[System Environment] | |||||||||||||
Windows Media Player(WMP)のバージョンをリモートから確認する方法
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解説 |
Windows標準のマルチメディア再生ソフトウェアであるWindows Media Player(WMP)は登場以来、バージョンアップを重ね、最新版はVer. 11になっている。WMPはWindows OSにプレインストールされているため、OSの世代によってWMPのバージョンも異なっている場合が多い。また上位バージョンのWMPを単体でインストールしてアップグレードできる場合もある。結果として、部門/部署など同じグループ内のPCでも、複数バージョンのWMPが混在しがちだ。
OS | OSのService Pack | Windows Media Player(WMP)のバージョン |
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6.4*1 |
7.0 |
7.1 |
8.0 |
9.0 |
10 |
11 |
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Windows 2000 | ○(プレインストール) |
○*2 |
× |
× |
× |
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Windows XP | SP未適用/SP1x | ○(プレインストール) |
× |
× |
○(プレインストール)*2 |
○*2 |
○*2 |
× |
SP2/SP3 | ○(プレインストール) |
× |
× |
× |
○(プレインストール)*3 |
○*3 |
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Windows Server 2003 (R2を含む) |
SP未適用 | ○(プレインストール) |
× |
× |
× |
○(プレインストール)*2 |
× |
× |
SP1/SP2 | ○(プレインストール) |
× |
× |
× |
× |
○(プレインストール) |
× |
|
Windows Vista | × |
× |
× |
× |
× |
× |
○(プレインストール) |
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Windows Server 2008 (フル・インストール) |
× |
× |
× |
× |
× |
× |
○(プレインストール) |
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Windows Server 2008 (Server Core) |
× |
× |
× |
× |
× |
× |
× |
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OS別のWMPのインストール可否およびプレインストール状況(x86のみ) | ||||||||
「○(プレインストール)」はOSの初期状態でインストール済みを表す。「○」はインストール可能、「×」はインストール不可をそれぞれ表している。リンク先はインストーラのダウンロード・ページ。 | ||||||||
*1 上位バージョンのWMPがインストールされても、WMP 6.4はアップグレードされずシステムに残留し、上位バージョンと並存することになる。ただし、その場合でもデフォルトのプレーヤは上位バージョンのWMPに変わる(コンテンツは上位バージョンのWMPに関連付けられる)ため、Windows XP以降のWindows OSでは普段WMP 6.4が使われることはない(Windows 2000ではWMP 7〜9をインストールしない限り、WMP 6.4が利用される)。 | ||||||||
*2 マイクロソフトによるサポートは終了している。 | ||||||||
*3 Windows XP Media Center Edition 2005にはWMP 10がプレインストールされている。 |
異なるバージョンのWMPが混在していると、動画コンテンツを配信する際などに問題が発生する可能性がある。最近では企業などでも、社内向けの告知などに動画コンテンツが利用されることがある。しかし、その再生に用いられるWMPのバージョンがクライアントごとに異なると、クライアントによっては再生できないなどの不具合が生じかねない。各クライアントのWMPのバージョンを把握しておかないと、適切な障害対応ができない。
Windowsの一般的なアプリケーションと同様、WMPもメニューの[ヘルプ]−[バージョン情報]を実行することでバージョンを確認できる。しかしこの方法だと、複数のPCでWMPのバージョンを調べるには手間がかかり、現実的ではない。そこで本稿では、WMPの構成ファイルのバージョンを調べることで、リモートでもWMPのバージョンを確認できる方法を説明する。また自動検出用のバッチ・コマンドも用意したのでご利用いただきたい。
