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障害調査用のメモリ・ダンプを無効にする

解説をスキップして操作方法を読む

デジタルアドバンテージ 打越 浩幸
2005/01/08
 
対象OS
Windows 2000
Windows XP
Windows Server 2003
Windows OSには、システムに障害が発生するとメモリの内容をファイルに書き出すメモリ・ダンプ機能がある。
メモリ・ダンプはOS内部の障害の調査などで利用されるが、一般ユーザーにとっては不要なファイルである。
メモリ・ダンプ機能を無効にしておけば、障害発生時にメモリ・ダンプは作成されず、時間もファイル領域も無駄にならない。
 
解説

 Windows OSには、システム内部に致命的な障害が発生した場合に、メモリの内容をファイルに保存しておく機能がある。いわゆる「ブルー・スクリーン」が表示されるような致命的な障害が発生した場合に、すぐにシステムを停止・再起動させるのではなく、障害発生時のメモリの内容をファイルに出力しておいてから、再起動させるのである。

 このメモリ・ダンプ機能は、障害発生時の状態を後で調査し、原因を特定したり、対策を立てたりするために利用される。だが、この調査作業は一般のユーザーが簡単に行えるようなものではなく、(OSカーネルやデバイス・ドライバのソース・コードを持っている)開発者が専用のデバッガを使って初めて実施できるものである。マイクロソフトやSIベンダによる(有償の)サポートを受ける場合に、このダンプ・ファイルが必要となる場合もあるが、そうでなければ不要なファイルである。設定にもよるが、このダンプ・ファイルは最大では物理メモリと同じサイズまで書き込まれることがあり(ただし最大ファイル・サイズは2Gbytesまで)、無駄にディスク領域を占有するだけでなく(ダンプ・ファイルが作成されたことを知らないと、ずっとそのまま残っている)、ダンプ時の書き込みに時間がかかるというデメリットもある。

 このように、一般ユーザーにとってはあまりメリットがないので、障害発生時にもメモリ・ダンプ・ファイルを作成しないようにしておいても問題はない。マイクロソフトやベンダなどから要求されない限り、必要ないものと考えてもよいだろう。出力されたダンプ・ファイルの内容を簡単に知るには、サポート・ツールに含まれているdumpchk.exeコマンドが利用できる。

 なおメモリ・ダンプが採取されるのは、カーネル内部のコンポーネントやデバイス・ドライバなどに障害が発生した場合だけである。ハードウェアがいきなりリセットされたり、ハングアップしてしまうような障害の場合には、当然のことながらメモリ・ダンプ・ファイルは作成されない。またこのメモリ・ダンプは、Windows OSのシステム(カーネル)内部で発生した障害の調査のために利用されるものであり、ユーザー・アプリケーションが障害を起こしてもメモリ・ダンプは記録されない。


操作方法

 障害発生時にダンプ・ファイルを作成するかどうかは、次の画面で設定する。[マイ コンピュータ]アイコンを右クリックしてポップアップ・メニューから[プロパティ]を選択する。すると[システムのプロパティ]ダイアログが表示されるので、[詳細](もしくは[詳細設定])タブを選択して、[起動と回復](もしくは[起動と回復]グループにある[設定])ボタンをクリックする。

障害発生時のメモリ・ダンプの設定
このダイアログでは障害発生時に作成するメモリ・ダンプ・ファイルの種類を設定する。
  ダンプ・ファイル作成後にシステムを再起動するかどうかの設定。オフにしておくと、障害発生時のブルー・スクリーンのまま停止する。
  作成するダンプ・ファイルの種類。下記参照。
  最小メモリ・ダンプ・ファイルを書き込むフォルダの指定。カーネル・メモリ・ダンプと完全メモリ・ダンプの場合は、ファイル名を指定する。
  カーネル・メモリ・ダンプと完全メモリ・ダンプの場合に、古いメモリ・ダンプ・ファイルを上書きするかどうかの指定。

 メモリ・ダンプ・ファイルの指定には以下の4つのパターンがある。メモリ・ダンプが不要なら「(なし)」にしておけばよいが、最低限の情報だけでも残したければ、最小メモリ・ダンプにしておけばよいだろう。これ以上の情報は、一般ユーザーにとってはまず不要である。End of Article

ファイルの種類 意味
(なし) メモリ・ダンプを一切取得しない。障害の調査を行うつもりがなければこれでよい
最小メモリ・ダンプ 1回のダンプにつき(約)64Kbytesだけ記録する。非常に限られた情報しか得られないが、これでも十分だ(デフォルト)
カーネル・メモリ・ダンプ 物理メモリのうち、OSカーネルに関する部分のメモリの内容をダンプする。カーネル内部のデータ構造などを解析するために利用する。ダンプ・ファイルのサイズは、物理メモリの数分の1から、最大では物理メモリと同じサイズぐらいまでになる可能性がある。なおこのオプションを選択するには、ページ・ファイルのサイズを物理メモリと同じかそれ以上に設定しておく必要がある
完全メモリ・ダンプ 物理メモリの内容をすべてファイルにダンプする。カーネル内部のデータ構造などを解析するだけでなく、メモリ上にロードされているユーザー・アプリケーションの情報も同時に記録されるので、解析作業の助けになる可能性がある。このオプションを選択するには、ページ・ファイルのサイズを物理メモリと同じかそれ以上に設定しておく必要がある
メモリ・ダンプの種類
 
  関連リンク
  Windows 2000、Windows XP および Windows Server 2003 のメモリ ダンプ ファイル オプションの概要(マイクロソフト サポート技術情報)
  [HOW TO] Windows XP で完全メモリ ダンプまたはカーネル メモリ ダンプの採取を有効にする(マイクロソフト サポート技術情報)
  Dumpchk.exe を使用してメモリ ダンプ ファイルをチェックする方法(マイクロソフト サポート技術情報)
  ブルー スクリーンで STOP メッセージが表示された後、マイクロソフトに問い合わせる前に準備すること(マイクロソフト サポート技術情報)
  2 GB 以上の RAM が搭載されたコンピュータでは完全メモリ ダンプを使用できない(マイクロソフト サポート技術情報)
  Windows の機能により、キーボード操作で Memory.dmp ファイルを作成できる(マイクロソフト サポート技術情報)
     
「Windows TIPS」


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