|
オリンパス XA
1979年にオリンパスが発売したコンパクト・カメラ。写真のストロボは本体横に取り付けて一体化することができる。レンズ・カバーを外すことで、ファインダーが開くという画期的な構造を採用している。距離計は、この当時のコンパクト・カメラには珍しい、二重像合致方式を採用している。そのため、XAは少々マニアぽく、当時はそれほど評価されなかったようだ(むしろいまになって評価が高まっている)。 |
本、ラジオ、テレビ、インターネット
メディア論的には正しくないのかもしれないが、「本」「ラジオ」「テレビ」「インターネット」と順に情報のエントロピーが高くなるのではないかと思っている。「本」はもちろん文字だけのメディアであり、読むためにはある程度の知識や想像力が必要となる。「ラジオ」になると「本」を話者が読むことで感情という情報を付加したり、音楽(これは本では伝えにくい)を流したりできる。「本」に比べて、知識レベルも必要とされなくなってくる。
さらに「テレビ」では、「ラジオ」の要素に映像という大きな情報を付け加えることが可能だ。テレビが偉大なのは、「本」が視覚、「ラジオ」が聴覚という1つの感覚のみを刺激していたのに対し、視覚と聴覚という2つの感覚を占有することを可能にしたことにある。
では、「インターネット」は? インターネットでは、「本」「ラジオ」「テレビ」のすべての要素を提供できる。というか、これまでのインターネットは、こうした既存メディアの延長でしかなかった。例えば、我々の提供しているコンテンツもハイパーリンクという要素はあるものの、ベースには雑誌メディアがある。同様にインターネット・テレビも、既存のテレビ放送の延長というか、流用でしかなく、伝送メディアとして電波がインターネットになっただけだ。
インターネットがメディアとして優れているのは、さらに「プログラム」を加えることができることにあると、最近考えている。「当たり前」というかもしれないが、インターネットに流れる情報の中にプログラムの比率はそれほど多くない。JavaスクリプトやFlashなども使われているが、文字や映像とリンクした「プログラム」であることは少ない。インターネットというメディアに適した情報は、まだまだ模索段階にあると思う。
かくいうPC Insiderにおいては、インターネットで「文字」情報を提供するという段階で、すでに暗中模索の状態にある。インターネットがメディアとして飛躍できるのは、たぶんそういった模索段階から抜け出したときなのだろう。そのとき提供されるコンテンツは、文字や音楽、映像、プログラムが混然一体となり、読者(視聴者)に視覚と聴覚、さらにインタラクティブな要素(触覚ともいえるかもしれない)を加えたものになるかもしれない。早くそういったコンテンツに触れてみたいし、自分達でも提供したいものだ。
(PC Insiderガイド 小林章彦)
|