リレーショナル データベース システム (Relational Database System)
別名
・RDBMS (Relational DataBase Management System) 【アール・ディ・ビー・エム・エス】
・RDB (Relational DataBase) 【アール・ディ・ビー】
・リレーショナルDBMS (Relational DBMS) 【リレーショナル・ディ・ビー・エム・エス】
データを行と列という2次元のテーブル形式で管理するデータベース システム。テーブル間でリレーションシップ(関係)を結ぶことにより、複雑な構造のデータも単純化して扱うことができる。「relational」は「関係のある」という意味で、日本語では「関係データベース システム」などと訳される。RDBMSの原案となった「リレーショナル データ モデル」は、1970年にIBMのエドガー・コッド(Edgar Codd)氏によって考案された。
リレーショナル データ モデル以外のデータベース方式としては、階層型データベースやネットワーク型データベースなどがある。これらの方式では、ファイル内のレコードに、別のレコードを指すポインタを直接埋め込むことで、あるレコードと別のレコードを関係づけるようになっている。これらの方式では、データベースへのアクセスが1つのファイルで完結すること、レコード同士の関係が直接ポインタで示されており、高速なアクセスが可能なことなどのメリットがある。しかしその代わり、1つのデータファイルの中でレコードが複雑に関係しあっているため、これらを分離したり、データ モデルを一部変更したりするなどが困難であった。
これに対しリレーショナル モデルでは、データを行と列からなる2次元のテーブル形式として捉える。ここで行はレコード、列はフィールド(レコードの属性)にあたる。1つの行(レコード)には、複数の列(フィールド)の値が格納される。こうしたレコードが複数格納されているのがファイルである。リレーショナル モデルの最大の特徴は、このようにテーブル(表)のイメージからなる複数のファイルのうち、特定の列の値をキーとして結合(join)し、それらをあたかも1つの大きな表としてデータを検索したり、更新したりできることだ。
たとえば今、次のようなフィールドを含む社員データベース(ファイル)があったとしよう。
社員番号
社員の氏名
社員の住所
そして別のデータベースとして、次のようなフィールドを含むファイルがあったとする。
社員番号
社員の給料
社員の社会保険料
これらは別々のファイルだが、すべての社員にユニークな「社員番号」が割り当てられるとすれば、このフィールドの値を使って2つのデータを結合(join)することにより、あたかも次のような1つのデータベースとして取り扱う(データを検索したり、更新したりする)ことが可能になる。
社員番号
社員の氏名
社員の住所
社員の給料
社員の社会保険料
このようにリレーショナル データ モデルでは、一定の条件を満たす特定フィールド値を使って、複数のファイルを簡単に結合することができる(このようなフィールドは「キー フィールド」と呼ばれることもある)。このため階層型やネットワーク型のように、最初から完成されたデータ構造を決定する必要はなく、適切なキー フィールドを含めたデータを必要に応じて作成し、それらを必要に応じて組み合わせることが可能になる。
RDBMSの欠点は、階層型やネットワーク型に比べると、複数のファイルを組み合わせて処理するためにオーバーヘッドが大きいことだが、コンピュータの性能が飛躍的に向上したことから、このことはあまり問題にならなくなった。現在ではRDBMSが広く普及しており、パーソナル コンピュータから、中規模、大規模システムに至るまで、幅広くさまざまな場面で活用されている。
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