Windows 2000レジストリBlack Book


Nathan Wallace 著
インプレス編集部 編
発行日:2000年6月2日
価格:2980円
ISBN4-8443-1376-2
インプレス 発行


 Windows 2000では、レジストリを使ってシステム内部の各種のパラメータや情報を保存、管理していることはすでにご存知であろう。だから、レジストリの値を変更することにより、システムのチューンアップや、通常のユーザー・インターフェイスだけでは操作できないようなシステム各部の設定などが行える。しかし、実際にどのようなレジストリがシステムに用意されていて、どういう値をセットすればよいかとか、そこにセットされている数値や文字列が何を意味しているか、などという情報については、デフォルトのWindows 2000システムにはドキュメントとして用意されていない。レジストリは一般ユーザーが操作するようなものではないからだ。レジストリに関する情報は、正式にはMicrosoftのKnowledge Baseと呼ばれるサポート技術情報やWindows 2000のリソースキットなどで公開されているが、そのほかにも、本書のようなレジストリ情報を集めた書籍などからも得ることができる。

 本書は、Windows 2000のレジストリ情報のうち、有用そうなものや重要なものを、「システム管理ツール」や「ネットワークプロトコル」、「セキュリティ」などの15のカテゴリに分けて、それぞれ10から20個ずつ程度を取り出して紹介した書籍である。レジストリを直接操作しなくてもGUIベースのツールでも設定できるような、たとえば「壁紙を設定する方法」というような簡単なものも多いが、レジストリでしか設定できないような「IISで、スレッドのTTLを設定するには」というようなものまで網羅的に掲載されている。内容的には、レジストリ項目ごとに、その項目が持つ意味の簡単な説明とその項目の設定方法が掲載されている。ただし設定方法を6段階程度で説明しているが、すべての場合においてステップ1から5はほとんど同じであり(1.スタートメニューを開く、2.「regedt32.exe」と入力する……という具合)、やや冗長気味だ。また、各レジストリの詳細な説明や背景となる知識の解説はほとんど含まれていないので、たとえば「PPP――ネゴシエーションパケットの再送信までの時間を設定するには」というタイトルから自分の求めている情報かどうかが十分判断できる程度の知識は要求されるだろう。初心者ユーザーにはあまりお勧めできないが、管理者ならば十分に活用することができるはずである。

 

「Book Review」

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