[System Environment] | ||||||||||||||||
MDACのバージョン調査ツールを利用する
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解説 |
MDAC(Microsoft Data Access Components)は、アプリケーション・プログラムからデータベースにアクセスするために用意された、汎用的で標準的なインターフェイスの総称である。Windows OS環境において、アプリケーションがデータベースへアクセスするためのインターフェイスとしては、過去にさまざまなものが開発され、提供されてきた。代表的なものとしては、ODBC(Open Database Connectivity)やADO(ActiveX Data Object)、OLE DBなどがある。これらを統合し、データベースの種類やアクセスするテクノロジに依存しない、汎用的なインターフェイスを提供するものである。MDACはOSだけでなく、Service Packや各種のアプリケーションなどとも同時に出荷され、システムにインストールされるので、ユーザーや管理者が知らないうちに、さまざまなバージョンのMDACがシステムにインストールされている可能性がある。
- Microsoft Universal Data Access(MDAC)のページ(MSDN)
- Microsoft Data Access Components (MDAC) のリリース履歴(サポート技術情報)
- MDAC リリース一覧(MSDN)
- Universal Data Access 関連ダウンロード(MSDN)
通常はMDACの細かいバージョンを意識する必要はない。だが、MDAC関係のセキュリティ・ホールを防ぐための修正プログラムを適用するには、現在どのバージョンがインストールされているかを正しく把握する必要がある。いままでにもMDAC関連のセキュリティ・ホールは何度も見つかっており、そのたびに修正プログラムが提供されている。だがMDACのバージョンによって適用するパッチ・プログラムが異なっていたり、古い特定のバージョンに対しては修正プログラムが用意されていない場合があったりするので(その場合はまず新しいMDACにアップグレードする)、MDACのバージョンを確認するのは重要な作業である。
しかしMDACをインストールしても、[コントロール パネル]の[プログラムの追加と削除]の一覧には表示されず(アンインストールできないので、ここには表示されない)、ユーザーが簡単にバージョンをチェックできるような標準ツールも用意されていない。MDACのバージョンを正確に調査するには、レジストリに格納されている情報だけではなく、システムにインストールされているMDAC関連のDLLファイルのバージョンを直接調べる必要がある(「TIPS―バイナリ・ファイルのバージョンを調べる」参照)。
だがこれでは非常に面倒で、煩雑である。そこで、MDACのバージョンを簡単に調査するためのツールがマイクロソフトから提供されている。本TIPSではこのツールについて解説する。
操作方法 |
MDACのバージョンを調査するツールは、単に「Component Checker」という名称で呼ばれている。
- MDAC Component Checker(MSDN)
このツールは、日本語版MDACのバージョンを調査するためにも利用できるが、本来は英語版のソフトウェアである。そのため、英語版で利用できるMDACのアンインストール機能などは利用できない。だが、バージョンを調査するだけなら日本語OS環境でも問題なく利用できる。
このComponent Checkerを利用するには、以下のダウンロード・ページを開き、cc_pkg.exeというインストール・プログラムを入手する。このチェック・プログラムはMDACのバージョンとともに更新されているので(MDACのファイルとそのバージョンが書き込まれたXMLファイルが含まれている)、常に最新のツールをダウンロードして実行していただきたい。2004年1月現在では、MDAC 2.8までのバージョンを判定することができる。
- Component Checker ツールのダウンロード(ダウンロード・センター)
ダウンロードしたcc_pkg.exeを実行すると、インストールするフォルダを入力するダイアログが表示される。デフォルトでは、C:\ComponentCheckerというフォルダにインストールされる。Component Checkerツールをインストールしても、[スタート]メニューには何も表示されないので、実行するには、インストールしたフォルダの中にあるcc.exeというファイルをダブルクリックするか、[スタート]メニューの[ファイル名を指定して実行]ダイアログで、「C:\ComponentChecker\cc.exe」などと指定する。
Component Checkerを実行すると、次のような画面が表示される。
このまま[OK]をクリックすると、次のように該当するMDACのバージョンが表示される。
判定されたMDACのバージョン | |||
