DNSがUDPを使うのはなぜですか? 松浦 孝康(JPRS) |
DNSにおける名前解決では、やりとりされるデータが小さいことから原則として問い合わせ・応答ともに1パケットのUDPで行えるように設計されています。これはTCPに比べてUDPはプロトコルオーバヘッド※1が小さいという利点があるからです。
※1プロトコルオーバヘッドとは、通信におけるさまざまな処理を行うために費やすコストや時間のことを指します |
TCPでは、実際にデータを送信するまでに、セッション確立のための処理を行ったり、送信したデータが受信されたかどうかのチェック、受信されなかった場合は再送要求を出すなど、通信の信頼性を確保するためにさまざまな処理を行っています。そのため、クライアントおよびサーバ上での処理に掛かるプロトコルオーバヘッドはUDPに比べて大きくなります。また、小さなデータをやりとりするときでも、TCPはこれらの一連の処理をしなければならず、非効率的です。
これに対してUDPは、TCPのような通信の信頼性確保のための処理がなく、その分クライアントおよびサーバ上でのプロトコルオーバヘッドは小さくなります。
このことからDNSのような小さなデータをやりとりするときにおいては効率的、かつ高速に動作します。なお、UDPで信頼性が必要な場合はアプリケーション側(ここではDNSサーバ、およびリゾルバ)で再送要求を出すなどの処理が必要になります。
関連記事 | DNSにおけるUDPの制限って何ですか? |
DNS Tips Index |
「Master of IP Network総合インデックス」 |
Master of IP Network フォーラム 新着記事
- 完全HTTPS化のメリットと極意を大規模Webサービス――ピクシブ、クックパッド、ヤフーの事例から探る (2017/7/13)
2017年6月21日、ピクシブのオフィスで、同社主催の「大規模HTTPS導入Night」が開催された。大規模Webサービスで完全HTTPS化を行うに当たっての技術的、および非技術的な悩みや成果をテーマに、ヤフー、クックパッド、ピクシブの3社が、それぞれの事例について語り合った - ソラコムは、あなたの気が付かないうちに、少しずつ「次」へ進んでいる (2017/7/6)
ソラコムは、「トランスポート技術への非依存」度を高めている。当初はIoT用格安SIMというイメージもあったが、徐々に脱皮しようとしている。パブリッククラウドと同様、付加サービスでユーザーをつかんでいるからだ - Cisco SystemsのIntent-based Networkingは、どうネットワークエンジニアの仕事を変えるか (2017/7/4)
Cisco Systemsは2017年6月、同社イベントCisco Live 2017で、「THE NETWORK. INTUITIVE.」あるいは「Intent-based Networking」といった言葉を使い、ネットワークの構築・運用、そしてネットワークエンジニアの仕事を変えていくと説明した。これはどういうことなのだろうか - ifconfig 〜(IP)ネットワーク環境の確認/設定を行う (2017/7/3)
ifconfigは、LinuxやmacOSなど、主にUNIX系OSで用いるネットワーク環境の状態確認、設定のためのコマンドだ。IPアドレスやサブネットマスク、ブロードキャストアドレスなどの基本的な設定ができる他、イーサネットフレームの最大転送サイズ(MTU)の変更や、VLAN疑似デバイスの作成も可能だ。
|
|
Master of IP Network 記事ランキング
本日
月間