PC Insider 編集後記 2001年11月
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Leica M4
Leica M4とSUMMICRON-M 2/35、コシナVCメーターの組み合わせ。最も出番の多い組み合わせだ。操作性、写り、大きさなど、すべての点でバランスがよい。このLeica M4は、シリアル番号から調べると1970年ごろの製造であることが分かる。レンズのSUMMICRONは、非球面レンズが採用される前(1世代前)のもの。1990年ごろの製造と思われる。

インターネットの価値

 11月末に京都へ旅行に行ってきた。思い立ったのは、10月末。ご存じのとおり、11月の京都は観光シーズンの真っ盛り。東京では、JR東海が「そうだ京都へ行こう」のキャンペーンを展開し、観光=京都の気分を盛り上げる。もはや10月末にもなると、11月の週末のホテルは予約が取れそうにない。案の定、いくつかの旅行代理店に問い合わせたものの、平日の予約なら取れるが、週末は無理とのこと。半分あきらめかけていたのだが、いくつかのホテルのホームページと、ホテル予約サイトを調べてみることにした。

 ホテルのホームページでは、空き室を見つけることができなかったが、意外なほど多くのホテルがホームページから直接予約できることが分かった。さらに、ホームページ上から予約すると、何かしらの特典があったり、宿泊料金が割引になったりするプランを提供しているところも多い。ホテル側からすれば、インターネットを使って直接予約するお客が増えれば、旅行代理店に支払う手数料などの削減が行え、その分お客に割引ができるということなのだろう。次回は、早めにこれらのホテルのホームページを活用して予約を取ろうと思った。今回は、旅行代理店のホテル予約ページをいくつか調べ、何とか残り1室を確保した。たぶんインターネットを使わず、旅行代理店を直接回っていたのならば、ホテルは確保できなかっただろう。

 観光都市「京都」だけあり、インターネット上でも各種観光情報が充実している。ちょっと検索しただけでも、タクシー会社や新聞社、寺院まで、実に多く会社、団体、個人が京都の紅葉情報などを提供している。見所などを紹介するページもあり、「混雑する中、わざわざ出かけなくても」という気分さえなってくるほどだ。

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京都の紅葉(拡大写真
紅葉も終りかけの東福寺。11月23日ごろが見頃だったようだが、人の多さに紅葉どころではなかったと聞く。
EOS D30 EF28-70 F2.8 L

 ただ、ホテルの空き室情報や観光情報などをインターネットで容易に入手できるようになったのはいいのだが、検索にはテクニックが必要と感じた。ホテルの空き室情報では、各ホテルだけでなく、旅行代理店など、実に多くのサイトが情報提供を行っている。これらのサイトでは、空き室情報をデータベースで管理しているため、Googleなどの検索サービスではヒットせず、各サイトにアクセスし、それぞれで検索しなければならない。各サイトで検索方法なども異なっているため、「空き室がない」ということを知るだけでも結構な時間がかかるのだ。インターネットで簡単に空き室が検索できるようになっただけ便利になったのは確かだが、さらに標準的なインターフェイスを使った串刺し検索などができると、ユーザーの利便性はさらに向上するはずだ。Webサービスが普及すれば、解決できるような気がするが、そういう時代は来るのだろうか。

 さらに、個人が提供している観光情報の中には、情報が古く、参考にならないものがあった。インターネットを使った情報発信は、コストが安いため、企業のみならず個人であっても簡単に行える。しかし、情報の受け手側としては、その情報が真実なのか、新しいものなのかを、個別に判断しなければならない。インターネットの普及は、これまで以上に情報を氾濫させ、その中から有用な情報を得ることを難しくする。これは何も他人事ではなく、インターネット上で情報提供を行っている我々の切実な問題でもあるのだ。最終的には、読者の方に信頼していただき、口コミによって広げていただくしかない。インターネットというハイテクの象徴のように見られる技術も、意外と昔ながらの口コミ情報の延長線上にしかないのかもしれない。

(PC Insiderガイド 小林章彦)
 

