターのデザインデジタルアドバンテージ 遠藤 孝信2005/01/22 |
|
|
■アプリケーション・デザイナ(Application Designer)
アプリケーション・デザイナでは、分散システムを構成するアプリケーションやWebサービスを要素として配置し、各要素が持っている「エンドポイント」同士を接続して、「アプリケーション・ダイアグラム」を作成する(エンドポイントについては後述)。
◆配置可能な各種アプリケーション要素
アプリケーション・デザイナを開いているときのツールボックスには、次のような項目が並ぶ。
アプリケーション・デザイナのツールボックスの内容 |
このツールボックスには、各種アプリケーション要素とそれらに付加するエンドポイント、エンドポイント同士を接続する[Connection]などが含まれている。 |
設計にはまず、このツールボックス内の[Applications]配下に並ぶ各種アプリケーション要素をダイアグラム上にドラッグ&ドロップする。
以下の画面は、いくつかのアプリケーション要素を実際にドラッグ&ドロップにより配置したところだ。配置されたこれらのアプリケーション要素(以下、「ボックス」と記す)は、その種類により色が異なっている。
配置したボックスのうち、は選択して右クリック・メニューより[Implement Application]を選択することによりスケルトン(ひな型)を実装することができる。これを行うと、そのアプリケーションに対応したVS2005のプロジェクトが生成され、ソリューションに追加されることになる(使用するプログラミング言語はプロパティ・ウィンドウで指定可能)。やは、既存のデータベースや既存の汎用アプリケーションを示すためのものだ。
また、既存のプロジェクトであってもソリューションに追加することにより、ダイアグラム上でボックスとして表示される。実装済みのボックスには影が付くことになる。
◆エンドポイント
上記画面のには、円形あるいは六角形のエンドポイントがあらかじめ付いている。エンドポイントはツールボックスからも追加可能で、ボックスのへり(縁)上を任意に移動できる。
配置したボックス同士はエンドポイント間を線でつなぐことにより、実装に必要となるそれらの接続関係を示す。エンドポイントの接続は、ツールボックスで[Connection]を選択してから、ボックス上のエンドポイントを始点として、別のボックスへドラッグする(これによりドラッグ先のボックスにエンドポイントが自動作成される)。
例えばデータベースのボックスのエンドポイントから、Webサービスのボックスへ接続を行うと、まず次のようなデータベース・サーバとその認証方法、およびデータベースを選択するダイアログが表示される。データソースを設定するこのダイアログはVisual Studio .NETでもおなじみのものだ。
データベースのボックスから接続を行うときに表示されるダイアログ |
このダイアログは、例えばデータベースとWebサービスのエンドポイントを接続しようとすると表示される。ここでの情報は、実装時にweb.configファイルに格納される。 |
このダイアログを設定すれば、次の図のように、ボックス間の接続が表示される。エンドポイントの色と接続の矢印により、サービスを提供する側と利用する側は区別される。
接続されたデータベースとWebサービス |
塗りつぶされたエンドポイントはサービスを提供する側を示している。 |
この場合には、上記ダイアログで設定したデータソースの情報は、Webサービスのボックスを実装したときに、データベースへの接続文字列としてプロジェクト内のweb.configファイルで記述されることになる。
INDEX | ||
Visual Studio 2005 Team System概要 | ||
第2回 分散アプリケーションと論理データセンターのデザイン | ||
1.分散システム・デザイナの必要性 | ||
2.アプリケーション・デザイナ(1) | ||
3.アプリケーション・デザイナ(2) | ||
4.論理データセンター・デザイナ | ||
「Visual Studio 2005 Team System概要」 |
- 第2回 簡潔なコーディングのために (2017/7/26)
ラムダ式で記述できるメンバの増加、throw式、out変数、タプルなど、C# 7には以前よりもコードを簡潔に記述できるような機能が導入されている - 第1回 Visual Studio Codeデバッグの基礎知識 (2017/7/21)
Node.jsプログラムをデバッグしながら、Visual Studio Codeに統合されているデバッグ機能の基本の「キ」をマスターしよう - 第1回 明瞭なコーディングのために (2017/7/19)
C# 7で追加された新機能の中から、「数値リテラル構文の改善」と「ローカル関数」を紹介する。これらは分かりやすいコードを記述するのに使える - Presentation Translator (2017/7/18)
Presentation TranslatorはPowerPoint用のアドイン。プレゼンテーション時の字幕の付加や、多言語での質疑応答、スライドの翻訳を行える
|
|