この例では、このMDACのバージョン2.8(RTM版)であると判定されている。[はい]をクリックすると、もう一度、解析オプションの選択ダイアログが表示され、再実行することができる。 | |||
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この例では、「MDAC 2.8 RTM」であると判定されている(RTMは最終製品版であるという意味)。このツールで判定可能なバージョンは次のとおりである。それぞれのバージョンごとに、どのようなファイルやレジストリ・エントリが存在するかという情報がXMLデータベース・ファイルとして用意されており、このツールでは、それらのXMLファイルを参照しながらバージョンを判定している。
バージョン |
MDAC 2.1 SP2 |
MDAC 2.5 |
MDAC 2.5 SP1 |
MDAC 2.5 SP2 |
MDAC 2.5 SP3 |
MDAC 2.6 RTM |
MDAC 2.6 SP1 |
MDAC 2.6 SP2 |
MDAC 2.6 SP2 Refresh |
MDAC 2.7 RTM |
MDAC 2.7 Refresh |
MDAC 2.7 SP1 |
MDAC 2.7 SP1 Refresh |
MDAC 2.7 SP1 on Windows XP SP1 |
MDAC 2.8 RTM |
Component Checkerツールで判定可能なMDACバージョン |
これらのバージョンを判定することができる。RTMは正式に出荷されたバージョン、SPはRTM版に対する修正Service Pack版、RefreshはSPに含まれていたささいなバグなどを修正した、再リリース・バージョン。このツールは新しいMDACが出荷されると更新されるので、常に最新のバージョンを入手して、利用していただきたい。ちなみにWindows 2000以降のOSであればMDACのバージョンは2.5以降なので、Component Checkerツールで判定可能だ。 |
なおこのツールでは、ツールを起動したシステム(ローカルのシステム)しか判定することができない。ほかのシステムのMDACバージョンを調査するには、そのマシンにもComponent Checkerツールをインストールするか、ツール・フォルダ全体をコピーして実行するか(個々のマシン1つ1つにインストールする必要はない)、ネットワーク経由でインストールしたフォルダ(デフォルトではC:\ComponentChecker)を共有して、その中にあるcc.exeを実行すればよい。
関連リンク | ||
ISA Server 2000の脆弱性により、コンピュータの完全な制御が奪われてしまう危険性、ほか(MS04-001/MS04-002/MS04-003)(Windows Server Insider) | ||
MDAC セキュリティ修正モジュールの適用に関連する補足事項(サポート技術情報 835173) | ||
MDAC のバージョンを確認する方法(サポート技術情報 301202) | ||
MDAC 2.6 Component Checker を使用すると、エラー メッセージが表示されることがある(サポート技術情報 294374) | ||
[Component Checker] 問題の診断と MDAC インストール環境の再構成(サポート技術情報 307255) | ||
[MS02-040]MDAC 機能の未チェックのバッファにより、システムが侵害される(TechNetセキュリティ情報) | ||
[MS02-065]Microsoft Data Access Components のバッファ オーバーランにより、コードが実行される(TechNetセキュリティ情報) | ||
[MS03-033]MDAC 機能の未チェックのバッファにより、システムが侵害される(TechNetセキュリティ情報) | ||
[MS04-003]MDAC 機能のバッファ オーバーランにより、コードが実行される(TechNetセキュリティ情報) | ||
[MS06-014]Microsoft Data Access Components (MDAC) の機能の脆弱性により、コードが実行される可能性がある(TechNetセキュリティ情報) | ||
[MS07-009]Microsoft Data Access Components の脆弱性により、リモートでコードが実行される(TechNetセキュリティ情報) | ||
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- MDACを新バージョンにアップグレードする方法(TIPS)
- バイナリ・ファイルのバージョンを調べる(TIPS)
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このリストは、デジタルアドバンテージが開発した自動関連記事探索システム Jigsaw(ジグソー) により自動抽出したものです。
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