  編集後記
クリックで拡大表示今月の旅:15年ぶりの京都
 決して暇ではなかったが、京都への1泊2日の旅を敢行した。半年も前から予定していたのに、出発日の朝4時まで原稿を書き、2日目の夜は東京に戻って飲み会という強行軍(計画性のなさ丸出しだ)。しかも週末の京都は凄まじいまでの混雑ぶり。タクシーの運ちゃん曰く、「テロのせいで海外旅行が敬遠され、国内旅行が人気だから」だと、嬉々として答えてくれた。おかげで南禅寺の湯豆腐は食い損ねてしまった。とはいえ、久々の旅行は気分転換として最高だったのは間違いない。地元の人に言わせれば見頃にはちょっと早かったという紅葉は、それでも綺麗だった。また、初日に訪れた醍醐寺では、山全体が寺だらけということを知らずに散々歩き回ったおかげで、日頃の運動不足を多少は解消できたようだ。
 ところで気分転換のついでに、ノートPCにWindows XPを入れてみた。今のところブルースクリーンも1回だけと快調だ(ヲイ)。身体/精神/機械ともにリフレッシュしたことで、原稿執筆のペースは上がらなきゃおかしいよなぁ。

(島田)
今月の買い物:ClearType
 今月はグラフィックスカードを買うはずだったのだが、公式には8500DV待ち、非公式には予算不足という事情により、再度購入見合わせということになった。今月は、使用頻度の高いノートPCでの作業を快適にするために、ClearTypeを買うことにした。英字のWebサイトの見やすさは予想以上だったし、NTEmacs21ではロケール別にフォント指定できるので、emacs上でClearTypeを使うという、UNIXではいまのところ難しい環境を実現できるのは嬉しい誤算だった。これで英文のinfoも読みやすくなりそうだ。ClearTypeのおまけのGUI(Lunaというらしい)にもすぐに慣れたし、メモリ容量が192Mbytesでもそれほど遅く感じることはないのはさすがにうまくチューニングされているからだろう。Windows 2000からのアップグレード・インストールは問題の発生することが多いようだが、幸いなことに私の環境ではうまくいった。いまはAlps Gridepointのデバイス・ドライバが提供されるのをひたすら待っているところだ。
 ところで、ClearType(とIP周りの改良)だけWindows 2000 Plus!とかいう形で販売されないものでしょうか。Mobile Celeron-450MHz+SiliconMotion LynxEMでは、XPはちょっと重いんですけど…。

(澤谷)
横浜方面から新宿への直通運転が開始されたものの…
 2001年12月のダイヤ改正で湘南新宿ライン(愛称)直通サービスが開始される(JR東日本のリリース)。これは東海道線や横須賀線から新宿経由で宇都宮・高崎線と相互直通運転が行われるというもので、今まで東海道線と山手線を乗り継いで40分かかっていた横浜−新宿間が最短29分に短縮される。横浜の南端の自宅から品川と新宿を経由して八幡山の事務所まで通っている身としてはおそらく朗報であると思われる。しかし、残念なことに運行されるのはもっぱらデイ・タイム(10:00〜16:00)のようで、朝の横浜方面からは新宿7時台到着(いくらなんでも、ちと早過ぎる)の列車が1本運行されるだけのようだ。既存の横須賀線などのホームが利用されるため、おそらくそんなに本数を増やせないのであろう。少なくとも帰宅する時間帯(21:00〜23:00頃)には運行されないようなので、残念ながらしばらく定期券の経路は変えられそうにない。

(平野)
今月のいい予感:牛丼
 ご存じの通り、吉野家が一時的に牛丼並み盛りを250円にまた値下げするとのこと。これをきっかけに牛丼屋業界に嵐が起こるのだろうか。起こってほしい。どうせならば、イくとこまでイってほしい。僕たち学生にとっては、有り難い事この上ないのだ。狂牛病がどうだとか言ってられっか、けっ。
 このごろは、まずくて高い学食を離れて毎日のように牛丼を貪っている。しかし、何よりも心配なのは牛丼並盛り+豚汁(セールの時っていうか、ほとんど毎日)=280円でやっているローカル・チェーン店の「げんき屋」さんだ。調布駅前の牛丼戦争は激化するばかり。健気な姿勢に頭が上がらない今日この頃である。

(でも、やっぱり250円にして。 清水)
 
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編集人 小川 誉久 Art Director 谷原 正則
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ガイド(副編集長) 島田 広道    
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編集 澤谷 琢磨    
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