操作方法 |
構成ファイルのバージョンからWMPのバージョンを確認する
調査した限り、WMPのバージョンをリモートで確認するには、WMPを構成するファイルのバージョンを調べるのが確実である。レジストリに格納されているWMPのバージョンは、バイナリ形式で保存されていて扱いづらかったり、アップグレード前のWMPのバージョン情報が残留していたりと、特にスクリプトやバッチ・コマンドでバージョンを調査するのに手間がかかるため、本稿では利用していない。
対象ファイルの名称やパス、WMPのバージョンとの対応を下表に記す。対象ファイルのパスはWindows Media Playerのインストール先フォルダでもあり、Windows OSのインストール時に特殊なカスタマイズを施さない限り、必ずブート・ドライブの「\Program Files\Windows Media Player」となる。また、WMP 6.4とWMP 7以降では、ファイル・バージョンの調査対象ファイルがそれぞれ「mplayer2.exe」「wmplayer.exe」と異なる点に注意してほしい。ファイル・バージョンの調べ方は、TIPS「バイナリ・ファイルのバージョンを調べる」が参考になる。
対象ファイルのパス | 対象ファイル名 | ファイル・バージョン | WMPのバージョン |
ブート・ドライブの \Program Files\ Windows Media Player |
mplayer2.exe | 6.4.9.* | Windows Media Player 6.4 |
wmplayer.exe | 7.0.*.* | Windows Media Player 7.0 | |
7.1.*.* | Windows Media Player 7.1 | ||
8.0.*.* | Windows Media Player 8.0 | ||
9.0.*.* | Windows Media Player 9.0 | ||
10.0.*.* | Windows Media Player 10 | ||
11.0.*.* | Windows Media Player 11 | ||
WMPのバージョンとその構成ファイルのバージョンとの対応(x86のみ) | |||
WMPのバージョンは、WMP本体の実行ファイルのバージョンを調べると分かる。対象ファイルのパスは、Windows OSのインストール時に特殊なカスタマイズを施さない限り、必ず上記のパスになる。ファイル・バージョンで「*」の部分は任意の数値を意味する。これらビルド番号(右から2番目の数値)やサブ・ビルド番号(右から1番目の数値)は、パッチ適用によって変動することがあり、バージョン情報としては利用しない。 |
ファイル・バージョンのうち、ビルド番号(右から2番目の数値)やサブ・ビルド番号(右から1番目の数値)は、パッチ適用によって変動することがある。そのため原則としてWMPのバージョンを判断するには、メジャー・バージョン番号(左から1番目)とマイナー・バージョン(左から2番目)だけを用いる。
WMPのバージョンをバッチ・コマンドで確認する
複数のPCが対象の場合、上記のファイル・バージョンをいちいち手動で確認するのは手間がかかる。そこで、ファイル・バージョンを自動的に参照してWMPのバージョンを検出・表示するバッチ・ファイルを用意した。
このバッチを実行するには、Windows 2000/Windows XP/Windows Server 2003のSupport Toolsに含まれるfilever.exeというコマンドが実行できる必要がある。その方法やfilever.exeの詳細は前出のTIPS「バイナリ・ファイルのバージョンを調べる」を参照していただきたい。
このZIPファイルを展開したら、checkwmpv.cmdというファイルを書き込み可能なフォルダに保存する(一時ファイルを作成するため)。管理者アカウントでログオンしていることを確認してから、引数なしでcheckwmpv.cmdを実行すると、実行したコンピュータに組み込まれているWMPのバージョンが表示される。
また引数に「\\<コンピュータ名>」を指定すると、リモートからそのコンピュータのWMPのバージョンを調査して表示できる。ただし、 checkwmpv.cmdを実行するコンピュータから、対象のリモート・コンピュータにおける「C$」「D$」といった管理共有およびレジストリにアクセスできる必要がある。具体的には、リモート・コンピュータの管理共有を停止していないこと、Remote Registryサービスが起動していること、ファイアウォールでMicrosoft Windowsネットワークを遮断していないことを確認する。管理共有についてはTIPS「デフォルト共有(管理共有)を停止させる方法」が詳しい。
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checkwmpv.cmdの実行例 | |
リモート・コンピュータを調査した例。インストール済みのWMPのバージョンが表示される。 |
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