ちょっと気になる話題

「ハイパーマーケット躍進の裏側」

2001/2/7

●ビューロシティ、カルフール社のサプライ・チェーンによるトレーディング・パートナーとの連携を世界規模で支援(2001/2/5)
ビューロシティ ( http://www.viewlocity.com )
カルフール ( http://www.carrefour.com/ )
  インターネット上でのトレーディング・パートナーとのビジネス連携を支援するソフトウェアおよびサービスのグローバル・プロバイダーであるビューロシティは、その日本における最初の顧客、カルフール社向けのシステム開発の第一段階が終了したことを発表した

 2000年12月に千葉・幕張地区に日本進出第1号店を開店させた「カルフール」をご存じだろうか。 フランスを本拠地とするカルフールは、世界第2位の売り上げを誇り、26カ国にハイパーマーケットなどを展開する巨大な小売業者である。

 日本でも、「Olympic」という大型店舗を保有する小売業者がハイパーマーケットと名乗っているが、TVCMで注目された2年ほど前にはまだ「ハイパーマーケット」という呼び方はしていなかったように思う。もしかしたら当時からそう呼んでいたのかもしれないが、記憶には残っていない。

 ところで、ハイパーマーケットとは一体どんな店舗なのだろう? まだ実際に足を運んだことはないので、既存のスーパーマーケットやショッピング・センター、アウトレット・モールなどとの区別がつかない。インターネットでさまざまな情報を検索して、調べてみたところ、どうやら次のような特徴があるらしいことがわかった。

  • 郊外型の店舗
  • 1000台以上を収容できる駐車場を完備
  • 店舗のスタッフ数は500名規模を誇る
  • 大量仕入れにより、ディスカウントを実現している
  • 商品点数も5万点を超えているらしい

 食料品はもちろんのこと、家電、日用品や衣料品からCD、化粧品まで、生活に必要なものはほとんどそろうらしい。1日中買い物していても飽きないだろうな、と思いつつも、こうしたハイパーマーケットの躍進ぶりをみると、やはり「SCM(サプライ・チェーン・マネジメント)」のことが気になる。

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 商品点数が増えれば増えるほど、仕入れや在庫管理、売り上げ状況の把握、配送手配などが複雑になり、それらを管理するためのデータ量も相当膨大な量になるはずである。それに品揃えが豊富ということは、それだけ取り引き先も多いということ。

 小売業においては、商品の販売価格を下げるためには、まず仕入れコストを低減させなければならないので、どうしてもSCMにおける成功が必要となる。

 カルフールは全世界で培ってきたノウハウを結集して、日本へ乗り込んできた。今回のリリースを見る限りでは、「基幹 e インフラを構築し、同社のショップ、卸売業者、納入業者、物流業者からなる世界的なネットワークと連携する予定」とあるので、やはりSCM構築にその成否がかかっていることがわかる。

 SCMがうまくいけば、価格競争力を得ることができるし、消費者にとって欲しいものがいつでも手に入る状態を保つことができ、顧客満足度を向上することが可能だ。削減したコストを顧客への付加価値サービスの拡充やPRに投資することも可能になる(もちろん、コスト削減分を価格低減に反映させることもできるが)。

 日本では、消費者の購買意欲が冷え込んでからすでに長い時間が経過しているが、ディスカウント・ショップの良さを取り入れつつ、1カ所で全てが手に入るワン・ストップ型の楽しいショッピング・スタイルを実現できれば、凍りついた財布のひもを溶かすこともできるのではないだろうか。

 金融・保険業界の再編において、外資系企業の活躍が大きなカンフル剤となったように、小売・流通業界においても、カルフールような外資系企業の躍進が、なんらか(景気回復?)の役目を果たしてくれると信じたい……。

(荒木 直子)

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