[System Environment] | |||||||||||
Webキャッシュを減らしてディスクを節約する
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解説 |
Internet Explorer(IE)でWebページを表示すると、そのWebページを構成するHTMLファイルや、ページ内に含まれる画像データなどが「インターネット一時ファイル」としてハードディスク内にキャッシュ(保存)されるようになっている。そして次回以降、同じWebページを表示するときに、キャッシュ内にデータがあるときには、インターネットからダウンロードするのではなく、このキャッシュからデータを読み出し、表示する。ハードディスクはインターネットよりも高速にアクセスできることから、これにより、Webページ表示が高速化されることになる。またIEでは、履歴機能により、過去に表示したWebページをオフラインでも表示できるようになっているが、これも実際には、「インターネット一時ファイル」として保存されたファイルを参照している。
「インターネット一時ファイル」は、ユーザーごとのプロファイル・フォルダに保存される。具体的には、「%UserProfile%\Local Settings\Temporary Internet Files」フォルダである(%UserProfile%は、各ユーザーのプロファイル・フォルダを意味する。例えばユーザー名が「user」なら、デフォルトでは%UserProfile%は「C:\Documents and Settings\user」となる)。なお%UserProfile%\Local Settingsには「隠しファイル」属性が指定してあるので、標準の状態ではエクスプローラでは表示されない。表示するには、エクスプローラの[ツール]−[フォルダ オプション]メニューから表示されるダイアログの[表示]タブ−[詳細設定]リストボックスの[すべてのファイルとフォルダを表示する]を選択する。あるいは、次に示すIEの[設定]ダイアログの[ファイルの表示]ボタンをクリックしてもよい。
この「インターネット一時ファイル」の領域として、IEはデフォルトで、システム・ドライブの全容量の3%までを使用する。例えば8Gbytesのディスクなら約250Mbytesが、20Gbytesディスクなら約610Mbytesが、40Gbytesディスクなら約1.2Gbytesが、80Gbytesなら2.4Gbytesがそれぞれキャッシュとして使用されることになる。
ディスクの大容量化と低価格化は相変わらずめざましい水準を維持しているので、この程度の容量でWebブラウズが快適になるなら、大した投資ではないと思うかもしれない。しかしこれらの領域は、ユーザーごとに消費されるという点に注意が必要だ。また何より、インターネット接続回線の高速化と、Web Proxyサーバの普及により、クライアント側でのWebキャッシングの必要性は低下している。
■インターネット接続の高速化
Webキャッシングの効果は、低速なインターネット接続回線を使っているほど大きい。遅いインターネットからデータを取り出す代わりに、ハードディスク内のキャッシュから高速にデータを読み出して表示すれば、Webブラウジングは大幅に快適になるはずだ。しかし逆にいえば、インターネット接続回線が高速すればするほど、Webキャッシングの効果は低下することになる。「インターネット一時ファイル」の中身を見れば分かるが、IEをしばらく使っていると、膨大な数のファイルがフォルダ内にキャッシュされる。例えば、以下でダイアログを示したケースでは、フォルダ以下に4万5000個以上のファイルが保存されていた(実際にはサブフォルダが作成されており、各サブフォルダごとに約1000個ずつ)。厳密に計測したわけではないのだが、ファイルの数もあれだけ増えると、キャッシュから適当なファイルを選び出すにもかなりの負荷がかかるものと思われる。
■ページ構成の変化
IEのデフォルト設定では、Webキャッシュに保存されたWebページ・データのタイム・スタンプと、インターネット上のWebページの更新日付を比較し、ページが更新されているときには、ページをインターネットから再度ダウンロードする設定になっている。このため、ページ・データをプログラムによって生成しているような商用サイトでは、ページの更新日付が常に更新されるため、Webキャッシュにデータが保存されている場合でも、実質的にインターネットからのダウンロードが毎回発生してしまう。
■Web Proxyの普及
企業がインターネットに接続する場合には、インターネットへのトラフィックを軽減するために、Web Proxyを設置するのが一般的である。このWeb Proxyは、Webページ・データをサーバ側でキャッシュしておき、社内のクライアントPCからWebアクセスの要求があったとき、キャッシュ内にデータがあれば、それを返すという機能を持つ。このような環境でIEを使っているときには、少なくともWebアクセスの高速化という目的で、ローカル・コンピュータ側でWebキャッシングを行う必然性はあまりない。
設定方法 |
IEが使用するWebキャッシュのサイズを減らすには、IEの[ツール]−[インターネット オプション]メニューから表示される[インターネット オプション]ダイアログの[全般]タブー[インターネット一時ファイル]グループ内の[設定]ボタンをクリックする。すると次のダイアログが表示される。
IEの[設定]ダイアログ | ||||||||||||||||||
ここでは、Webキャッシュの扱い方や、インターネット一時ファイルのディスク容量などを変更できる。 | ||||||||||||||||||
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「インターネット一時ファイル」の容量を変更するには、[使用するディスク容量]のつまみを左右に移動するか、その右にあるエディット・コントロールに数値(Mbytes単位)を入力する。ただし指定できる値は1Mbytes以上で、0を指定することはできない。
問題は、どの程度の値が適切かということだが、100Mbytesもあれば、まず十分だろう。
なおこの指定はユーザーごとに行う必要があるので、コンピュータを複数のユーザーで使用しており、すべてのユーザーで「インターネット一時ファイル」の容量を低下させたければ、ユーザーごとにこの設定を行う必要がある。
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