ちょっと気になる話題
「携帯電話のウェアラブル・コンピュータ化」
2001/2/23
●アクシスコミュニケーションズのBluetooth(tm)アクセスポイント「AXIS 9010」が ニューヨーク ホリディ イン ホテルのBluetooth (tm)システムソリューションに採用 |
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アクシスコミュニケーションズ株式会社 ( http://www.axiscom.co.jp/whatsnew/whatsnew.html ) |
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2001年02月21日、スウェーデン アクシスコミュニケーションズABは、米国Registry Magic社がニューヨークのHoliday Inn Wall Streetに導入するBluetoothシステムソリューションに、同社アクセスポイント「AXIS 9010」が採用されたことを発表した。これにより、Holiday Inn Wall Streetは、Registry Magic社のBluetooth対応コンシューマ・ペイメント・ネットワークを導入することを決定しており、世界初のBluetoothソリューションを採用したホテルとなる |
いま、その動向が最も注目されている技術ともいえる「Bluetooth」。最近になって、やっとその技術を応用して、我々の生活に変化をもたらしそうな話題が聞かれるようになってきた。
今回のリリースによると、世界中のビジネスマンが利用するニューヨークのウォールストリートにあるホテルで、チェックイン・チェックアウト、客室への入室アクセス、ホテル内レストランでの飲食代の支払などが携帯電話から行えるようになるのだという。
「Bluetooth」は何に応用されるだろう?と、日ごろいろいろな想像をめぐらせていた人にとっては、これでかなり鮮明なイメージがつかめるだろう。ほとんどのビジネスマンにとって、ビジネス・ツールとしてはいまや欠くことのできない携帯電話が、出張先のホテルでも活躍することになる。
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アメリカでは昨年秋ごろから、この「Bluetooth」対応携帯端末(携帯電話に限らず、携帯端末なども)が盛んに開発され、具体的に生活の中でサービスが開始されるのはいまかいまかと待ち望まれていたことだろう。
それに、ヨーロッパやアジアに比べて、携帯電話システムが遅れているという背景も手伝ってか、米国では携帯電話システムそのものの発展よりも、「Bluetooth」技術対応による「ウェアラブル・コンピュータ」化の方が進化しやすいのかもしれない。
一方、日本では最近、Javaを搭載したiアプリなる次世代携帯電話が話題になっている。もっぱら利用目的には「ゲーム」がもてはやされているが……。実は、それ以外にも、必要最低限の情報だけをダウンロードするだけで、画像を表示させることが可能になったので、通信費が節約できたり、定期的にサーバへ接続して、必要な情報を更新させることもできたりするので、単純によりゲームが楽しめるというわけでもないのだ。
ところで、米国では「Bluetooth」による携帯電話のウェアラブル・コンピュータ化が進んでいるとはいえ、海外からの出張者はまだワールドワイドに使える携帯電話(あるいは携帯端末)を必ずしも持ち合わせているとは限らないため、その恩恵にあずかるというのは難しいかもしれない。日本でも、ワールドワイドに対応した機種やサービスもすでに登場はしているが、まだまだメジャーではない。
米国ではビジネス向けのサービスが主流になりそうだし、日本ではエンターテイメント系のサービスが主流になりそうではあるが、「ウェアラブル」であるためには、洋服や靴などと同様、活動している間中、身に付けていて、しかもビジネスにおいても、プライベートな時間においても常時使えるものでなくてはならない。海外出張の時には使い物にならないというのでは、そもそも話にならない。
NTTドコモが世界で大きな成功を収めてくれれば、いつの日か、いまは日本でしか使えないiモードやiアプリも、地理的な条件を気にせず、いつでもどこでも使えるものになるのかもしれない。そして、もちろん近い将来、「Bluetooth」対応機種が登場すれば、米国と日本での異なる2つの流れが1つになり、そのときこそ、われわれはその携帯電話を便利な「ウェアラブル・コンピュータ」として受け容れるであろう。
(荒木 直子)
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