Windowsのハッキングマニュアル2000[改訂版]


backsection(kOOL)著
288ページ

発行日:2000年5月30日
定価:2300円
ISBN 4-88718-560-X
データハウス発行


 ハッカーによる最新のハッキングの手口を具体的に紹介し、大きな反響を呼んだ前昨『Windowsのハッキングマニュアル』の改訂版。この改訂版では、前作をベースとして、Windows 2000に関連する情報が大幅に追加された。

 インターネットなどのコンピュータ・ネットワークが企業基盤として定着すればするほど、システムに対する不当・不法な攻撃によるダメージのリスクは大きくなる。こうした背景から、コンピュータ・セキュリティに関する関心は高まっており、それらについて解説を行った書籍も増えてきた。しかしそれらのほとんどは、攻撃に対して防御する側のネットワーク管理者の視点から書かれたもので、あくまで形而上的というか、ハッカーの実体や、彼らによるハッキングの闇の部分にメスを入れようとするものではない。これに対し本書は、ハッカーが活動するアンダーグラウンド(UG)からの情報を積極的に開示し、ハッカーの側から見たネットワーク攻撃の常套手段や最新の手口を具体的に解説し、さらにハッカーのメンタリティなどにも触れている点がユニークである。もちろん、本書の最終目的(というか大義名分)は、ネットワーク管理者に対しコンピュータ・セキュリティへの関心を高めてもらうこと、さまざまなハッカーの攻撃をすでに受けているWeb管理者や、万一攻撃にさらされた場合にどうやってコンピュータ・システムを守るかを、攻撃の手口から逆に提示することだ。

 とはいえ本書を読み進んでいくと、ハッキングを煽るような表現が一部にあったり、ハラハラさせられる部分もある。これは良くも悪くも、ハッカーの現状や彼らのメンタリティを映し出したものだろう。日本人の得意技である「臭い物に蓋」ではなく、敵の手の内を研究し、万一のトラブルに備えるためにも本書はおおいに役立つに違いない。なお本書には、セキュリティ・チェックのテスト用などとして、ハッカーが使うネットワーク・ツール(ポート・スキャナなど)を含んだ付録CD-ROMが添付されている。

 

「Book Review」

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