iSCSIストレージ市場に生まれた新たな機会
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ネクサンが2009年4月に発表したiSeriesは、同社のRAIDシステムを使ったストレージ・ソリューションで、新しい技術を投入している。レプリケーション、スナップショット、ストレージ・プーリングを搭載した。複数の製品を買わなければ実現できないような機能を1製品で実現している。ソフトウェア機能はすべて標準搭載で、容量による課金もない。
これはiSCSIのソリューションだ。イコールロジックがデルに買収され、レフトハンド・ネットワークスがヒューレット・パッカードに買収された後、市場には空白が生じている。リセラーには、デルと商売をしたくないという人もいる。ヒューレット・パッカードと商売をしたくない人もいる。従って世界的に、この市場には大きな機会が生まれている。
iSeriesはシンプルで完全なストレージ・ソリューションを求める顧客のための製品だ。イコールロジックの製品より洗練されていて、QoSや同期レプリケーション、完全なフェイルオーバなどの機能を備えている。米国ではミドルレンジ市場、日本ではアッパーミドルの市場を狙う。
iSeriesでは、どのような利用形態を主に想定しているのだろうか。
ターゲットとする市場の1つはサーバの仮想化だ。サーバ仮想化では、すでにヴイエムウェアの認定を受けている。もう1つはOracleやSQLServer 、Exchangeなどのデータベースだ。
最大200サーバと接続できる。1万に近いボリュームをハンドルできる。iSeries 2台をアクティブ―アクティブ構成にすることで、冗長性を確保できる。レプリケーションは同期非同期両方サポートしている。構成も1対1だけでなく、多対1、多対多という構成も可能だ。
代表的なソリューションとしては、メトロクラスタを非常に安価で容易に構築できる。つまり、近距離のデータセンター間でのクラスタリングが可能だ。iSeriesに入ってきたI/Oを2つのファイバチャネル・ストレージに二重書き込みできる。完全にデータロスがない形でデータを冗長化できる。ほかのストレージベンダの製品でメトロクラスタをやろうとすると、数千万円からのコストになる。当社の製品で組めば数百万円からのコストで実現できる。安価に、可用性の高いシステムを実現できる。
単一のデータセンター内でのクラスタリングについては、ストレージ筐体は1つでやり、データをRAIDで保護するというケースがほとんどだが、iSeriesでは2つのストレージに対してデータミラーリング機能を用い、フル冗長クラスタを組むことができる。これにより、ストレージのメンテナンスもシステムを止めることなくできる。こうしたシステムをつくっても、機器コストや消費電力はほかのベンダに比べて低く抑えられる。
スナップショットでは、通常の他ベンダのスナップショットでは本ボリュームと同一のRAIDグループにスナップショットをとる。iSeriesではスナップショットを取るボリュームを本ボリュームとは別につくる。従って「本ボリュームはSAS、スナップショットはSATA」という構成が可能だ。
バックアップデータの非同期レプリケーションも可能で、データセンターがバックアップデータ保全サービスを行うというシナリオにも使える。こういったサービスは現在、多くの場合ミッドレンジのストレージを使っている。しかしレプリケーション・ソフトウェアの価格が高いこともあり、サービス提供価格が高めになってしまう。一方、iSeriesを使った場合、顧客側は数百万円の機器で済む。サービス提供側でも、ストレージ容量はニーズに応じて段階的に増やしていけばいい。
iSeriesで直接の競合となるのはデルのEqualLogic製品群なのか。
そうだ。ファイバチャネル・ストレージにiSCSIを追加している企業はあるが、iSCSIストレージを提供しているベンダはそれほど多くない。EqualLogicとHPの旧レフトハンド製品が競合となる2社だ。
ただし日本では、競合の問題よりも、iSCSIの市場全体の伸びのほうが大きい。EqualLogicと競合することはあるだろうが、それよりも顧客のニーズに応えるソリューションを提供できることのほうが重要だ。特にデータミラーリングやデータのレプリケーションといった機能では、ほかの製品に見られない特徴がある。例えばメトロクラスタを考えると、機能としてはファイバチャネルのミッドレンジの製品などと競合し、これまでにない価格帯で従来と同様の仕組みを提供できる。拡張性が1PBまであることも大きなメリットだ。
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米ネクサンが狙うストレージ市場の空白とは? | |
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