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Eye ―― 仮想化技術で構築するテスト環境の実力 ―― Michael Cherry2004/12/01 Copyright (C) 2004, Redmond Communications Inc. and Mediaselect Inc. |
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本記事は、(株)メディアセレクトが発行する月刊誌『Directions on Microsoft日本語版』 2004年12月号 p.34の「Virtual Server 2005の有用性と投資コストを見極める」を、許可を得て転載したものです。同誌に関する詳しい情報は、本記事の最後に掲載しています。 |
2004年10月にリリースされたVirtual Server 2005は、ホストOS上に仮想環境をエミュレートして、ゲストOSやゲスト・アプリケーションが専用のコンピュータで実行される場合と同様の実行環境を提供する。その用途は、新しいアプリケーションの開発やテスト、新型サーバでのレガシー・アプリケーションのサポートなど多様である。ただし、サーバの管理に必要なツールの一部については、提供までさらに数カ月を待たなければならない。また環境は仮想であっても、各仮想マシンにインストールされるすべてのソフトウェアを対象に、正規のライセンスが必要になる。
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2003年2月のConnectixの買収以来、MicrosoftはMac OS X上で仮想Windows環境を実現するVirtual PC for Mac、Windows 2000およびXP Professional上で仮想PC環境を実現するVirtual PC 2004をリリースしている(仮想PCおよび仮想化技術の基本的なアーキテクチャの概要については、関連記事を参照)。
そしてこのたび、Windows Server 2003上で仮想サーバ環境を実現するVirtual Server 2005が、Microsoftの仮想マシン製品ラインに加わることになった。
アプリケーション・テストやIT運用に有効
仮想環境の用途としては、以下のものが挙げられる。
●アプリケーション開発時のテスト
サーバ・アプリケーションまたはWebアプリケーションをテストする場合に、1台のコンピュータに複数の仮想サーバを構築すれば、このコンピュータだけで、テスト対象のアプリケーションの運用環境に通常導入されるサーバすべてをエミュレートできる。
●ソフトウェアの評価
仮想サーバを使用して、社内の運用環境の一部をエミュレートし、新しいソフトウェアを運用環境に導入する前に評価およびテストができる。
●レガシー・アプリケーションのサポート
Windows NT 4.0などの古いOSが必要なアプリケーションを、ゲスト・アプリケーションとしてWindows Server 2003上で実行できる。仮想化技術を利用してレガシー・アプリケーションをサポートすることで、新しいOSが稼働している新しいコンピュータに既存のサーバを統合できる。また、新OSへの移行期間中にレガシー・アプリケーションを継続して使用することもできる。
●障害からの復旧
仮想サーバを使用すれば、ある運用サーバで障害が発生した場合にこれを修復する間、別のサーバで業務アプリケーションを実行させておくことができる。
■Virtual Server 2005の機能
Virtual Server 2005がサポートする仮想サーバのホストOSは、運用環境で使用する場合はWindows Server 2003である。ただしテストで使用する場合は、Windows XP Professionalもサポートされる。
ホストOS上でエミュレートされる仮想サーバのハードウェアは、以下のようになる。
●プロセッサ
各仮想サーバがエミュレートするのは、x86ベースのプロセッサ1基のみである。Virtual Server自体は、最高で32基の物理プロセッサに対応できるが、ゲストOSは仮想サーバごとに1基のプロセッサしか認識できない。
●ストレージ
ストレージには、IDE/ATAPIまたはSCSIアダプタのいずれかをエミュレートする。IDEアダプタの場合は、1チャネル当たり最高で128Gbytesのストレージがサポートされ、ハードディスクやCD-ROMまたはDVD-ROMドライブ、ISOイメージを利用できる。SCSIアダプタの場合は、Adaptec 7870 SCSIコントローラをエミュレートし、仮想SCSIバスが4本確保される。SCSIの仮想ストレージ容量は、最高で56.5Tbytesである。
Virtual Server 2005では、共有SCSIストレージを使用して、仮想マシン間での2ノードのフェイルオーバー・クラスタを構成できる。ハードウェア障害が発生した場合のフォールト・トレランスを強化できるわけではないが、フェイルオーバー・シナリオのテストには有用だ。
完全にサポートされるゲストOSは、Windows NT 4.0およびWindows 2000 Serverである。LinuxなどほかのOSをゲストOSとして実行することもできるが、問題が発生した場合は、その原因が非Microsoft製のゲストOSではなく、Virtual ServerまたはホストOSに起因するものであることをユーザーが証明できない限り、Microsoftからのサポートは得られない。
Virtual Server 2005は、Virtual PC 2004と同一ラインの製品であるが、完全なコードのセキュリティ・レビューが行われている。これは、Microsoftの「信頼できるコンピューティング」の取り組みの一環としてWindows Server 2003に対して実施されたレビューと同様のものである。またVirtual Serverでは、仮想化サービスの管理機能面で以下のような強化が施されている。
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Webベースの管理インターフェイスの導入(実際の画面については、コラムの「WebベースのVirtual Serverの管理画面」を参照)。
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スクリプトの利用を可能にし、物理サーバと仮想サーバ間のデータの移動を容易にするCOM APIの導入(上記のWeb管理インターフェイスは、このCOM APIを使用している)。
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Systems Management Server、Microsoft Operations Manager、Automated Deployment Servicesを使用した仮想サーバの運用管理機能の強化。
INDEX | ||
Insider's Eye | ||
Virtual Server 2005の有用性と投資コストを見極める(1) | ||
Virtual Server 2005の有用性と投資コストを見極める(2) | ||
「Insider's Eye」 |
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