連載

スキルアップのための分散オブジェクト入門

この連載の読み方

 Java、EJB、Webアプリケーションなど、さまざまな新しいテクノロジのキーワードが登場する中で、「分散オブジェト技術」というキーワードは一見古く感じられます。しかし、長い歴史をもつ分散オブジェクト技術は、情報システムにおけるソフトウェアの分散配置による大規模システムの実現、ソフトウェアのコンポーネント化や再利用、将来の拡張性を確保する手法として、今後も利用され続ける技術です。

 そして現在、企業システムの統合、Webシステムとレガシーの接続が業界の大きなテーマとなっています。その解決にWebサービスも注目を集めていますが、分散オブジェクト技術との共存が現実解との共通認識が業界にはあり、分散オブジェクト技術は、技術者にとって今後ますますシステムインテグレーションを行う際の基礎的な知識として、知っているべき技術となるでしょう。

 本連載では、初心者の方を対象に本文で内容をできるだけやさしく解説します。そして随所に盛り込むTIPSは、筆者の経験から得た、経験者やプロジェクト・リーダーに向けた実践的なアドバイスで構成します。初心者の方は、こうしたTIPSをスキップして読み進めてください。以上の構成で、技術者が本連載を分散オブジェクト技術に関するスキルアップに役立てていただけるよう、工夫を行っています。(編集局)


 INDEX
スキルアップのための分散オブジェクト入門
第1回 分散オブジェクト技術が必要なわけ(2002/3/19)
第2回 分散オブジェクトのしくみを理解する(2002/4/4)
第3回 開発手順からCORBAのしくみを理解する(2002/4/25)
第4回 開発手順から分かるEJBとJavaRMI(2002/6/25)
第5回 分散オブジェクト技術としてのHORBとCOM+(2002/8/21)
第6回 現実モデルとしてのWebサービスとの共存(2002/10/4)

筆者プロフィール
小野沢 博文(おのざわ ひろふみ)

 現在、日本アイオナテクノロジーズ株式会社にて分散オブジェクト・システムの技術コンサルタントを務める。
 1991年まで富士通株式会社にてプラズマ実験データ処理システムの開発やシステム運用に携わった後、1996年以前は日本DECにてCORBA準拠のObjectBrokerおよびDCEの開発を担当。また、MIA、NMF SPIRITなどの標準化活動にも参加する。 1997年1月から1999年8月までは、TCSIにて分散オブジェクト技術を適用したテレコム向けの大規模ネットワーク管理システムの開発に携わる。

[著書一覧]
『CORBA完全解説 基礎編』(ソフト・リサーチ・センター)、『CORBA完全解説 応用編』(ソフト・リサーチ・センター)、『分散オブジェクト指向技術CORBA』(ソフト・リサーチ・センター)、『イントラネットのためのオブジェクト指向データベース技術』(共著、ソフト・リサーチ・センター)、『分散コンピューティング環境 DCE』 (監著、共立出版)、『トランザクション処理システム入門』(共訳、日経BP)


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