分散オブジェクト環境を学ぶ

連載:HORBと遊ぼう(1)

まずはHORBに触ってみよう!

萩本順三
HORB Openマネージャ
株式会社豆蔵
2000/10/26

 (1) 最初にHORBのセットアップ


■HORBのダウンロードとインストール

 次の順序でダウンロードとインストールを行います。ここでは、Windows 98を対象に説明を行いますので、お使いのOSの設定方法に読み替えてください。


(1)ダウンロードエントリページを開く

 まず始めに、HORBをダウンロードエントリーページを開きましょう!
 URLはこちら(http://www.horb.org/horb-j/download/index.htmまたはhttp://horb.etl.go.jp/horb-j/download/index.html)です。以下のような画面が開くはずです。ここでは、氏名、目的、電子メールのアドレスなどを記載してください。簡単なコメントを書いていただければわれわれ開発者の励みになります。何かいいこと書いてくれたら開発者から返事がいきますよ、きっと!

HORBのダウンロードページ (クリックすると拡大します)

 すべて記入したら、下方にある[download]ボタンを押してください。ダウンロードページが開きます。


(2)ダウンロードページ

 このページが開いたらブラウザのお気に入りに追加しておいてください。そうしないと、次回のダウンロード時に、何度もエントリページで名前などの入力をしなければならないので面倒です。

ページを一部拡大したところ。「HORB Core 2.0.1」をダウンロードしましょう!

 お使いのマシンがWindowsなら「Core package」horb201.zipをクリックしてダウンロードを開始してください。このファイル名は、今後のHORBのバージョンアップによって、名前が変更されているかもしれませんので注意してください。

 そのほかのダウンロードパッケージはHORB拡張キットですので、興味がある方はダウンロードしてください。あ、そうそうドキュメントも必要ですよね。ドキュメントは、同じページの「HORB version 2.0 Document」からダウンロードしましょう。なんとドキュメントが日本語なんですよ。そりゃそうですよね。日本人が作っているんですから。英語もおまけとして用意されています。

 ドキュメントは、こちらのURL(http://www.horb.org/horb-j/doc/index.htm)でオンラインで読むこともできます。


(3)圧縮ファイルを解凍する

 horb201.zipは圧縮ファイルになっています。これを解凍するにはWinZip(http://www.winzip.com)などのツールが必要となります。ここでは、Cドライブのルートディレクトリに解凍したことにしましょう。

 ファイル解凍後は、下記のようなディレクトリができていると思います。この中で最初に必要となるのは、c:\horb2.0\binc:\horb2.0\classesc:\horb2.0\examplesです。

●フォルダ「horb2.0」に展開される各ディレクトリの内容

Bin
HORBプログラムファイル
Classes
HORBクラスファイル
Classsrc
HORBソースファイル
Examples
HORBのサンプルソース
Lib
HORBのjarファイル
(クラスパスにこちらを使用してもよいです)


(4)動作環境を設定する


 HORBを動作させるには、プログラムとクラスにパスを設定します。

 Cドライブのルートディレクトリに「autoexec.bat」がありますので、このファイルを編集するか、HORB起動用のMS-DOSプロンプトを作り、そのプロパティの中のバッチファイルで指定するバッチファイルに下記の内容を書き込んでください。文字列の最後尾の%CLASSPATH%%path%は、既に設定されているクラスパスと実行パスを引き継ぐためのものです。ほかのパスが不必要なら省略してください。

 クラスパスの設定は、カレントディレクトリ「.」と、HORBのクラスファイルの両方をクラスパスとして登録しています。カレントディレクトリを設定しておかないとカレントからクラスをロードできなくなるので注意してください。

 Pathは、horbのプログラムファイルが入っているディレクトリを指定しています。当然のことながら皆さんは、Javaを使っているはずですから、Javaのパスが入っているはずです。下記の例では、JavaVMの実行形式ファイルがc:\java1.3\binにあることを示しています。

set CLASSPATH=.;c:\horb2.0\classes;%CLASSPATH%
set path=c:\horb2.0\bin;c:\java1.3\bin;%path%


(5) HORBの起動を確認する

 まず、MS-DOSプロンプトを起動します。そして、次のようにプロンプトから実行して、horbとhorbc(HORBコンパイラ)のバージョンを確認しましょう。下記のようにメッセージが表示されればインストールOKです。

C:\>horb -version
HORB ORB Version 2.0.1
 Copyright 1995-2000 HIRANO Satoshi
 Copyright 1995-2000 Electrotechnical Laboratory and contributors
 Copyright 1999-2000 NJK Corporation

(注)エラーになっても慌てないでください。じっくりエラーメッセージを見てみましょう。単に、CLASSPATH変数やpath変数の設定に誤りがあることが多いのです。この場合は、以下の対処をしてください。

エラーメッセージと対処方法

・次のエラーメッセージが表示される場合

Exception in thread "main" java.lang.NoClassDefFoundError: horb/orb/HORBServer

CLASSPATHの設定に誤りがありますので、もう1度バッチファイルの内容を確認してください。

・何も表示しないで終わる場合
pathの設定にJavaVMの実行形式ファイルが設定されていません。お使いのJDKのbinディレクトリをpathに加えてください。

・「コマンドまたはファイル名が違います」というメッセージが出る場合
pathの設定にhorb2.0\binが設定されていません。c:\horb2.0\binをpathに加えているかを確認してください。

 

■さっそくHORBを試してみよう!

 さて、HORBの準備はできましたね。ここからHORB魔法のじゅうたんでネットワーク空間を飛んでみましょう。その事前準備として、まずはJavaプログラミングの動作について復習してみましょう。

 サンプルソースをここからダウンロードしてください。このファイルもCドライブのルートディレクトリに解凍することにします。C:\examples\step1というディレクトリの下に、以下のファイルが解凍されるはずです。

リスト1
Test.java
リスト2
Client.java

 それぞれのソースの内容は以下のようになっています。

public class Test{
 public String greeting(String s){
  System.out.println(s);
  return "こんにちは、Testです。";
 }
}
リスト1 Test.java

public class Client{
 public static void main( String argv[] ){
  Test test = new Test();
  String result = test.greeting("こんにちは、Clientです。");
  System.out.println(result);
 }
}
リスト2 Client.java

 カレントディレクトリをc:\examles\step1に移動し、リスト1リスト2のソースをコンパイルします。次に、いよいよ実行してみましょう。Clientを実行すると、以下のような結果になるはずです。

c:\examples\step1>java Client
こんにちは、Clientです。
こんにちは、Testです。

 このプログラムは、Clientオブジェクトの中で、Clientオブジェクトによって作成されたTestオブジェクトのgreetingメソッドを呼び出しています。やっていることは、ClientTestがお互いに挨拶をしているという単純なお遊びプログラムです。

 ここで、このプログラムはjavaコマンドによって起動されたJavaVMのメモリの中で、実行されているというイメージを持ってください。

(2) HORBプログラムを実行してみる


Index
第1回 まずはHORBに触ってみよう!
(1) HORBのセットアップ
 HORBのダウンロードとインストール
 さっそくHORBを試してみよう!
  (2) HORBプログラムを実行してみる
 HORBを使ったJavaプログラム
 HORBプログラムで何が起こったのか?
 魔法の絨毯の仕掛けとは
 HORBって何が便利なの?
 


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