危ないアウトルックエクスプレス


158 ページ
発行日:2000年5月15日
定価:2100円
ISBN 4-88718-550-2
データハウス 発行


 「ILOVEYOU」というSubjectのメールに添付されたVBS(Visual Basic Script)をユーザーがOutlookでうっかり実行すると、アドレス帳に登録されたユーザーに自分自身のコピーを送信し、特定のファイルを破壊するというラブレターウイルスが世界中を震撼させたことは記憶に新しい。これを機会に、今までは人ごとだと思っていたコンピュータ・ウイルスが、実は自分にとっても身近な存在であるという認識を新たにしたユーザーも少なくなかっただろう。

 本書は、一見するとハッカーに向けたアングラ情報本のようなセンセーショナルなタイトル付けや表紙デザインがなされているが、実際には、マイクロソフトの電子メール・ソフトウェアであるOutlook(Outlook 9x/2000およびOutlook Express)のセキュリティ上の問題点を指摘し、できるだけ安全性の高い状態でこれらを使用するための方法を解説したものである。はっきりと区別されているわけではないが、前半には、それほど技術的な知識がなくても、安全運用のための最低限の設定を行えるようにした情報がまとめられている。対して後半は、少々専門的になるが、メール・ヘッダの読み方やコンピュータ・ウイルスの構造など、将来の危機を回避したり、万一のトラブル時に対処したりするための管理者向けの情報が紹介されている。

 本書には付録CD-ROMが添付されており、HTMLメールを無効化するなど、ウイルスの侵入を防ぐためのPOP3プロクシ・サーバ・ソフトウェア(HTML WALL)が収録されている。電子メール・システムの安全運用に興味がある管理者にとっては参考になる1冊だろう。

 

「Book Review」

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