連載:VSTSの単体テスト機能は本当に使えるのか?第2回 アジャイル開発者から見たVSTSテスト機能太陽システム株式会社 中西 庸文(Microsoft MVP 2006 - Solutions Architect) 2006/09/20 |
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■NUnitからVSTSのテスティング・フレームワークへの移行
ここまでで、Learning Testを通じてVSTSのテスティング・フレームワークとNUnitのアサーションを比較した。それぞれのテスティング・フレームワークにおいて独自のアサーションが存在するものの、共通するアサーションにおいては一部を除いてそのメソッド・シグネチャはまったくといっていいほど同じであることが判明した。
VSTSのテスティング・フレームワークとNUnitの単体テストの記述方法を比較して目立って異なる点といえば、テスト・クラスやテスト・メソッドなどの属性名が異なることと、VSTSのテスティング・フレームワークには、単体テストに関する情報が取得できるTestContextクラスや、単体テストのタイムアウト期限が設定できるTimeout属性などが用意されていることぐらいだろう。。
このあたりに注意すればNUnitからVSTSのテスティング・フレームワークへの移行はそう難しいものではないことがお分かりいただけるのではないだろうか。
まとめ
今回は、アジャイル開発の基本スキルとVSTSでのアジャイル開発の実践について説明した。また、VSTSの単体テストとNUnitとの比較を行い、VSTSの単体テストの問題点と解決策を示すとともに、Learning TestによってVSTSのテスティング・フレームワークのアサーションを学習した結果として、NUnitからVSTSの単体テストへの移行がそれほど困難なものではないことを示唆した。
アジャイル開発者から見てもVSTSの単体テストを用いたテスト駆動開発が有効なものであり、VSTSが使用できる環境があれば、NUnitからの移行を検討してもよいのではないかという結論に至った。
ただ残念なことに、テスト記述方法の比較を行っただけでは.NETでのテスト駆動開発の定番ツールとなっているNUnitからVSTSの単体テストへ移行するだけの十分な根拠は得られなかった。どうやらVSTSでしか実現することができない単体テスト機能について、さらに検証してみる必要がありそうだ。
次回は、VSTSの単体テスト機能で注目すべきデータ・ドリブン単体テストやASP.NET単体テストについての解説を行う予定である。
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INDEX | ||
VSTSの単体テスト機能は本当に使えるのか? | ||
第2回 アジャイル開発者から見たVSTSテスト機能 | ||
1.VSTSにおけるアジャイル開発の実践 | ||
2.VSTSの単体テストとNUnitとの比較(1) | ||
3.VSTSの単体テストとNUnitとの比較(2) | ||
4.VSTSの単体テストとNUnitとの比較(3) | ||
5.NUnitからVSTSのテスティング・フレームワークへの移行 | ||
「VSTSの単体テスト機能は本当に使えるのか?」 |
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