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IISのヘッダ情報の一部を消去 たかはしもとのぶ |
IISに接続すると、デフォルトでは次のようなHTTPヘッダが返される。この内容には、WebサーバがIISであること(Serverヘッダ)や、Webサーバの実際のIPアドレスの情報(Content-Locationヘッダ/WWW-Authenticateヘッダに含まれるrealm)が含まれており、攻撃者に有用な情報を与えてしまう。
telnet 192.168.1.1 80 |
なお、上記は一例であり、具体的な返却内容は、設定や環境によって異なる。 今回は、これらのヘッダ情報を隠ぺいする方法について説明しよう。
1. Serverヘッダ
Serverヘッダの削除には、マイクロソフトから無償で提供されているURLScanを用いるのがよい。URLScanをインストールしたうえで、URLScan.iniのRemoveServerHeader行を1に設定する。
RemoveServerHeader=1 |
URLScanではServerヘッダの削除ではなく修正も可能であるが、修正しただけでは、HTTPヘッダ中のServerヘッダの位置からIISのバージョンを推測することができてしまう。
なお、URLScanのドキュメントには、Windows Server 2003のIIS 6.0の対応について明記されていないが、必要な場合はURLScanをIIS 6.0の環境にインストールすることで、Serverヘッダを削除することが可能である。
【参考】 URLScanセキュリティツール http://www.microsoft.com/japan/technet/treeview/default.asp? url=/japan/technet/security/tools/urlscan.asp |
2. Content-Locationヘッダ
Content-Locationヘッダについては、マイクロソフトサポート技術情報「218180: IIS が HTTP ヘッダー (Content-Location) で IP アドレスを返す」に記載されているようにメタベースを編集してヘッダにIPアドレスが表示されないようにする。以下のようにIIS付属のスクリプトを用いて修正すればよい。
cscript C:\inetpub\adminscripts\adsutil.vbs
set w3svc/UseHostName True |
3. WWW-Authenticateヘッダ中のrealm
realmの文字列については、
cscript C:\inetpub\adminscripts\adsutil.vbs
set w3svc/(仮想サイトの番号)/realm <文字列> |
とすることで、任意の文字列を設定できる。
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