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iAnywhereによるモバイル対応サーバ構築ガイド(1)
サイベースのモバイルソリューションへの取り組み

山口亮太
(有)ワイアール ソリューションズ
2001/7/27

本連載では、サイベース(アイエニウェア・ソリューション)が提供するSQL ANYWHERE STUDIOを利用して、モバイル対応サーバを構築する際のポイントを解説していきます。第1回は、アイエニウェア・ソリューションがどのような製品を提供しているのかを解説し、次回以降で、モバイル環境とサーバ間の簡単な連携方法、モバイルサーバの概略について解説する予定です。(@IT編集局)

 ノートPCなどのモバイル環境下においてデータベースを利用するということは、もはや一般的であり、それほど特筆するべきことではない。しかし、PDAや携帯電話といったモバイル端末上で、データベースを利用するとなると話は違ってくる。今回は、米国で先駆的にモバイル環境下でのデータベースを提供してきたサイベースのモバイル環境におけるソリューションについて解説していきたい。

 


 サイベースのモバイルへの取り組み

 まずは、サイベースのこれまでのモバイルへの取り組みを簡単に振り返ってみたい。サイベースは、もともとモバイル環境下でも稼働可能なデータベースとして「Adaptive Server Anywhere」(当初はSybase SQL Anywhere)という製品を提供していた。これは、サーバに常時接続できないような環境において、低スペックなPC上でも稼働可能であり、またネットワークとの接続が可能になった時点――同一LAN上だけではなく、電子メールを介する場合であっても――サーバとの同期が可能なRDBMSである。

 そして、その後登場する「Ultra Lite」という製品で、現在、いわゆるモバイルという切り口で表現されるPDA端末へ対応したのである。Ultra Liteは、Anywhereのようなフルスペックのデータベースではなく、データベースの機能のうち必要な部分だけを切り出し、アプリケーションに組み込むものであり、正確にいえばデータベースそのものではない。切り出された機能とデータはメモリ上に展開され、PC上のAnywhereと同期を取る仕組みになっている。

iAnywhere Solutions

 米Sybaseは、2000年5月にモバイルおよびワイヤレス環境でのeビジネスをmビジネスとして位置付け、mビジネスに特化した子会社「iAnywhere Solutions Inc.」を設立した(ニュースリリース)。iAnywhereから現在、市場へ投入されている製品が、この後で概要を解説する高機能RDBエンジンAdaptive Server Anywhereを含む「SQL ANYWHERE STUDIO」である。そしてもう1つがメッセージング、コンテンツおよびセッション・マネジメントを提供し、スケーラブルで信頼性の高いワイヤレス・アプリケーション・サーバiAnywhere Wireless Serverを含む「m-Bussiness Studio」である(米国では出荷済みだが、日本では未出荷)。本連載では、主にSQL ANYWHERE STUDIOを利用して、モバイル対応サーバを構築する際のポイントを解説する。

編集部注
 米国でのiAnywhere Solutionsの独立を受けて、日本では、2001年3月に、サイベース株式会社内に「アイエニウェア・ソリューション事業部」を設置し、独立した事業展開を行っている(ニュースリリース)。

SQL ANYWHERE STUDIOの概要

 

SQL ANYWHERE STUDIOのパッケージ

SQL ANYWHERE STUDIO 7.0に含まれるコンポーネントは、次の6つである。

  • Adaptive Server Anywhere 7.0
  • Mobile Link
  • SQL Remote
  • PowerDynamo
  • Sybase Central
  • Ultra Lite

◎Adaptive Server Anywhere 7.0
 低スペックのPC上での稼働を前提としたRDBエンジンの最新版である。機能的にもEnterprise系のDBでサポートしている基本機能はすべて網羅しており、低スペックのPC上でも問題なく稼働するが、企業レベルの大規模データベースとしての稼働を想定している。

◎Moble Link
 双方向のデータの同期を行うデータシンクロナイザである。Sybase Mobile Linkシンクロナイゼーション技術により、サイベース製品だけではなく、Oracle、Microsoft、IBMといった他ベンダ製品との同期もサポートしている。同期対象は、PDAをはじめとするモバイルクライアントである。

◎SQL Remote
 SQL Remoteは、サーバ―リモート間において、データのレプリケーション(複製)を双方向に行う製品である。SQL Remoteにより、多数の店舗上のデータベースのデータを本社に集めたり、最新の在庫情報を各営業のPCに配信したり、また、受注情報をモバイル環境から送信することが可能である。レプリケーションは、同一LAN上に接続せず、電子メール経由で行うことが可能である。

◎PowerDynamo
 データベースのデータを動的にWebコンテンツとして生成するツールである。静的なページの生成だけでなく、データの更新(INSERT、UPDATE)や削除が可能である。またHTTP完全互換のサーバを装備しているので、Adaptive Server Anywhereを利用して、モバイル環境でもオフラインのままでイントラネットやWebへアクセスした場合と同じ環境を利用できる。

◎Sybase Central
 データベースやPowerDynamoの管理ツール。データベースの作成から、レプリケーションの設定といった作業までがドラッグ&ドロップといった簡単な操作で管理できる。

◎Ultra Lite
 PDAなどで稼働する組み込み型アプリケーション上でも、本格的なデータベースを使用することが可能になる製品である。フルスペックなデータベースを提供するのではなく、特定のアプリケーションに必要な機能だけを切り出して利用するので、50Kbytes程度のカスタムデータベースが作成可能である。下記の環境に対応している。

  • Palm OS 3.0以上
  • Windows CE 2.11、Pocket PC (Windows CE 3.0)
  • Wind River VxWorks
  • DOS
  • Symbian EPOC (Java2)

 今回は、サイベースのモバイルソリューションについて概要を紹介した。次回は、それらを使って、モバイル端末上でのデータベースの構築および同期の具体的実現方法について解説する。

第2回の掲載は8月中旬ごろになります



 


 
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