[System Environment] | |||||||||||
Windows XP Modeを再インストールする
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解説 |
Windows 7には、Windows XP環境を再現する「Windows XP Mode」という機能がある。古いWindows XP環境でしか動作しない古いアプリケーションを実行したり、各種の実験環境に活用できるなど、便利な機能である。
だが場合によってはWindows XP Modeの環境を、最初から作り直したいことがある。例えばアプリケーションをインストールしすぎたり、設定を変更しすぎたりすると、元の(クリーンな)状態に戻らなくなってしまったり、動かなくなってしまうことがあるからだ。Windows XP Modeの実行環境であるWindows Virtual PCには復元ディスクという機能があり、これを使えば1段階だけだが、元の状態に戻すことができる。だが、Hyper-Vのような多段のスナップショットは作れないので、場合によっては復旧不可能な状態になることがある。また、復元ディスクの設定をオンにするのを忘れていると、やはり元の状態へ戻すことができなくなる。
このような場合(特に正常に動作しなくなるような状態になった場合)は、現在のWindows XP Modeの状態をすべて破棄し、Windows XP Modeの初期化からやり直すとよい。本TIPSでは、Windows XP Modeを再インストールする方法を紹介する。この方法だと、ほかのユーザーが使っているWindows XP Modeは維持されるし、初期化の手間も大してかからない。
操作方法 |
Windows XP Modeを初期化するには、いったんWindows XP Modeを削除してから再インストールするという方法がある。
だがこの方法はかなり面倒だし、同一コンピュータ上でほかのユーザーが使っているWindows XP Modeの状態まで消えてしまう可能性がある。
そこでもっと簡単な方法として、仮想マシンの管理画面で「Windows XP Mode」の項目を削除する方法を紹介する。
事前の準備: Windows XP Modeの旧環境のファイルをバックアップする
Windows XP Modeを初期化すると、該当ユーザーがそこに保存していたファイルも削除されるので、あらかじめバックアップしておこう。それにはまず仮想ディスクのありかを確認する。[スタート]メニューの[すべてのプログラム]−[Windows Virtual PC]にある[Windows Virtual PC]というメニューをクリックしよう。すると仮想マシンの管理ウィンドウ(エクスプローラ画面)が開かれる。次に「Windows XP Mode」仮想マシンの設定画面を開き、「ハード ディスク 1」のファイルが保存されている場所を確認する。
仮想ディスクのありか()が判明したら、ホスト・マシンであるWindows 7にマウントして、必要なファイルをバックアップする。マウントする手順については、TIPS「Windows 7でVHDファイルを直接マウントする」を参照していただきたい。また、この仮想ディスクが保存されている場所は後で必要になるので憶えておく。
手順1:「Windows XP Mode」仮想マシン項目の削除
Windows XP Modeが実行中なら、この手順1の前にWindows XP Modeの実行を終了させておく(どうせ削除してしまうので、電源断ではなく休止状態でもよい)。そして、前述の手順で仮想マシンの管理ウィンドウ(エクスプローラ画面)を開く。
仮想マシンの管理画面 | |||||||||
ここに「Windows XP Mode」という項目があるので、これを削除する。ほかの項目は削除しないこと。 | |||||||||
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この中にある「Windows XP Mode」という項目を削除する。この操作により、実際には「C:\Users\<ユーザー名>\Virtual Machines」というフォルダにある「Windows XP Mode.vmcx」という設定ファイルが削除される。
手順2:「Windows XP Mode」関連ファイルの削除
手順1の操作で仮想マシンの設定ファイル(「Windows XP Mode.vmcx」ファイル)は削除されたが、まだ関連するファイル(仮想ディスク・ファイルやコンフィギュレーション・ファイル、状態保存ファイル、復元ディスク・ファイル、バックアップ・ファイルなど)が残っている。これらを削除しないとディスクを占有したままになり、ディスク領域が無駄になる。また、この後の手順でWindows XP Modeの各種ファイルを再作成する際、名前が衝突しないように、「Windows XP Mode 1」などという名前の仮想マシンが自動的に作成されてしまい、混乱の元にもなる。
これらの関連ファイルは、デフォルトでは「C:\Users\<ユーザー名>\AppData\Local\Microsoft\Windows Virtual PC\仮想マシン」というフォルダに作成される。ただし、このパスは憶えにくいので、前述の「事前の準備」で確認した仮想ディスクのあるフォルダをエクスプローラで開けばよい。そして、「〜Windows XP Mode〜」という名前の付いたファイルをすべて削除する。
関連するファイルの削除 | ||||||
仮想マシンで利用している仮想ディスクや各種設定ファイル、バックアップ・ファイルなどは、先ほどの 〜.vmcx ファイルとは別のフォルダに保存されているので、これらも同時に削除する。削除しないとディスク領域が無駄になる。 |
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手順3:Windows XP Modeの仮想マシンを再生成させる
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以上で旧環境の削除が終わったので、新しいWindows XP Modeを再生成させよう。方法は簡単で、[スタート]メニューの[すべてのプログラム]−[Windows Virtual PC]にある[Windows XP Mode]を実行するだけだ。すると確認のために次のような画面が表示されるので、[新規作成]をクリックして先へ進む。後は通常のWindows XP Modeのセットアップ手順と同じである(関連記事参照)。
Windows XP Modeを起動できないというエラー画面 | ||||||
仮想マシンの設定ファイルを削除したため、起動できなくなった(メニュー項目のリンク先がなくなった)というメッセージ。気にせず、先へ進める。 |
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Windows XP Modeを再インストールするには、仮想マシンのディスクを初期化するという方法もある。Windows XP Modeで利用している仮想ディスクは、デフォルトでは「C:\Program Files\Windows XP Mode\Windows XP Mode base.vhd」を親とする差分ディスクである。したがって、空の差分ディスクを作成して仮想マシンにアタッチし直せば初期状態に戻る。だが、このディスクを使って仮想マシンを起動すると、Windows XPの通常の初期セットアップ画面が表示され、ユーザーはいちいち名前などを入力したり、統合機能をインストールしたりしなければならない。Windows XP Modeの通常の初期化手順とは異なるので面倒だ。本TIPSの手順で述べた方法で再インストールするのがよい。
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このリストは、デジタルアドバンテージが開発した自動関連記事探索システム Jigsaw(ジグソー) により自動抽出したものです。
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