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コダック Retina IIIc
ドイツ コダックが1950年代に製造・販売した折り畳み蛇腹式の35mmカメラ。レンズ部分はスッポリとカメラ本体に収納されてしまうため、非常にコンパクトになる。レンズはSchneider(シュナイダー)製Xenon(クセノン)50mm
F2.0。
1950年代の製造というと、今から40年から50年も昔のカメラということになるが、写りは現在の高級コンパクト カメラよりもむしろいいくらいだ(味がある、というべきか)。PCもそれくらい長持ちしてくれれば、愛着がわくのだが……。 |
最近、とある会社で「メディア トレーニング」なるものの手伝いをした。メディア トレーニングとは、企業の部長や社長といった主に重役になった人にインタビューの対策を教える、というものだ。部長や社長といった立場の人の発言は、その内容によっては、企業の存続さえも左右してしまうことがあるため、企業側は予防策として、こうしたトレーニングを受けさせるわけだ。昨今、企業の不祥事が多発していることから、意外と需要が多いらしい。
このメディア トレーニングは、企業の重役でなくても参考になることが多い。内容をざっと紹介すると、まずインタビュー時の服装や態度、答えで気をつけるべき事項など、約1時間のレクチャーを受ける。ここで、念を押されるのが、「オフレコ」を信じないこと。
「オフレコ」を信じて話したことが記事になった場合、泣くのは「あなた」だというわけだ。
次に模擬インタビューを行い、その後にビデオを見ながらの反省会(クリティークという)を行う。これを2回行うことで、実際のインタビュー時に気をつけることなどを頭に叩き込むわけだ。インタビューアは1回目と2回目で変え、インタビューの設定や質問内容なども変更する(このインタビューア役を手伝った)。多くの人は緊張もあって、だいたい1回目はあまりうまくいかない。それでも、さすがに企業の重役ともなると、2回目には慣れてきて、ある程度注意点が守れるようになる。
この模擬インタビューで注意される主なことを紹介しておこう。
- 視線をインタビューアに向け、キョロキョロしない
- 回答を考える場合は、なるべく上目遣いで間をとること
- 緩急をつけて話をする(大事なポイントはゆっくりと話す)
- 質問の意図が分からない場合は、記者に質問する(質問が曖昧なまま答えない)
- なるべく短く要点をまとめて回答する
- 結論を先に述べて、理由などを続けて話す
- こちら側が伝えたいメッセージを回答に盛り込む
これらは当たり前のようなことなのだが、入試や入社試験の面接を思い浮かべていただければ分かるように、実際にはなかなかうまくできないものだ。また、多くの人は、理由から説明して結論を最後に話すため、話が長くなり、要点が分かりにくい回答になりやすい。
実は、これらの注意点を聞いたとき、インターネット上のコンテンツでも同じことがいえるのではないかと感じた(もちろん、視線などについては当てはまらないが)。「短く要点をまとめること」や「結論を先に述べること」というのは、Webという紙に比べて決して読みやすいとはいえない媒体では、重要なことのような気がする。また、「緩急をつける」という点は、伝えたい部分(結論)のフォントを変えるとか、色をつけるといったことで、Webにおいても視覚的に緩急をつけることで、実現できるのではないかと感じた。どの程度、実現できるかは分からないが、読みやすく、分かりやすい記事にするため、いろいろな表現方法を試してみようと思う。
(PC Insiderガイド 小林章彦)
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