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@IT > Master of IP Network > Mobile Connection > 携帯に特化したHDMLとは何だろう? |
HDMLでEZweb対応のページを作る(1)
EZwebとは、1999年4月にサービスがはじまった携帯電話からのインターネットアクセスサービスの総称です。現在、KDDIグループの携帯電話、auとTU-KAから発売されているほぼすべての携帯電話がこれに対応しています。なお、KDDIグループのDDIポケットのPHSは独自にインターネットアクセスのサービスを行っており、EZwebには統合されていません。EZwebでは、EZwebに対応したサイト(コンテンツ)を利用させるためのサービスと、メールサービスを利用できます。 EZweb陣営では、1999年から2000年にかけては対応機種が少なかったり、情報料課金の代行徴収のシステムの整備などの影響もあり、iモードに比べると立ち上がりが遅れていました。しかし、2000年夏以降、積極的な展開がされはじめています。現在ユーザーは約670万人(3月末現在)*1で、発売中の端末はほとんどがEZweb対応になっています。特に、従来KDDIの携帯電話は社会人向けにcdmaOneをベースとしたややハイエンドなユーザー向けの仕様となっていましたが、学割(学生向けの割引サービス)の導入など、携帯コンテンツのアクティブな利用ユーザーにマーケティング的な焦点を移しはじめています。
コンテンツという意味では、公式サイト(KDDIが自らのメニューとして提供)が約650サイト、非公式サイト(直接URLを入力する必要があり、KDDIが直接管理していないもの)が約4000サイト前後あるといわれています。全体で約4500〜5000サイトほどのボリュームということになるのですが、これはiモードと比較してみると、随分少ないと感じられるかもしれません。しかし、この状況(サイト数の割にユーザー数が多い)を1つのチャンスとしてとらえるといいのではないでしょうか。
それでは、EZwebに対応したサイトはどのようにして作ればよいのでしょうか。EZweb対応端末には、UP.Browserというソフトウェアが搭載されています。このソフトは、米Openwave Systems社が開発したもので、携帯電話用に開発されたWebブラウザと考えてもらえばよいでしょう。このブラウザからは、HDML(Handheld Device Markup Language)という記述言語で書かれたサイトにアクセスすることができます。 すなわち、EZwebに対応したサイトを作成するためには、HDMLという記述言語を利用すればよいということになります。HDMLは独自の記述言語ですが、HTTP 1.1をベースにHTMLの利点を随所に取り入れた言語なので、HTMLを知っている人であれば、誰でも簡単にサイトを作成することができます。 また、プロトコルとしてHTTP 1.1をサポートしていますので、既存のWebサーバやURLのシステムをそのまま使用することが可能です。EZweb向けのサイト専用のサーバを構築する必要もなければ、専用のソフトウェア・モジュールなどを設定する必要もありません。すなわち、HDMLという記述言語で作成されたプレーンテキスト形式のファイルを拡張子を.hdmlにして、サーバにアップロードすればよいのです(ただし、既存のWebサーバでは.hdmlの拡張子がデフォルトで登録されていないので、最初にそれを設定する必要はあります。しかし、その設定自体は難しいものではありません)。
さてHDMLについて、もう少し詳しく説明しましょう。HDMLとはHandheld Device Markup Languageという名のとおり、携帯端末(携帯電話やPDAなど)に特化した、携帯端末の特性を考慮した専用の記述言語です。カードとデッキと呼ばれる概念や、ソフトキー・アクティビティー機能などを中心にHTMLでは実現できない携帯端末向けの機能・特徴を生かした構成になっています。そして、WAPフォーラムにおいて規定されているWMLに深い影響力を与えています。 HDMLのHTTP 1.1上でのMIME形式はtext/x-hdmlとなっています。よって、EZwebサイトの作成から公開の手順はHTMLサイトとは違い、下記のような流れとなります(タグを実際に記述して作成する場合)。
HDMLサイトを作成する際に必要となるのは、通常のテキストエディタ、HDMLに対応した(text/x-hdml形式に対応した)ブラウザとなります。HDML対応ブラウザとしては、OpenwaveSystems社が無償で提供しているUP.SDKというソフトウェアキットの中に含まれるUP.Simulatorが利用可能です。このソフトは、Openwaveディベロッパープログラムのページからダウンロードできます。日本語のガイドなども用意されているので、とまどうことはないと思います。
HDMLにも、HTMLにあるようなオーサリングツールが幾つかありますが、正直あまり使いものにならないケースが多いので、直接タグを記述していく作成方法をお勧めします。オーサリングツールとしては、マイデッキエディター、EZ @ EZなどがあります(詳細はKDDIのサイト<http://info.ezweb.ne.jp/factory/index_01.html>でご確認ください)。
本連載では、現在のEZweb端末向けのサイト作成に関するTIPSを中心に解説します。しかし、ご存じの方もいらっしゃると思いますが、HDMLは今後バージョンアップの予定はありません。WAPフォーラムにおいては、WAP 2.0ではHDMLではなく、WML、そしてXHTML Basicを記述言語として採用する模様です。EZwebにおいても、今後はWAP 2.0を採用すると思われます。ただ、当分の間現行の端末は発売され続けますし、新端末が発売されても既存ユーザーは残るので、当分の間EZweb向けのサイト構築を考える場合は、HDMLで考えていく必要があるといえるでしょう。 したがって、当初はHDMLにややフォーカスした内容のEZwebサイト構築のための知識やTIPSを紹介し、その後は、
といった内容を予定しています。
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