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Windows 2000でIE 5.5のインストール用コンポーネントのダウンロードだけを行う方法

デジタルアドバンテージ
2000/07/19

 2000年7月17日、Internet Explorer(IE) 5.5日本語版のダウンロード サービスが開始された(マイクロソフトのIEのホームページ)。

Internet Explorer 5.5日本語版ダウンロード ページ
IE 5.5では、処理速度の向上に加え、印刷プレビュー機能の追加、印刷時の改ページ処理の改善(行の途中やビットマップの途中で改ページしない)、日本語や中国語の縦書きレイアウト サポートなどが追加された。
  日本語版のダウンロード ページは、どこをクリックすればIE 5.5をダウンロードできるのか分かりにくい。IE 5.5をダウンロードするには、ここをクリックする。

 ここでは、特定のOS(Windows 9x、Windows 2000)に依存しない初期セットアップ プログラム(ie5setup.exe。約500Kbytes)がローカル ディスクにダウンロードされる。従来のIEのダウンロードでは、ダウンロード サイトで適切な使用言語やOSの種類などを選択し、ダウンロードするファイルを選択していたが、今回のIE 5.5では、初期セットアップ プログラムが改良され、マニュアルで指定しなくても、これが現在の環境を調査して、必要な残りのファイルをインターネットからダウンロードしてくるように改良された。

IE 5.5のセットアップ(Windows 9xの場合)

 初期セットアップ プログラム(ie5setup.exe)がダウンロードされたら、エクスプローラからこのファイルを実行する。

ダウンロードサイトからダウンロードされたIE 5.5の初期セットアップ プログラム(ie5setup.exe)
このファイルをダブルクリックして、IE 5.5のセットアップを開始する。
  ファイル アイコンをダブルクリックする。→

使用許諾の確認画面
セットアップを開始すると、まず最初にこの画面が表示される。ここでは[同意する]を選択して次に進む。同意しない場合はセットアップを終了する。
  ここをクリックして次の画面に進む。→

 使用許諾の確認画面で[同意する]を選択して[次へ]をクリックすると、セットアップ プログラムが、現在使用中のOSなど、システム情報を走査し、セットアップの準備を進める。準備が完了すると、次の画面が表示される。

インストール オプションの選択ダイアログ
ここでは、IE 5.5のインストール オプションを選択する。必要に応じて、今使っている環境をIE 5.5にアップデートする、IE 5.5のインストール ファイルをダウンロードしておき、後でセットアップを行うなどを選択する。
  現在使用している環境をIE 5.5にアップデートする場合にはこちらを選択する。
  必要なコンポーネントをマニュアルで選択したり(これにより、最小構成も選択できる)、インストール用ファイルをすべてダウンロードしておき、後でIE 5.5をセットアップできるようにしたりする場合にはこちらを選択する。
  ここでは、下側の[最小構成インストール〜]を選択して、次に進んでみる。→

 ここでは、IE 5.5のインストール オプションを選択する。このうち[標準インストール]を選択すると、現在使用中の環境(つまりセットアップ プログラムを実行している環境)のIEが5.5にアップデートされる。Outlook ExpressやMedia Player、その他のマルチメディア拡張など、標準的な構成で環境が更新される。ここで[次へ]をクリックすると、必要なインストール用ファイルがダウンロードされ、その後自動的にセットアップが開始されて環境が更新される。この際、ダウンロードされたファイルは、セットアップが完了すると消去される。

  一方、ここで[最小構成インストール、またはブラウザのカスタマイズ]を選択すると、以後にダウンロード/セットアップするコンポーネントをマニュアルで選択できるようになる。これにより、ブラウザだけの最小構成を選択したり、任意の追加モジュールを選択したりできる。またこちらを選択すると、セットアップ用のファイルをローカル ディスクにダウンロードだけしておき、後でIE 5.5のセットアップを行えるようになる。こちらを選択して[次へ]をクリックすると、次の画面が表示される。

