[System Environments] | |||||||||||||
エラーの原因調査に役立つメッセージ・ヘルプを入手する
|
|||||||||||||
|
解説 |
何の障害にも見舞われることなく、万事平和にすごせるシステム管理者などいないと断言できる。むしろ現実はといえば、連日のように起こる数々のシステム障害を、千本ノックのように右に左に走り回ってキャッチするという毎日ではないだろうか。
しかしシステム障害の原因追求は、年を追うごとに困難になっている。原因の1つは、Windowsサーバなど、システム単体の機能が高度化するに従い、システムが複雑化していること。もう1つは、そうした複雑なシステム同士がネットワークで接続された分散システムが普及し、システム障害の原因が単一システムに閉じなくなっていることだ。このようにシステムは複雑化する一方であるにもかかわらず、それらを管理運用するシステム管理者の支援体制は旧態依然としたままである。
障害が発生すると、たいていの場合Windowsはエラー・メッセージを表示してくれる。問題解決に取り組む管理者にとっては非常に貴重な情報なのだが、残念ながら、簡単なメッセージだけでは意味不明で役に立たなかったということも少なくないだろう。
Windows OSの追加情報キットとして販売されているリソース・キットの付属CD-ROMには、Windowsシステムや標準アプリケーションから表示されるほとんどのエラー・メッセージと、その意味を解説したヘルプ・ファイル(「Windows 2000 Resource Kit Error and Event Messages」)が収録されている。このヘルプ・ファイルには、エラーの内容と対処法などが比較的詳しく解説されているので、ダイアログに表示された簡単なエラー・メッセージだけでは詳細が分からなかった障害でも、このヘルプの情報から解決の糸口を得られる可能性は高まる。
リソース・キットの日本語版は日経BPソフトプレスから販売されている(『Windows 2000 Server リソースキット』に関する日経BPソフトプレスの解説ページ。Windows Server Insiderでの書評ページはこちら)。この日本語版のWindows 2000 Serverリソースキットは全8巻で、すべての書籍に付録CD-ROMが添付されている(Windows 2000 Professional向けのリソース・キットに付属するCD-ROMにも、今回取り上げるエラー・メッセージ・ヘルプは収録されている)。従って書籍を購入すれば、エラー・メッセージ・ヘルプを入手できる。
ここまではよいのだが、重大な問題がある。この付録CD-ROMの内容は英語版のままで、日本語化などは行われていないことだ。英語情報であっても、場合によっては有益な情報を得ることができる(特に、エラー番号などが表示されるものは、メッセージの対応関係が簡単につかめる)。情報は英語でも、ほとんどの場合、説明自体は日本語版Windowsに対しても有効だからだ。
しかし困るのは、日本語版Windowsで表示された日本語のエラー・メッセージが、英語版でどのように表記されているのかが分からない場合だ。推測できるものも多いのだが、ものによってはまったく異なる日本語訳が当てられていて、皆目検討が付かないケースもある。
幸いなことに、このエラー・メッセージ・ヘルプを日本語化したものが、マイクロソフトのWebサイトで公開されており、だれでも無償で入手できるようになった。
入手方法
日本語版の「Windows 2000エラーおよびイベント・メッセージ・ヘルプ」は、以下のマイクロソフトのWebページからダウンロードできる。
このページから、3.13Mbytesの自己解凍ファイル(w2000msgs.exe)がダウンロードされるので、適当なフォルダにこれをコピーして実行すれば、ファイルが解凍されてヘルプ・ファイル(w2000msgs.chm)が作成される。
内容を参照するには、このファイルをダブルクリックすればよい。すでに英語版の「Windows 2000リソース・キット付録CD-ROM」をインストールしているなら、インストールされた英語版のファイル(C:\Program Files\Resource Kit\w2000msgs.chm)を置き換えれば、[スタート]−[プログラム]メニューからヘルプを起動できるようになる。
Windows 2000エラーおよびイベント・メッセージ・ヘルプ |
画面は、[目次]タブの一覧から、起動時に表示されるエラーの1つ(エラー番号0x0000005B)の説明を表示したところ。 |
[目次]タブからは、コンポーネントの種類(「カーネル」「コントロール・パネル」「システムツール」「コマンドライン・ユーティリティ」など)から、コンポーネントやツールごとに、エラー・メッセージをツリーで表示させることができる。目的とするエラー・メッセージを表示しているコンポーネントが特定されている場合、特定コンポーネントがどのようなエラー・メッセージを表示するのかをざっと眺めたい場合は[目次]タブを利用するとよい。
しかし収録されているメッセージは膨大であるし、たいていはエラー・メッセージを表示しているコンポーネントすら特定できないだろうから、通常は[検索]タブからの検索を行うことになるだろう。検索のコツとしては、表示されるエラー・メッセージの全文をキーワードとして入力するのではなく、メッセージの一部の文字列や、エラーID番号など、メッセージを特定しやすい要素をキーワードとして検索するのがよい。例えば上記の場合なら、エラー番号である「0x0000005B」を検索すればよい。とはいえヘルプの検索では、部分一致はしないので注意が必要だ。いまの例なら、「5B」だけを検索してもヒットしない。これは、ヘルプが単語単位にインデックスを作成しており、それを検索しているためだと思われる。あまり格好のよい仕様ではないが、慣れればコツはつかめるだろう。
「Windows 2000エラーおよびイベント・メッセージ・ヘルプ」という名前から分かるように、このヘルプ・ファイルには、エラー・メッセージだけでなく、イベント・ログに記録されるイベント・メッセージの解説も収録されている。
イベント・ログの内容を表示したところ |
ヘルプにはイベント・メッセージの説明も収録されている。このヘルプを使って、インベト・ログに記録されたイベントの詳細を知ることもできる。 |
上の画面は、不正なユーザーがシステムへのログオンを試みて失敗した場合に記録されるセキュリティ・イベント・メッセージ(イベントID 529)に関する説明を表示したところ。この場合もID番号をキーに検索すると、目的の説明を簡単に見つけることができる。
この記事と関連性の高い別の記事
- リソース・キット付属のレジストリ・リファレンスを活用する(TIPS)
- Windows 2000向け英語版ツールのヘルプを日本語化する(TIPS)
- Windows OS向けリソースキット・ツールを入手する(TIPS)
- Windows Server 2003のヘルプをインストールする(TIPS)
- セキュリティ・パッチを適用する(1)(TIPS)
このリストは、デジタルアドバンテージが開発した自動関連記事探索システム Jigsaw(ジグソー) により自動抽出したものです。
「Windows TIPS」 |
- Azure Web Appsの中を「コンソール」や「シェル」でのぞいてみる (2017/7/27)
AzureのWeb Appsはどのような仕組みで動いているのか、オンプレミスのWindows OSと何が違うのか、などをちょっと探訪してみよう - Azure Storage ExplorerでStorageを手軽に操作する (2017/7/24)
エクスプローラのような感覚でAzure Storageにアクセスできる無償ツール「Azure Storage Explorer」。いざというときに使えるよう、事前にセットアップしておこう - Win 10でキーボード配列が誤認識された場合の対処 (2017/7/21)
キーボード配列が異なる言語に誤認識された場合の対処方法を紹介。英語キーボードが日本語配列として認識された場合などは、正しいキー配列に設定し直そう - Azure Web AppsでWordPressをインストールしてみる (2017/7/20)
これまでのIaaSに続き、Azureの大きな特徴といえるPaaSサービス、Azure App Serviceを試してみた! まずはWordPressをインストールしてみる
|
|