Insider's Eye企業ユーザー向けに再整備されたMSの新サポート・ポリシー(1)―― Windows NT 4.0やExchange 5.5のサポート期限を延長 ―― Paul DeGroot2005/06/08 Copyright (C) 2005, Redmond Communications Inc. and Mediaselect Inc. |
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本記事は、(株)メディアセレクトが発行する月刊誌『Directions on Microsoft日本語版』 2005年6月号 p.40の「曖昧さの解消を目指した製品ライフサイクルのサポート事情」を、許可を得て転載したものです。同誌に関する詳しい情報は、本記事の最後に掲載しています。 |
Microsoftのビジネス・ソフトウェアの製品ライフサイクルに新しいサポート・オプションが追加された。これにより、リリースから多くの年数が経過した製品のバグ修正プログラムを入手するための以前の取り決めは、成文化、体系化され、適用対象が拡大されることになった。最近発表されたこうした製品ライフサイクルの変更に伴い、Windows NT 4.0やExchange 5.5などのレガシー製品についても、新しい製品と同じく支援サポートが10年間提供されることになった。だが、こうしたサポートの料金は利用年数が増えるごとに上がる仕組みになっており、このことは、Microsoftの積極的なサポートが見込める期間を超えて製品を使い続けずに、アップグレードを行うことを顧客に促すことになる。
2005年3月に発表された製品ライフサイクルの変更により、企業が延長サポート・フェイズにおいてもバグ修正プログラムを引き続き入手したい場合の手続きと料金体系が明確に規定された。このフェイズでは、セキュリティ関連以外の修正プログラムは有償でのみ提供される。Microsoftはまた、通常のライフサイクルを終えた製品を対象とした有償の支援サポート・オプション(MicrosoftのWebサイトで利用できる無料のセルフヘルプ・サポートなどと対照をなす)であるカスタム・サポートについての新たな詳細も発表した。
Microsoftは3月に、Microsoft Business Solutions製品のサポート期間も延長したほか、Microsoftのソフトウェアについてソフトウェア・アシュアランス(SA)を購入した顧客が延長サポート・フェイズに受けられるサポートの内容や、同社のサポート期間の計算方法、64bitシステムのサポート・ルールも明示した。
変化するサポート・ニーズ
ライフサイクルに関する最新の変更は、IT市場とMicrosoftの製品ラインの成熟化を背景に、顧客がソフトウェアをMicrosoftの想定よりもはるかに長期間使うようになってきていることを反映している。Microsoftは以前よりも少ない頻度で成熟製品のアップグレードを実施しており、1990年代には2〜3年ごとにアップグレードされていた製品が、いまでは5〜6年のアップグレード・サイクルになっているケースもある。
さらに、Microsoft製品の多くは充実した機能性を備えるに至っているため、多くの顧客はなかなか新バージョンにアップグレードしようという気にならない。企業がボリューム・ライセンスを通じてMicrosoftのソフトウェアをアップグレードする唯一の方法であるSAプログラムも、かえってソフトウェアを使い続ける理由を提供してしまう場合がある。企業はSAを購入しないことで、ソフトウェアのライセンス・コストを節約できるためだ。SAを購入すると、ソフトウェア・ライセンス・コストは年間25〜27%増加する。多くの場合、顧客はSAを購入せずに手持ちのMicrosoft製品を4年以上使えば、アップグレード・コストを含めたうえでライセンス・コストをより安く抑えられる。
2002年までは非常に急速なペースで大幅な製品改訂が進められていたことから、ほとんどの導入顧客は数年以内にアップグレードを行い、旧製品の広範なサポートへの需要は少ないという状況があった。このため、サポート・ルールは製品グループごとにまちまちで、Microsoftは旧製品のサポート期間の目安を顧客にほとんど提示していなかった。大部分の顧客は、2番目の後継バージョンがリリースされるまで製品サポートを提供するという、Microsoftの一部の製品グループで採用されていたアプローチに満足していた。
2002年にMicrosoftはメインストリーム・サポート・フェイズとこれに続く延長サポート・フェイズを定義し、製品ライフサイクルに一貫性を持たせた。メインストリーム・サポート・フェイズでは、サービスパックとバグ修正プログラムがすべての顧客に無償提供され、延長サポート・フェイズでは、サービスパックは提供されず、顧客はバグ修正プログラムを入手するには追加費用を支払わなければならない(セキュリティ修正プログラムは引き続き無償提供される)。さらに、オンライン・セルフヘルプ・サポートと呼ばれるサポート・サービスも規定された。その内容は、顧客はMicrosoftのWebサイトで提供されているすべての情報とダウンロード・ファイルを自由に利用できるというものだ。
当初、メインストリーム・フェイズは5年間、延長フェイズは2年間に設定されていた。オンライン・セルフヘルプ・サポートは、製品のリリースから延長フェイズ終了の数年後まで継続され、8〜10年間、顧客自身による問題解決のための支援が提供されることになっていた。
2004年にMicrosoftは延長フェイズを5年間に延長するとともに、メインストリーム・フェイズを後継バージョンのリリースから少なくとも2年間、必ず継続するというルールを追加した。このルールにより、普及したプログラムのメインストリーム・サポートがその後継バージョンのリリース前に終了してしまうという頭の痛い状況が起こる可能性がなくなった。例えば、Windowsの次期バージョン(コード名:Longhorn)は現在、2006年にリリースされる計画だが、これはWindows XPのリリースの5年後に当たる。以前の単純な5年間ルールの下では、Windows XPのメインストリーム・サポートは、Microsoftがその代替となるアップグレード・バージョンを用意する前に、また、ほとんどの顧客がメインストリーム・フェイズにあるバージョンにアップグレードする機会を得る前に、終了してしまう恐れがあった。
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