Windows 2000 Insider 編集後記 2001年4月

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アスクルのジレンマ

 私の本業は編集だと自負している。しかし望んだわけではないにせよ、デジタルアドバンテージという会社の社長業も並行してこなしている。といっても、高々資本金300万円、従業員5人、アルバイトを入れても総勢10名程度の吹けば飛ぶような有限会社であるし、最近では今ご覧のアットマークアイティ向けコンテンツの制作にほぼ専念していることから、取引はいたってシンプルで、経理業務も非常に簡単である(経理サポートの女性アルバイトが作業を一手に引き受けてくれているだけという話もある)。

 しかしそれでも会社は会社であるから、帳簿は毎月きちんとつけているし、社長の威厳という問題もあるので、非常に大ざっぱながら、毎月の売上予算や出費予算を立て、(気が付いたときに)実績との比較などを行っている。このときいつも笑ってしまうのが、事務用品費と電話料金の安さである。先に述べたとおり、たかが10人の会社ではあるが、されど10人の会社であり、デスクワークが中心の会社でもある。ひと昔前なら、外部との連絡は電話やFAXに頼っていただろうし、紙出版関連の仕事をしていたときには、なんだかんだ言っても紙での作業が多かったので、プリンタ用紙や赤ペン、付箋などの事務用品をそこそこ消費していたと思う。

 ところが外部との連絡にはインターネット・メールを使うため、電話料金はほとんどかからない。これは会社を設立した数年前から変わらない。具体的な数値の公表は控えるが、毎月の通話料金は数千円のレベルである。どう見ても、電話をよく使う一般家庭よりも安い。マイラインなど、見返りがほとんどないので考えるだけ時間の無駄という感じだ。 

 事務用品は、現在のWeb出版が業務の中心になって以来激減した。最終的なWebでのページ公開まで、すべての作業は電子媒体上で完結できるので、原稿のプリントアウトはもはや必須ではない。大量の原稿にざっと目を通す場合などはプリントアウトすることもあるが、朱入れ(原稿を修正すること)をWordの修正記録で行うようになって以来、画面上で原稿をチェックすることが多くなった(修正記録を使うのは、大量の文字入力がラクなのと、修正途中のデータをメールに添付して送付できること、修正内容の反映が容易であるため)。こうなると、印刷/コピー用のコピー用紙は使わないし、朱入れ用の赤ペンも使わない、付箋も使わない。恐らく、毎月の事務用品費は多く見積もっても数千円程度だろう。弊社を例に見るかぎり、コンピュータの電子的なデスクトップ上でオフィスワークが完結するようになると、企業の電話料金と事務用品費が激減するということらしい。

 弊社では、インターネット経由で簡単に注文できることから、事務用品の購入にはもっぱらアスクル(http://www.askul.co.jp/)を利用している。このアスクルは、事務用品のメジャー・メーカーであるプラスの子会社として設立された会社で、インターネット通販に注力することで飛躍的に業績を延ばし、昨年末に店頭公開を果たした。一度使ってみれば分かるが、システムは洗練されており、注文に対するアクションも素早く小気味がよい。インターネットの普及に応じて、顧客を順調に増やしていっただろうことは想像に難くない。

 しかし、これまでは飛ぶ鳥を落とす勢いのアスクルだったが、ここへきて業績にかげりが見え始めたと聞く。これは、アスクルに対抗してコクヨが新規参入したカウネット(http://www.kaunet.com)の影響だとする意見が大勢だ。しかし弊社の状況を見ると、それだけではない気がする。PCとインターネットの普及によって業績を延ばしてきたアスクルだったが、これらの普及が、事務用品の消費低迷を招いているという側面はないだろうか。本当だとすれば、何とも皮肉な話である。End of Article

(Windows 2000 Insiderガイド 小川誉久

 

 編集後記

■ついに小泉内閣が誕生。期待できるのやら、できないのやら。誰とは言わないが、最近の政治家は「命をかける」などと軽々しく口では言いながら、実際は心にもないというケースが多いように思う。少々不謹慎な言い方をさせてもらえば、これも世の中平和になり、政治家が襲われることなどなくなった平和ボケが原因なのではないか。などと、2.26事件で暗殺された高橋是清氏の殺害現場となった寝室を見学しながら考えた。この高橋是清邸を始め、数々の歴史的建造物を復元・展示した「江戸東京たてもの園」は一見の価値があります(江戸東京博物館のホームページ)。小川

