今後のマイクロソフトとの関係は
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シトリックスはマイクロソフトとの緊密な関係を強調し、ターミナル・サーバや仮想デスクトップを使ったシンクライアント・ソリューションに加え、サーバ仮想化についても協力している。では、マイクロソフトはサーバ仮想化で、シトリックスの売り上げになんらかの形で貢献してくれているのだろうか?
マイクロソフトはVDI環境で、XenDesktopを推奨してくれている。XenServerのビジネスについては直接貢献してくれているわけではない。しかし、真っ向から競合しているわけでもない。
マイクロソフトとの協業では、XenServer製品群とHyper-V製品群との完全な相互運用性を目指している。Project Kirkwood、仮想ラボ環境、Provisioning Server、ストレージ管理の4つは、すべてHyper-V上で動作するようになる。つまり、Hyper-V環境を導入したとしても、その上でXenServer製品群を利用できる。
EdgeSight、Provisioning Server、XenServerで、製品投入についてはいつも12〜18カ月、マイクロソフトよりも先を行っている。マイクロソフトと事業規模は違うが、われわれのほうが早く動ける分野もある。
つまり、顧客がHyper-Vを導入していて、System Center Virtual Machine Manager(SCVMM)を(管理に)使いたいというのならそれでもいいが、XenServer製品群で管理することもできるということだ。2社が協業しているもう1つの分野はストレージ管理だ。社内には、ストレージの観点からの仮想化環境管理でマイクロソフトと協業している専任グループがある。
もう1つ、協業できる分野としてクライアントにおける仮想化がある。マイクロソフトはKidaroという会社を買収した。当社は、デスクトップ仮想化のオフラインでの利用をサポートするため、KidaroのXenDesktopへの最適化を行おうとしている。
これはわれわれがオフライン機能を提供しないということではない。マイクロソフトと協力してやっていくということだ。まだ発表はしていないが、マイクロソフトとKidaroについて協業し、顧客がシトリックスの製品群に加えてKidaroを手に入れられるようにすることが考えられる。
われわれは、マイクロソフトが何らかの買収をしたときに、「ああ、これでうちと競合になってしまうな」と考えるのではなく、「よし、では彼らの製品のなかで、彼らが売るものにわれわれのどの製品を組み込めるだろうか」と考える。この方法はうまくいっているようだ。
クラウド戦略では価格体系がカギ
シトリックスは、2008年10月にヴイエムウェアが開催したVMworldに合わせ、クラウドへの取り組みを発表した。この分野で、どのようなビジネスを展開しようとしているのだろうか。
驚いたことに、欧米の大銀行などで、何でも社内に置かければならないという考えを改め、一部のアプリケーションや管理機能をクラウドに移行しようとしている例が出てきている。セキュリティの問題が解決してきたので、外に移行するほうが安いと考えているようだ。
ただし、一般的には数年後の話だろう。われわれの戦略は、クラウドを運用するベンダのために、クラウド対応の製品やサービスを構築することだ。クラウド分野では、オープンソースXenを使っている人たちがたくさんいる。NetScalerも多数使われている。顧客はヤフー、グーグル、eBay、アップルなどだ。こうした人たちは、XenハイパーバイザとNetScalerを活用し、クラウドベースのシステムに移行することを考えている。こうした既存のユーザーはわれわれの資産であり、この人たちのためのサービスを構築していきたい。
1つの焦点は価格体系だ。Xenをクラウドサービスに活用したい人たちは使用量に基づく価格体系を望んでいる。これはわれわれにとって馴染みのない方式だ。利用量に基づく価格体系を提供する、クラウド製品の新バージョンを出すと約束している。
クラウドのビジネスも、数年で1億ドルになるだろう。それくらいの勢いで伸びるはずだ。XenServerが2〜3年で1億ドル規模になると話したが、クラウドはその次のビジネスとして、同じレベルの可能性を秘めていると思う。
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Index | |
シトリックスの描く仮想化管理戦略 | |
Page1 Provisioning Serverは差別化のための武器 |
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Page2 クラウド戦略では価格体系がカギ |
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