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Windows XP SP3の自動更新での適用をブロックする

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デジタルアドバンテージ 小林 章彦
2008/05/02
対象OS
Windows XP
XP SP3は、2008年夏に自動更新での配布開始が予定されている。
XP SP3の適用を延期したい場合は、Service Packのブロック・ツールを利用してレジストリを設定する。
このツールを利用しても、提供開始の1年後には自動的にXP SP3が適用される。

解説

 2008年4月29日(米国時間)にWindows XP向けの最新サービスパックであるService Pack 3(以下、XP SP3)が一般に公開される予定であった(すでにMSDNサブスクライバー向けには各言語版が公開されている)。しかし公開直前になって、Microsoft Dynamics Retail Management System(RMS:小売店管理システム)との互換性の問題が明らかになったことから、4月29日の公開は延期されてしまった。とはいえ、早々に修正プログラムなどによって、この互換性問題は解消され、XP SP3が提供されることになると思われる。

 XP SP3が一般に公開されると、ダウンロード・センターからダウンロードして適用が可能になるほか、Windows Update/Microsoft Updateで列挙されるようになる予定だ。Windows Update/Microsoft Updateにおいては、「追加選択(ソフトウェア)」カテゴリに列挙されるため、[高速]ボタンでは適用されず、[カスタム]ボタンをクリックし、[追加選択(ソフトウェア)]で明示的にXP SP3にチェックしない限り適用は行われない。

 さらに2008年夏(6月上旬とうわさされている)になると自動更新による配布が開始され、自動更新の動作を「自動」に設定していると、XP SP3が自動的に適用開始されることになる。またWindows Update/Microsoft Updateにおいても、「優先度の高い更新プログラム」カテゴリに列挙されるようになり、[高速]ボタンで自動的に適用されるようになる。実際には、いずれの場合も使用許諾書に同意しない限り、XP SP3が自動で適用されることはないが、多数のクライアントPCによるダウンロードが発生してネットワークの負荷が増大したり、管理者以外のユーザーが同意して適用を進めてしまい問題を起こしたりする危険もある。そこで、XP SP3の配布をさせないために(管理者がXP SP3の導入のタイミングを決められるように)、XP SP3の導入をブロックするツールが用意されている。

 このツールを使用すると、自動更新による配布が開始されても、自動更新やWindows Update/Microsoft Updateで列挙されるのを防げる。ただしこのツールでブロックできる期限は、XP SP3のリリース後1年までである。2009年5月には、ブロック・ツールによる設定が無効になり、自動更新などで適用されてしまう可能性がある。

 なおこのツールは、XP SP3だけでなく、Windows Server 2003 SP2やWindows Vista SP1でも有効である(いずれも同じレジストリ値を使っている。TIPS「Windows Server 2003 SP2の自動更新をブロックする」「Windows Vista SP1の自動更新をブロックする」参照)。またブロックを設定後、単体パッケージ(CD/DVD/ネットワークからの手動インストール)によりXP SP3を適用すると、この設定は残り、新たに提供されるサービスパックがあった場合も(マイクロソフトは、今回のSP3をXP向けの最後のSPといっているようだが)、1年間ブロックされてしまうので注意が必要だ。単体パッケージでインストールする前に、ブロックを解除しておいた方が安全だ。

操作方法

XP SP3の配布をブロックするためのレジストリ設定

 上記のダウンロード・ページからブロッカー・ツールのファイル(SPBlockerTools.EXE)をダウンロードして実行すると、指定した解凍先に3つのファイル(コマンド2つとテンプレートが1つ)が作成される。

 いずれのファイルを使っても同じであるが、このツールが実行する処理は、XP SP3の配布を抑止するために、次のレジストリの値を設定することである。

項目 内容
キー HKEY_LOCAL_MACHINEの\Software\Policies\Microsoft\Windows\WindowsUpdate
値の名前 DoNotAllowSP
REG_DWORD
1 → XP SP3の自動更新による適用をブロックする
0 → ブロックしない(0にするか、この値そのものを削除する)
Windows Update/自動更新によるXP SP3の列挙をブロックするレジストリ設定

 このレジストリの値を「1」に設定すると、Windows Update/Microsoftや自動更新でXP SP3が列挙されなくなる。ただし、ダウンロード・センターなどから取得したXP SP3を手動で適用することは禁止できない。

■SPBlockingTool.EXEによる制御
 SPBlockingTool.EXEは、上記のレジストリを操作するためのプログラムである。引数なしで実行するか、引数「/B」を付けるとXP SP3の適用がブロックされ(レジストリが定義される)、「/U」を付けるとXP SP3の適用阻止機能が解除される(レジストリの値が削除される)。

C:\SPblocker>SPBlockingTool.exe /b
Action successfully completed.

■SPreg.cmdによる制御
 SPreg.cmdもレジストリを操作するためのツールであるが、こちらはreg.exeコマンドを呼び出すバッチ・プログラムになっている。また、引数としてほかのコンピュータ名を指定することもできるので、リモートからレジストリを制御することができる。

 なお、コマンドのヘルプによれば、第1引数のリモート・コンピュータ指定はオプションのはずであるが、実際には必須の引数となっている。引数には、操作対象のコンピュータ(IPアドレスかコンピュータ名)と、「/B」か「/U」(引数の意味は先ほどと同じ)を指定する。

C:\SPblocker>spreg xppc01 /b

操作は正しく終了しました

■NoSPupdate.admによる制御
 NoSPupdate.admは、グループ・ポリシーのテンプレートであり、先ほどのレジストリ値を設定するために利用される。グループ・ポリシー・エディタでテンプレートとして読み込むことにより、Active Directoryを使ってドメイン内のWindows XPコンピュータに対するXP SP3の列挙を制御できる。End of Article

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このリストは、デジタルアドバンテージが開発した自動関連記事探索システム Jigsaw(ジグソー) により自動抽出したものです。

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