セットアップ コンポーネントの選択
IE 5.5では、すべてのコンポーネントをダウンロードしてから、必要なコンポーネントだけをインストールするのではなく、必要なコンポーネントだけを選択的にダウンロードできるようになった。これにより、無用なコンポーネントのためにダウンロード時間を割く必要がなくなった。従来どおり、必要なコンポーネントをダウンロードしておき、後でIE 5.5のセットアップを行うには、[詳細設定]ボタンをクリックする。
  コンポーネント ファイルのダウンロードだけを行いたいときには、このボタンをクリックする。→

 従来のIEのダウンロードでは、ブラウザとOutlook Express(電子メール ソフトウェア)などの標準的なコンポーネントだけを含む標準構成か、すべてのコンポーネントを含む完全構成かをダウンロード時に選択してコンポーネントをダウンロードし、それに続くセットアップ時に必要なコンポーネントを選択してシステムを更新するようになっていた。このため場合によっては、不要なコンポーネントをわざわざダウンロードして、セットアップは行わないという無駄が発生する可能性があった。これに対しIE 5.5では、必要なコンポーネントだけを選択的にダウンロード/セットアップできるようにされた。

  しかしその代わりにIE 5.5では、従来のように、セットアップ用のコンポーネントは明示的にはディスクに記録されない。したがってこのままでは、複数台のマシンでIE 5.5への更新を行うときには、台数分のダウンロードが必要になってしまう。Proxyなどでキャッシュしていたとしても、何台もインストールする場合や、インターネット接続のバンド幅が細く、数メガバイト単位のファイル ダウンロードを何度も行うのが困難なら、従来同様、IE 5.5のコンポーネントをあらかじめまとめてダウンロードしておき、後でセットアップを実行することも可能だ。これには、上のダイアログで[詳細設定]ボタンをクリックする。

詳細設定ダイアログ
ここで[ダウンロードのみ]をチェックすれば、コンポーネントのダウンロードだけが実行され、システムへの組み込みは行われない。
  完全構成のコンポーネント ファイルをダウンロードし、後でセットアップを実行できるようにするには、このチェック ボックスをオンにする。

 このダイアログで[ダウンロードのみ]を選択すると、IE 5.5のすべてのコンポーネントがローカル ディスク(任意のフォルダを指定可能)にダウンロードされ、IE 5.5のセットアップをオフラインで実行できるようになる。複数のコンピュータにIE 5.5をセットアップするなら、この方法でいったんコンポーネントをローカル ディスクにダウンロードしておくとよいだろう。ただしファイル サイズはかなり巨大になるので注意が必要である。

IE 5.5のセットアップ(Windows 2000の場合)

 以上はWindows 9xでIE 5.5のセットアップを実行した場合である。基本的な手順はほとんど同じなのだが、Windows 2000でIE 5.5のセットアップを実行したときには、わずかではあるが、重大な違いがある。

  具体的には、初期セットアップ プログラム(ie5setup.exe)をダウンロードし、これを実行して、使用許諾の確認を行うところまではWindows 9xの場合と同じである。この後、セットアップの初期化を経て、現在使用中のシステムがWindows 2000であることが検出されると、次の画面に進む。

Windows 2000で実行した場合のインストール オプションの選択ダイアログ
Windows 9xでは、ここで標準インストールか、最小構成インストールかを選択することができた。しかしWindows 2000では、[Windows 2000インストール]があるだけで、他のインストール オプションは用意されていない。したがってコンポーネントのダウンロードだけを実行することもできない。

 Windows 9xでは、標準インストールか、最小構成インストールかを選択するダイアログが表示されたのだが、このようにWindows 2000では、[Windows 2000インストール]があるだけで、他のインストール オプションは存在しない。このままセットアップを継続すれば、現在のシステムをIE 5.5に更新することは可能だが、コンポーネントのダウンロードだけを行うことなどはできない。複数のマシンにIE 5.5をセットアップするには、セットアップのたびにコンポーネント(約6Mbytes)をインターネットからダウンロードしなければならない。

