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Windows Server 2003のブート・ボリュームのドライブ文字を変更する

解説をスキップして操作方法を読む

デジタルアドバンテージ 小林 章彦
2009/09/18
対象OS
Windows Server 2003
システム・ボリュームを2台以上のハードディスクでミラーリングしていて、ミラーリングを解除すると、障害などで取り外したいディスクがC:ドライブに、もう1台のディスクがそれ以外になることがある。
システム・ボリュームがC:以外になるとシステムが正常に利用できなくなることがある。
レジストリを編集して、別ドライブに割り当てられたドライブ文字をC:ドライブにすれば元通りに利用できる。

解説

 サーバ・システムでは、システム・ボリュームを2台以上のハードディスクを用いてミラーリング構成とし、可用性や信頼性を向上させる手法は一般的となっている。しかし障害などが発生してミラーリングを解除するとディスクが2台に戻ってしまい、各ハードディスクには個別のドライブ文字が割り当てられる(ミラーリング状態ではすべてC:ドライブとなっている)。

[コンピュータの管理]ツールの[ディスクの管理]の画面
ここでは、2台のドライブをミラーリング(ミラーボリューム)としている。ハードディスクは2台あるが、どちらのドライブ文字は「C:」となっている。
2台でミラーボリュームを構成しており、どちらもC:ドライブとなっている。
ミラーボリュームの解除を行う。 →

ミラーリングを解除した後の[ディスクの管理]の画面
C:ドライブだった2台のハードディスクには、C:とE:という異なるドライブ文字が割り当てられた。正確にいうとミラー解除した結果、新しく増えたドライブに対して、新しい空きドライブ文字が付けられたということ。システムのディスク構成によっては別のドライブ文字になる。

 取り外したいハードディスクが、起動ディスクとなるC:ドライブ以外ならば、そのハードディスクを取り外しても正常に起動可能だ。ところがC:ドライブに割り当てられてしまうと、後述のように少々面倒な作業が必要になる。ミラーリングしていたハードディスク(ボリューム)には、C:ドライブと同じOSイメージが保存されているので、そのまま起動できるような気がする。しかしC:ドライブを取り外すと、ログオン後に[個人設定をロードしています]というダイアログ表示以降に進まず、再び[Windowsへようこそ]ログオン画面に戻ってしまうのだ。

 これはブート・ボリュームのドライブ文字が、Windows Server 2003の初期セットアップ時に割り当てられたドライブ文字と一致しないことに起因する。Windows Server 2003では、ドライブ文字はレジストリに記録されており、各ボリュームのグローバル一意識別子(GUID)に従って同じものが割り当てられるようになっている。そのためC:ドライブを取り外してしまうと、ブート・ボリュームのドライブ文字がC:ドライブ以外(D:ドライブやE:ドライブなど)となってしまうため、正常に起動できなくなってしまう。

 システム/ブート・ボリューム以外ならば[コンピュータの管理]ツールで変更できるが、システム/ブート・ボリュームは残念ながら変更できない。本稿では、このような場合、C:ドライブ以外に割り当てられたボリュームのドライブ文字を「C:」に変更し、正常に起動可能にする方法を紹介する。

 なおこの方法は、システム・ボリュームのドライブ文字を元に戻すためのものであることに注意していただきたい。C:ドライブをまったく別の、例えばG:に変更するための方法ではない。Windows OS環境では、レジストリやプロファイル、アプリケーション設定など、元のドライブ名が記録されている部分が多数あり、システム・ボリュームのパスが変更されると正常に利用できなくなるからだ(冒頭のログオンできなくという症状もその1つ)。

ドライブ文字による障害解決の手順
C:ドライブに障害などが発生して取り除いた場合、E:ドライブなどからは正常に起動できない。この問題を解決するには、レジストリの編集が必要になる。
ミラーリングを構成していたハードディスクの1台に障害などが発生。
ミラーリングを解除し、1台のハードディスクで起動できるように構成を変更する。
運悪く、障害などが発生したハードディスクのドライブ文字が「C:」に割り当てられてしまった。
障害などの発生したC:ドライブを取り外すなどする。
E:ドライブからでは、[個人設定をロードしています]ダイアログ以降に進まず、再び[Windowsへようこそ]ログオン画面に戻ってしまう。
ネットワーク・レジストリを利用して、ドライブ文字が記述されているレジストリ・キーを編集する。

操作方法

 正常に起動できなくなったWindows Server 2003を[Windowsへようこそ]ログオン画面の状態にしておく。この状態で、別のコンピュータからレジストリを編集して、ドライブ文字の変更を行う。

TIPS「リモートからレジストリを操作する」

 別のコンピュータでレジストリ・エディタを起動する。レジストリ・エディタの[ファイル]−[ネットワーク レジストリへの接続]を選択し、正常に起動できなくなったWindows Server 2003のレジストリを開く。この際、正常に起動できなくなったWindows Server 2003の管理者権限を持つアカウントの入力が必要になる。

[注意]

レジストリに不正な値を書き込んでしまうと、システムに重大な障害を及ぼし、最悪の場合、システムの再インストールを余儀なくされることもあります。レジストリ・エディタの操作は慎重に行うとともに、あくまで御自分のリスクで設定を行ってください。何らかの障害が発生した場合でも、本Windows Server Insider編集部では責任を負いかねます。ご了承ください。

 ネットワーク・レジストリで接続できたらWindows Server 2003上の以下のレジストリ・キーの[値の名前]「\DosDevices\C:」を「\DosDevices\F:」などの空いているドライブ文字に変え、ブート・ボリュームにしたいE:ドライブなどのドライブ文字の[名前]を「\DosDevices\C:」に変えればよい。

項目 内容
キー HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\MountedDevices
名前 \DosDevices\C: → \DosDevices\F:などの空いているドライブ名
\DosDevices\E:  → \DosDevices\C:
ドライブ文字の変更手順

ネットワーク・レジストリによるWindows Server 2003のドライブ文字の編集画面
ネットワーク・レジストリでWindows Server 2003に接続し、[MountedDevices]キーを編集する。まず現在、[値の名前]が「\DosDevices\C:」となっているものを、「\DosDevices\F:」などの空いているドライブ文字に変える。次にブート・ボリュームにしたい「\DosDevices\E:」などを「\DosDevices\C:」とすればよい。
編集したい[値の名前]の右クリック・メニューから[名前の変更]を選択し、ドライブ文字の部分を変更する。

 あとはWindows Server 2003を再起動すれば、ブート・ボリュームのドライブ文字が「C:」に変更されたことから正常に起動し、デスクトップが表示されるようになる。[コンピュータの管理]ツールの[ディスクの管理]を見れば、ミラーリングを解除後、E:ドライブなどに割り当てられていたボリュームがC:ドライブに戻っていることが分かるだろう。End of Article

ドライブ文字を変更した後の[ディスクの管理]の画面
E:ドライブだったハードディスクがC:ドライブに変更できたことで、正常に起動できるようになった。取り外したC:ドライブにエラー・アイコン(「不足」)が表示されているが、これは、右クリック・メニューから[ディスクの解除]を実行すれば見えなくなる。

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