■我が社にもとうとうブロードバンド(と呼ばれているらしい)インターネット回線がやってきた。東京めたりっくの1.6Mbps SDSL回線だ。申し込みから開通まで3カ月も待たされたのには閉口するし、ちょくちょくダウンしているのも困りものだが、以前のOCNエコノミーと比べるとはるかに快適になったので、とりあえずよしとしておこうか(といいたいが、ホントは怒ってるんだぞ。OCNエコノミーは解約するとして、とりあえずバックアップ用にCATV回線でも導入するかな)。
 それはともかく、1.6Mbpsは速いです。Webページの表示がかなり速くなったのは当然のこと、500Kbps以上もあるストリーム・ビデオ放送がらくらく見れます。うーん、これはいいかも……。と思ったのは1週間だけか。128Kbpsを最初に導入したときみたいに、最初は感激だけど、そろそろこの速度にも慣れてきてしまいました。次は10Mbpsとか100Mbpsの安価な普及を望みたいところだ。ところで、回線が速くなったのはいいけど、こんどはマシンのパワー不足がちょっと気になってきた。単純なHTMLページくらいなら何の問題もないけど、PDFの資料をHTMLページ並みにぱらぱらめくりながら見たりするには(1.6Mbpsもあると、PDFページの表示もHTMLページ並みにお手軽だ)、まだパワー不足かも。回線を100%使い切れないようなマシンはいやだぁ。あーっ、もっと速いマシンと速い回線と帯域をバカ食いするブロードバンドコンテンツが欲しいぞ(素直にTV見てればいいという話もあるが)。
打越
  ■先日、我が家のプロジェクター導入計画の第一歩として、まず壁に吊すスクリーンを買おうと私が提案した。すると奥さん曰く「そんなん鳥の子用紙でええやん」(我が家では関西弁が公用語)。鳥の子用紙??なんとどこぞの田舎では「模造紙」のことを「鳥の子用紙」と言うらしい。すぐさまgoogleで検索してみると、いくつかヒットし、語源も簡単に調べられた。あぁ、常時接続って、インターネットってなんてすばらしいんだろう。ちなみに東海地方では「B紙」と言うらしい。なんか東海地方らしい言い方で、なんとなくダサダサだ。「模造紙」って言い方も変ちゃー変だけど。 (遠藤

■今月のお買い物、DataSlim2。最近ネットオークションにちょっとはまっていて、これもオークションで見つけました。PCカード型の小型PDAで、画面はタッチパネル。PCカードにしてはパソコンとのデータ転送速度が遅いのはやや不満ですが、それも普段の同期くらいならそれほど気にはならないので、まずまずのお気に入り。で、何に使っているかといえば、もっぱらメモ帳(^^; あとは、Outlookとの連携で予定表をつけたりなんかもしてます。メーカからは開発キットも配布されていて、コンパイラさえあれば自分でアドインソフトを作ることもできるようになっているので、ひまさえあれば何か組んでみたいなとも思うのですが、ひまなんて予定表のどこ探してもないんです(^^; (井口

この時期になると実家では、山菜採りが大はやり。車の中には常備、高枝切りバサミ、スコップ、長靴、軍手、包丁等その他にも見たことがないような道具が箱の中にずらり。食べるというよりも採ることが楽しいらしく、山ほど採ってきてはあちこち配っている。確かに山菜採りは始めると辞められない。以前私も山菜採り(メインはふき採り)に出かけたとき、包丁を片手にあっちきょろきょろ、こっちきょろきょろ。気づけば車の中はふきだらけ。本当にこんなに食べるんだろうか? というぐらいふきを採ってきて、家で延々と皮むきをした覚えがある。ちょうどゴールデンウィークということもあって実家に帰っていた私は、毎日山菜づくし。今回の会社のお土産は山菜でした。(銭高)
 

 Windows 2000 Insider STAFF

   
 
ガイド(編集人・編集長) 小川 誉久
タイトル
デザイン
谷原 正則
ガイド(副編集長) 打越 浩幸
制作
河本 茂美
構成エディタ 塩田 紳二
編集 井口 圭一
銭高 順
編集・著作 Digital Advantage
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