技術解説
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1-4 IPv6対応ルータの構成
複数のIPv6ネットワークが接続されたネットワーク間でIPv6ホストが通信を実現するためには、IPv6対応ルータが必要です。IPv6対応ルータは、IPv6パケットをルーティングテーブルに従って転送します。さらに、IPv6対応ルータでは、ネットワークの各ホストに対して、「プレフィックス」を通知します。プレフィックスはネットワークごとに割り当てられるIDであり、各IPv6ホストは、プレフィックスを使用し、ルーティング可能なサイトローカルアドレスを生成します。
Windows Server 2003は、IPv6対応ルータとして構成可能です。ここでは、例として図1-8のようなIPv6ネットワークにおけるIPv6対応ルータ(Router 1)の設定を紹介します。
図1-8 IPv6ネットワーク構成 |
Router 1で行うべき操作は、それほど多くありません。1つは、各インターフェイスに対して、ルーティングとルータ通知を有効化することです(既定で、これらは無効化されています)。もう1つは、各ネットワークに対して、プレフィックスを割り当てることです。
各インターフェイスに対して、ルーティングとルータ通知を有効化するには、Netshのipv6コンテキストで「set interface 4 forwarding=enable advertise=enable」を実行します。このとき、4はインターフェイスIDです。同様に「set interface 5 forwarding=enable advertise=enable」も実行し、もう1つのインターフェイス(インターフェイスIDは5として)でもルーティングとルータ通知を有効化します(図1-9)。
図1-9 set interface |
次に、各ネットワークに対して、プレフィックスを割り当てます。これは、Netshのipv6コンテキストで「add route fec0:0:0:1::/64 4 publish=yes」、および「add route fec0:0:0:2::/64 5 publish=yes」を実行します(図1-10)。
図1-10 add route |
ここまでの操作により、IPv6対応ルータとして設定は終了となります。このとき、プレフィックスを含んだルータ通知により、各IPv6ホストには、新しいサイトローカルアドレス(アドレスタイプがPublicのもの)が割り当てられているはずです(図1-11)。
図1-11 show address |
また、IPv6各ホストのルーティングテーブルにはIPv6対応ルータへの経路が追加されます。これは、「show routes」で確認することができます(図1-12)。
図1-12 show routes |
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[技術解説] Windows Server 2003に実装されたIPv6機能 | ||
1.Windows Server 2003に実装されたIPv6機能 | ||
2.IPv6対応ルータの役割 | ||
3.IPv6のIPv4ネットワークとの相互運用性 | ||
「Windows Server Insider @ITハイブックス連携企画」 |
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