  Windows 9xでは可能なオプション選択が、Windows 2000で不可能にされた理由は定かでない。しかし大量のWindows 2000クライアントを一括してIE 5.5にアップグレードしようとする管理者には重大な問題だろう(多少時間がかかってもよいなら、マイクロソフトが実費で提供するCD-ROMを利用する手もある)。

Windows 2000でコンポーネントのダウンロードのみを行う方法

 上で述べたとおり、Windows 2000でセットアップを実行したときには、コンポーネントのダウンロードだけを行うことはできない(ダウンロードのみの設定でセットアップを実行することができない)。しかし初期セットアップ プログラム(ie5setup.exe)にコマンドライン オプションを指定して起動すればこれが可能になる。

  たとえば今、初期セットアップファイル(ie5setup.exe)が「C:\Windows Update Setup Files」フォルダにダウンロードされているとしよう。コマンドライン オプションを指定して初期セットアップを実行するには、[スタート]メニューの[ファイル名を指定して実行]を実行し、表示されるダイアログで次のようにキーボードからオプションを入力する。

"C:\Windows Update Setup Files\ie5setup.exe" /c:"ie5wzd.exe /d /s:""#E"""

 つまりオプションは、「/c:"ie5wzd.exe /d /s:""#E"""」ということになる。ここで「ie5wzd.exe」は、ie5setup.exeのパッケージに含まれるIE 5.5のセットアップ ウィザードの実行ファイルで、ie5setup.exeを実行すると、テンポラリ ディレクトリにこのie5wzd.exeが解凍され、それが起動される。詳細は不明だが、どうやらこのie5wzd.exeプログラムに対し、「/d /s:""#E""」というオプションを指定しているという意味らしい。間違えやすいオプションなので、必要なら上のコード表記からオプション部分をコピー&ペーストして使用していただきたい。

  コマンドを実行すると、使用許諾、セットアップの準備のダイアログに引き続き、次のダイアログが表示される。

ダウンロード オプション
ここで、ダウンロードしたコンポーネントの保存先や、コンポーネントをダウンロードしたいOSの種類を選択する。OSの選択はチェックボックスになっており、必要なものをいくつでも選択可能。すでにWindows Millenniumが含まれていることが分かる。
  ダウンロードしたコンポーネントの保存先。ネットワーク フォルダに保存するときには、UNCではなく、ドライブ文字を割り当てて、ドライブ文字からのパスを指定すること。
  ダウンロードしたいコンポーネントのOSを選択する。複数選択が可能。

 ここでは、ダウンロードしたコンポーネントの保存先や、コンポーネントをダウンロードしたいOSの種類を選択する。保存先ディレクトリには、ネットワーク上の共有フォルダを指定することも可能だが、その場合でもUNCによるパス指定は受け付けられないので注意すること。共有フォルダにダウンロードしたければ、適当なドライブ文字を割り当てて、このドライブ文字からのパスを指定すること。

  ダイアログの表記から分かるとおり、ここでは複数のOS向けコンポーネントを一括してダウンロードすることができる(まだ正式出荷されていないWindows Millenniumまで含まれている)。ここですべてのOSを選択すると、ファイルサイズはおよそ50Mbytesになった。

  コンポーネントのダウンロードが完了し、オフラインでIE 5.5をセットアップする場合には、ダウンロードの保存先に指定したフォルダにあるie5setup.exeを実行する。このファイル自体は、ダウンロードに使用した初期セットアップ プログラムと同一のファイルである(コンポーネントのダウンロードを指定すると、このファイルも保存先フォルダにダウンロードされる)。しかしie5setup.exeと同一のフォルダにダウンロードしたコンポーネントが存在する場合には、インターネットからのコンポーネント ダウンロードは行わず、フォルダに存在するコンポーネントを使ってIE 5.5のセットアップが開始される。End of Article

  関連リンク
  IEのホームページ(マイクロソフト)
  [Knowledge Base]Windows 2000でIE 5.5のダウンロードのみのセットアップを行う方法[英語](米Microsoft)
     
「Windows TIPS」


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