Windows 2000 Insider 編集後記 プレオープン

このページは毎月末に更新します
 

 たとえば野球でフライを打ち上げたとしよう。

 野球には9人からなる確固たるポジションがあるから、たいていのフライは打ち上げられた瞬間に誰が取るべきかが分かる。たまには微妙な位置に飛んでくることもあるけれど、声を掛け合えば、ボールが落下するまでには受け持ちを決められるものだ。

 私は、紙を使ったコンピュータ関連出版に10年ちょっと従事した経験を持っている。編集部のイメージもこれと同じようなものだった。筆者や編集者、組版デザイナなど、それぞれが自分のポジションを持っていて、日常業務についてはしっかり分担が決まっている。微妙なフライも、「声の掛け合い」で何とかしのげる。編集部からさらに枠を広げて考えても、広告営業担当者や印刷所の人々、流通を受け持つ取次の人々など、それぞれポジションが決まっていて、飛んでくるフライをさばいていた。

 このたび私が社長を務める(有)デジタルアドバンテージでは、今お読みの@ITにおいて、紙の出版物の流用ではなく、Webを第一義的なメディアと位置づける本格的なWebパブリッシングを開始することとなった。5月22日のスタートに向けて、スタッフは全力で作業にかかったが、その実態は落球だらけだったと思う。まずもってWebパブリッシングでは、紙で培ったポジショニングがそのままでは通用しない。紙に比べて解像度が10分の1以下というディスプレイに表示される記事で、ページのデータ サイズを常に意識しながら見映えと容量の均衡をとらねばならず、紙にはなかったインタラクティブな可能性を秘めた出版物。輪転機を回す必要もなければ、書店の店先まで運ぶ必要もなく、HTTPサーバにファイルをコピーするだけという従来は考えられなかった「出版物」なのだから、これはむしろ当然のことだろう。

 しかしもう数年もすれば、今は未知数だらけのWebパブリッシングにおいても、ある程度確固たるポジショニングが決まるはずだ。私たちデジタルアドバンテージの大きなチャレンジの1つはここにあると認識している。

 Webパブリッシングが「紙出版のIT化」だとすれば、世に言う「IT革命」は、さまざまな産業分野において、情報システムを土台とする21世紀の新しい人・モノ・カネのポジショニングを決めることだろう。読者の皆さんは、その最前線にいらっしゃる方々に違いない。当フォーラムが、そうした皆さんのお力に少しでもなれればと願う。ご声援のほど、よろしくお願いいたします。

(Windows 2000 Insiderガイド 小川誉久

 

 編集後記

■編集後記なんて書くのは2年ぶり。たかだか数行なのに、何を書こうかいつも考え込んでしまう。人間、病気になって初めて健康のありがたみを知るというけれど、編集後記が書けるのは幸せなんだということがいまさら分かった。まだまだ修行が足らんのぅ(小川 ■Infoseekからの引越し作業では、HTML編集ソフトを変更したこともあって、 かなり大変でしたが、リソースセンターはプログラムによる自動生成のため、 割とすんなりといけました。やっぱりHTMLはエディタで直接編集するのが一番確実でいいと思うのですが、どうも賛同者は少ないらしいです。(井口
■インターネットを使ったWebパブリッシングといっても、やっていることは紙のときとほとんど変わらないような気がする。それでいて情報発信のためのコストは非常に安価なのだから、まことにインターネットはありがたいものだ。が、今回はまだWebならではの表現方法になっていないのが残念。正解しないと先へ読み進めない連載にしちゃおうかな(をぃをぃ)。  (打越 ■3足のわらじを履いて早1年(といっても1足は切れかかっているが・・・)。 職種がまったく違うのにもかかわらず、忙しい時期はいつも一緒。 いつもは乗り切れてきたが、今回ばかりはてんてこまい。何足も履くのは考えものかも。(銭高)
 

 Windows 2000 Insider STAFF

   
 
ガイド(編集人・編集長) 小川 誉久
Art Director
谷原 正則
ガイド(副編集長) 打越 浩幸
制作
河本 茂美
構成エディタ 塩田 紳二
編集 井口 圭一
銭高 順
編集・著作 Digital Advantage
  Copyright(C) 2000 All Rights Reserved
 

 



Windows Server Insider フォーラム 新着記事
@ITメールマガジン 新着情報やスタッフのコラムがメールで届きます(無料)

注目のテーマ

Windows Server Insider 記事ランキング

本日 月間