ちょっと気になる話題
「モバイルの強みを生かしたSFA」
2001/4/17
●2001年4月、NTTドコモと独SAP (ERPの大手ベンダ)は、ビジネス向けのモバイル・ソリューション開発や販売での提携を発表 | |
NTTドコモプレスリリース ( http://www.nttdocomo.co.jp/new/contents/01/whatnew0412b.html ) |
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IT
Proニュース ( http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/NCC/NEWS/20010412/2/ ) |
2001年3月5日にNTTドコモのiモード加入者が2000万人を突破した、という発表(NTTドコモ発表)があったばかりだが、これらのユーザーのうち、少なくとも半分くらいはビジネスにおいても携帯電話が欠かせない、という人なのではないだろうか。
特に、外を回ることの多い営業職の人にとっては、外出先でのメールチェックや緊急時の連絡手段、あるいはノートPCからインターネットに接続する場合の通信手段としてなど、携帯電話の活躍する機会は確実に増えているはずだ。
SFA(Sales Force Automation)というのは、簡単に説明すると、営業に関する情報をデータベース化し、それらを共有することによって、そこからノウハウを得たり、無駄を省いたり、あるいは顧客への対応を迅速にするといった「営業活動を支援する」仕組みである。
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ただ、こうしたSFAを導入した経験のある情報システム部門の人なら誰もが経験する悩みがある。高額な資金を投入して立派なSFAを導入してはみたものの、肝心の営業情報の入力がうまくいかない、という切実な悩みだ。
ただでさえ忙しい営業担当者にとって、新しいツールを使いこなす余裕はなく、日々変動する営業情報を逐次入力するというマメさを要求されることは、かえって営業効率を下げるのではないか、という批判ともとれる反応を返されたことはないだろうか?
あるいは、「ある内容を入力するまでにいくつものステップを踏まなければならない」というユーザビリティの問題や「会社名を入力ミスしてしまったので、後から検索しようとしても検索できない」なども当の本人にとっては大問題だろう。
人間にとってはケアレス・ミスではあっても、コンピュータにとってはミスかどうかなどの判断はつくはずがなく、結局は1つ1つ人間がそうした営業情報のミスを修正していかなくてはならない。考えてみれば、極めてシンプルではあるけれども、やはり目をつむることはできないような問題に思い当たるふしはないだろうか?
そこで、このSFA向けのモバイル・ソリューションには1つ期待したいことがある。それは、携帯電話ならではの強みを生かした最先端の「音声入力技術の搭載」である。携帯電話向けに、音声によって必要な情報を検索するというソフトは開発されているが、携帯電話から営業報告をする(つまり、しゃべる)と、SFAのデータベースにそのまま入力されてしまうという機能はまだないのではないだろうか。
これが実現されれば、この「データ入力」にまつわる大小さまざまな問題はかなり解決されるはずである。まず、キーボードを叩くという手間から解放される、入力ミスがなくなる(ただし、音声の識別や同音異義語をどう区別するかという新たな問題は発生するだろうが)、PCの苦手な営業担当者でも簡単に営業情報を入力できる。
CRM製品でも同じである。コールセンターにおける顧客からのクレーム電話でのやり取りがすぐにデータベースに入力されれば、いま切った電話の内容を思い出しながら入力する手間は省けるので、その分、さらに多くの電話に応対できるようになる。
携帯電話でのインターネットが登場したとき、数字キーしかない携帯端末からいかにアクセスさせるかということに、携帯電話向けコンテンツ製作者は頭を悩ませたはずだ。その延長線上に、数字のみでサイトにアクセスするという技術も生まれた。これらはキーボードをもたない携帯電話端末の弱みを逆に利用した例といえる。
今度はぜひ携帯電話の強みを利用して欲しい。携帯電話でしゃべると、今日の営業報告あるいは顧客とのやり取りがSFAのデータベースにすでに入力されている、という具合に。もちろん、すでに音声入力できるメールソフトなどもあるので、できない話ではないだろう。
が、これは携帯電話の強みを生かすわけだから、手元にPCがなくても、入力できるというのがミソだ。同音異義語などコンピュータが迷った場合は、小さな携帯電話の画面上で文字変換について問い合わせてくれるとかなり嬉しいのだが。
とにかく、文字入力にはかなり手間のかかる携帯電話を使ったSFAであればなおのこと、営業情報の入力をいかに簡単にできるようにするか、というところに成功のカギがあるような気がしてならない。
(荒木 直子)
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