PC Insider 編集後記 2001年8月
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KODAK Retinette 1A
ドイツコダックが1959年から1966年ごろまで製造したカメラ。製造年やレンズ、シャッターなどの違いによりいくつかのバージョンがある。写真のRetinette 1Aは、 Type 042と呼ばれるバージョンで、1962年前後に製造されたものと思われる。レンズはSchneider Reomar f2.8/45mmと、廉価版カメラには似合わない高性能なもの。ただし、距離計と露出計を内蔵していないため、撮影はカンに頼ることになる。フィルム・メーカーが自社のフィルムを売るために、「安くて写りのよいカメラ」を目指して開発しただけあり、ピントと露出が合えば、現在の高級コンパクト・カメラ並みの写りとなる。とはいえ、そうそうカンが当たることもないため、ピンボケ写真を大量に生産してしまうことにもなるのだが……。

COMPAQへのレクイエム

 本来ならば9月末の編集後記の話題なのだろうが、今回はHPによるCompaq Computerの買収について語りたい。

 2001年9月4日、「HP、Compaqを買収」のニュースが流れた。寝耳に水だったのは、どうも報道関係者ばかりではく、日本HPとコンパックコンピュータの社員達も一緒だったようだ。業界内に激震が走ったのはもちろんのこと、社内も大きく動揺したようだ。この買収劇について述べるのは、別記事(元麻布春男の視点:HPとCompaqの決断に明日はあるのか?」)に譲るとして、ここでは買収完了後、なくなってしまうCompaqに関する思い出を少し語ろう。

 米テキサス州ヒューストン郊外にあるCompaq本社に取材したのは、1992年のちょうどこの時期のこと。もう9年も前のことになる。森の中にたたずむ*(アスタリスク)型の3階か4階建ての建物がいくつか並び、それが長い廊下でつながるという構造であった。SF映画で出てくる研究所のような雰囲気を持っていた。建物は、事務や研究開発の各部署と、工場が一体となっており、工場の横にクオリティ・テスト用のラボがあったのを覚えている。「キーボードのキータッチや耐久性を調べるような機器を独自開発し、品質向上に努めている」という説明も受けた。確かに、その頃のCompaqのキーボードは、お金がかかっており、打ちやすいものであった(自宅では、未だにその頃のCompaqのキーボードを愛用しているほどだ)。

 1992年といえば、米国は不景気の最中、ちょうどいまの日本の状況に似ていた。その中でCompaqは、生産効率を上げ、PCの低価格化を実現することで飛躍的にシェアを伸ばしていた。とはいえ、いまとなっては考えられないことだが、研究開発に投資し、独自のPCアーキテクチャを設計する余裕が十分にあったのだ(その後、Compaq独自のチップセットを採用したPentium搭載PC「DESKPRO 5/60M」を販売したが、それが独自チップセットの最後の機種となってしまった)。「New Era(新時代)」というノボリを掲げ、不景気でありながらも、元気な企業という印象を受けた。そのCompaqが、いま歴史の幕を閉じようとしている。1982年に、事実上初のPC互換機を開発し、「IBM PC」を単なる「PC」に変え、世界中に広めたのは、まさにCompaqの功績でもある。

 個人的には、「HPのCompaqの買収はシナジー効果がまったくない、失策である」と思っているが、その結論を出すのは早計かもしれない。1年後、2年後の新生HPの姿を見てから、論評すべきだろう。こうしたPC業界の歴史を記録するというのも、我々の大事な仕事かもしれないと感じた今日この頃である。数年後、気が付いたらHPも業界から消えていたということにならないことを願いたい。

(PC Insiderガイド 小林章彦)
 

