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Windows XPでNetBEUIプロトコルを利用する方法

解説をスキップして操作方法を読む

デジタルアドバンテージ
2002/03/09
対象ソフトウェア
Windows XP Home Edition
Windows XP Professional
Windows XPでは、デフォルトではNetBEUIプロトコルはサポートされていないし、インストールもされない。
NetBEUIプロトコルは、Windows XPのインストールCD-ROMのValueaddフォルダに収録されている。


解説

 Windowネットワークにおけるファイル共有やプリンタ共有などのサービスは、NetBIOSというインターフェイスを使って実現されている。NetBIOSは仮想的なアプリケーション・インターフェイスであり、その下位のトランスポート層のプロトコルとしては、TCP/IPNetBEUI、IPX/SPXなどが選択できる。TCP/IPを下位に使ったNetBIOSはNetBIOS over TCP/IP(NBT)というが、Windows NTや2000、XPではこのNBTベースでファイル共有サービスなどが実現されている。

 Windows NTではまだNetBEUIは標準的なプロトコルだったので、NTなどをサーバとして利用している環境では、今でもNetBEUIベースのNetBIOSでサービスを提供していることがある。TCP/IPなどと違って、NetBEUIは大規模なネットワークには向かないが(ルーティングなどの機能がない)、IPアドレスなどをいちいち設定する必要がないので、小規模なネットワークを構築するのには向いている。

 だがその後のWindows 2000ではActive Directoryなどをサポートする都合上、TCP/IPがメインのプロトコルとなり、NetBEUIは補助的なプロトコルとなってしまった。そしてWindows XPでは(とうとう)NetBEUIはサポート外となり、デフォルトではインストールされないばかりか、インストールしようとしてもプロトコルの一覧にも表示されなくなっている(Windows 2000では、インストールするプロトコルの一覧に表示されるので、インストール作業は簡単である)。

 とはいっても完全に使えなくなったわけではなく、Windows XPのインストールCD-ROM中の補助的なフォルダに用意されている(ここには、非サポートではあるが、便利なツール類などが格納されている)。そのためWindows XPでも、次の手順のようにすればNetBEUIをインストールして利用することは可能である。ただしプレインストールマシンなどで、Windows XPのインストールCD-ROMが付属していないような場合には、この方法は利用できないことがある(サポート技術情報の「OEM CD-ROM には VALUEADD および SUPPORT フォルダがない 」参照)。


操作方法

 NetBEUIプロトコルは、Windows XPのインストールCD-ROM中の「\VALUEADD\MSFT\NET\NETBEUI」フォルダに用意されている。まず最初に、この中にある「NETNBF.INF」というファイルを「%SystemRoot%\INF」というフォルダへ、「NBF.SYS」というファイルを「%SystemRoot%\System32\Drivers」というフォルダへ、それぞれコピーしておく。「%SystemRoot%」はWindows XPがインストールされているフォルダで、デフォルトでは「C:\Windows」である。エクスプローラでコピーしてもよいし、[スタート]メニューの[すべてのプログラム]−[アクセサリ]−[コマンド プロンプト]上でCOPYコマンドを使ってもよい。このコピーを行わず、直接CD-ROM上のフォルダを指定してインストールしても、正しく動作しない。

 以上のコピーが終われば、次はインストールしたいネットワーク・アダプタを選択して、その[プロパティ]ダイアログでNetBEUIプロトコルをインストールする。このためには、[スタート]メニューの[すべてのプログラム]−[アクセサリ]−[通信]から[ネットワーク接続]を起動し、目的とするネットワーク・アイコンの[プロパティ]を選択する。

ネットワーク接続アイコンの選択
NetBEUIをインストールするには、目的のネットワーク・アイコンの[プロパティ]ダイアログを表示させる。
  NetBEUIは、各ネットワーク・インターフェイスごとに利用するかどうかを決めることができる。
  目的のネットワーク・アイコンを右クリックして、[プロパティ]メニューを選択する。→

 プロパティには、現在インストールされているサービスやプロトコルが一覧表示されている。Windows XPでは、ファイル共有などのサービスはデフォルトではすべてTCP/IPベースに統一されている。NetBEUIをインストールするには、ユーザーが自分自身で行う必要がある。

ネットワークのプロパティ
Windows XPでは、デフォルトではTCP/IPベースのNetBIOS(NetBIOS over TCP/IP)を使ってファイル共有などのサービスが実現されている。NetBEUIはデフォルトではインストールされていない。
  新しいプロトコルをインストールするにはこれをクリックする。→

 新しいプロトコルをインストールするには、[インストール]ボタンをクリックする。

コンポーネントの選択
これはインストールするコンポーネントを選択するダイアログ。NetBEUIプロトコルをインストールするには、一覧から[プロトコル]を選択して[追加]ボタンをクリックする。
  [プロトコル]を選択してから、これをクリックする。→

 NetBEUIをインストールするには[プロトコル]を選択して[追加]をクリックする。「NETNBF.INF」と「NBF.SYS」というファイルのコピーが完了していれば、プロトコルの一覧には「NetBEUI プロトコル」が表示されているはずである。

プロトコルの選択
インストールするプロトコルを選択するダイアログ。「NETNBF.INF」ファイルと「NBF.SYS」ファイルのコピーが済んでいると、このように[NetBEUI プロトコル]という選択肢が表示されているはずである。
  インストールしようとしているNetBEUIプロトコル。
  NetWare環境などで利用するIPX/SPXベースのNetBIOSインターフェイス。
  パケットをキャプチャするためのドライバ。
  これを押すとNetBEUIプロトコルがインストールされる。インストール後はシステムを再起動する必要がある。

 以上のインストールが済むと、システムを再起動するように促される。再起動するとNetBEUIが有効になっているはずである。End of Article


  関連リンク
  Windows XP に NetBEUI をインストールする方法 (マイクロソフト)
  OEM CD-ROM には VALUEADD および SUPPORT フォルダがない (マイクロソフト)
   
更新履歴
【2002/03/11】「操作方法」の手順において、当初はINFファイルとSYSファイルを手動であらかじめコピーしない方法を紹介しておりましたが、これでは正しく動作しないことが判明いたしましたので、正しい手順に修正しました。お詫びして訂正させていただきます。
 
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