ちょっと気になる話題

「子会社と親会社の最近の関係」

2001/1/20

●JAL、日本IBMとIT戦略の強化を目的に提携(2001/1/18)
http://www.jp.ibm.com/NewsDB.nsf/2001/01182
  JALがIT戦略強化を目的として、日本IBMとの提携に基本合意。JALはIBMに対し、システム開発・運用・保守等の業務をアウトソーシングし、日本IBMはJALのIT子会社ジャルインフォテック(JIT)へ資本参加と社員派遣を行う。JITはこれにより、外販事業分野の収益基盤の強化を図る

 最近、子会社が親会社以外の収益基盤強化のため、と他社と提携するケースが増えてきた。

 ITバブル崩壊の余波をうけ、親会社と子会社の関係に微妙な変化が生じたということだろうか?親会社から切り離されて、親会社向けにITサービス事業を行う子会社はたくさんあると思うのだが、市場環境の厳しさから親会社の懐具合が寒くなれば、当然子会社はその影響をまともにくらう。 いつ親が倒れるか分からない、いまのうちに自立しよう、そうした危機意識の目覚めなのだろうか?

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  親会社の冠名がつく企業は、なかなか外販事業を拡大するのは難しい。特に親会社のブランド力が大きければ大きいほど、親会社のイメージがついてまわって、邪魔をするケースも少なくない。 それに、「もう親会社に頼って、面倒をみていただくのはやめます」とも正面きっていいづらい……という気兼ねもあるだろう。

 そこで他ブランドとの提携を結び、他社のノウハウを活かし、さらに親孝行します、 と一方では殊勝なことを言ってみせ、一方では親会社のカラーを薄めて、外販事業に精を出す……。

 こうした世渡り上手な子会社は、目論見どおりに、果たして生き残ることができるのであろうか? 一方の親会社にしても、子供の面倒を見なくてよくなるのなら、そうした親離れも親不孝とは思わずに、親の看板を背中に隠しつつ営業にまわる子供の姿を黙認するということか。

 いずれにしろ、親と子の関係は、実社会同様にビジネスの世界でも希薄になりつつある……ようだ。

(荒木 直子)

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