  編集後記
先月ハマった罠:電源ユニットの不良
 Webページ制作用PCを組み立てたときのことだ。運用を始めてしばらくすると、原因不明のハングアップが頻発するようになった。症状は、使用中に突然マウスカーソルがピタッと止まって昇天、というもの。経験的にハードウェア絡みのトラブルと睨み、ドライバの更新や拡張カード類の交換などを試してみたが、効果はない。ところが、最近になってふと思い立ち、電源ユニットも交換したところ、あっさりとハングアップは治まった。
 電源ユニットに目を付けたのは、PCの組み立て時に購入したミニタワー・ケースが7000円台とかなり安価で、付属の電源ユニットも相当な安物と推測されたからだ。実は当該PCの使用者は女性だったため、受けを狙ってキ○ィなデザイン(?)のケースを選んだのだが、それが安物だったためにモロ裏目に出た格好で、購入・管理担当としては面目丸つぶれである。
 電源ユニットの不良は、完全な電力断を除けば、原因を特定しにくい症状を伴うので厄介だ。PCのハードウェアに潜む「危険な罠」のトップに挙げたい。何にせよ、安物の電源ユニットはもうコリゴリだ。

(島田)
今月の買い物:au C413S
 3年近くDDIポケットのPHSを使い続けてきたが、ついに携帯電話に乗り換えることにした。今でも音質やデータ通信の品質を含めてDDIポケットの方が優れていると思うが、PHSが3G世代に生き残る余地があるのか不安を感じていた(こっちは後付の理由)のと、端末のクオリティの差に負けて(こっちが本当の理由)、携帯に乗り換えることにした。肝心の端末だが、どうせならPCと連携できそうな製品ということで、Bluetooth機能を備えたau C413Sにした。対応するBluetoothのバージョンは1.0bなので相互接続の互換性は低そうだが、ジョグダイヤルとPOBoxの組み合わせは想像以上に使い勝手がよい。購入してから気付いたが、C413Sのスケジュール表はiCalendarに対応している。ポータル作成用ソフトウェアのJetspeedがWAPやiCalendarに対応しているので、自宅のTomcatに組み込んで専用ポータルを作ろうと目論んでいる。

(澤谷)
今月観たビデオ/DVD
 最近数カ月に1度のペースで、友人の主催で上映会と称してビデオやDVD鑑賞をしている。今月は列車つながり(?)ということで、「新幹線大爆破」と「銀河鉄道999」を観た。「新幹線大爆破」は以前WOWOWで放映されたらしいのでご存じの方も多いと思うが、「スピード」の原型となったともいわれる作品である。犯人が図面を置いた喫茶店が偶然の火事で焼けるなど、数々の多少無理のある設定(?)にもかかわらず面白かったのはさすがといったところであろうか。
 銀河鉄道999の方は、1979年に上映された「銀河鉄道999」(ゴダイゴが主題歌を歌っていた回)と1998年に上映された「銀河鉄道999 エターナル・ファンタジー」の2本である。続けて観るとCGで描かれたエターナル・ファンタジーの999の奇麗さが際立った。しかし、当時観たときからずっと思っているのであるが、エターナル・ファンタジーの終り方が中途半端で納得がいかない。絶対に続きの企画があったはずなのだが…… 早く続きが観たいと願っているのは私だけだろうか。

(平野)
とりあえず8月は地元での夏を満喫してきた。
 学生の夏は長い。あと半分も残っている。前半戦はどちらかといえばアクティブに行動していないので、後半に気合いを入れたい。一週間ほど、仲間とバイクで九州一周ツーリングを予定している。阿蘇の壮大な景観を思い浮かべるだけでもワクワクしてくる。現地に到着後みんなバラバラになって一転、単独ツーリングをすることになっている。夜空を見上げつつ、酒呑みつつ、これからの人生のことなど、考えちゃったりしようと思う。

(清水)
 
  PC Insider STAFF
 
編集人 小川 誉久 Art Director 谷原 正則
ガイド(編集長) 小林 章彦 制作 河本 茂美
ガイド(副編集長) 島田 広道    
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編集 澤谷 琢磨    
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