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ネットワーク・モニタ3.1を使う(基本編)

解説をスキップして操作方法を読む

デジタルアドバンテージ 打越 浩幸
2007/03/02
2007/08/31更新
 
対象OS
Windows XP
Windows Server 2003
Windows Vista
ネットワーク・モニタは、ネットワークのケーブル上を流れるパケットをキャプチャして解析するツールである。
ネットワーク・モニタ3.1は、クライアント・コンピュータでも利用できる、ネットワーク・モニタの新版である。
キャプチャしながらプロトコルを解析したり、同時に複数のネットワークをキャプチャしたり、ユーザーによって解析するプロトコルを拡張したりできるなど、より高機能になっている。
 
解説

Windowsネットワーク・プロトコルの理解と検証(運用)

 ネットワークのケーブル上を流れるパケットをキャプチャして解析するツールは、一般的には「ネットワーク・プロトコル・アナライザ」などと呼ばれるが、Windows環境で利用できるツールとして「ネットワーク・モニタ」がマイクロソフトから提供されている。これはWindows Systems Management Server(SMS)に付属しているツールであるが、サブセット版はWindows 2000 ServerやWindows Server 2003でも利用できる。このツールの使い方については関連記事などを参照していただきたい。

 このネットワーク・モニタの新しいVer.3.xが先ごろマイクロソフトから公開され、誰でも自由にダウンロードして利用できるようになった。現在Server OSに組み込まれているネットワーク・モニタも、今後はこのバージョンに順次置き換えられるものと思われる。

 2007年3月にリリースされたVer.3.0は、従来のネットワーク・モニタ(2.x)と比べると、大幅に機能が拡張されている。

  • 完全に作り直された新ユーザー・インターフェイス
  • キャプチャしながらの解析表示。従来はキャプチャをいったん止めてから解析していた
  • 複数ネットワークからの同時キャプチャ
  • より高度で詳細な解析機能。プロトコル固有の“セッション”などを認識して解析もできる
  • 解析するプロトコルを独自言語を使って拡張可能
  • スクリプトによる高度なフィルタリング
  • Server OSだけでなく、Windows XPやWindows VistaなどのクライアントOSでも利用可能。64bit OSもサポート

 2007年7月にリリースされたVer.3.1では、最初にリリースされたVer.3.0と比べると、次のような点がさらに改良されている。

  • Windows Vistaにおける、無線LANおよびRASパケットの詳細な解析機能
  • マウスの右クリックによる、容易なフィルタ操作機能
  • ツール・バー・アイコンなどの改良による、使いやすいGUI
  • パケットのリアセンブル(再合成)機能の強化
  • ネットワーク・プロトコル・パーサー(解析エンジン)の強化 

 ネットワーク・モニタ3.1の持つ機能は非常に多いが、本TIPSでは一番基本的な使い方について解説する。より進んだ活用方法については今後別TIPSで取り上げる。

操作方法

ダウンロードとインストール

 ネットワーク・モニタ3.1は以下のリンクからダウンロード可能である。32bit版と64bit版があるので、利用しているOSに合わせてダウンロード、インストールする。現在のところは英語版しか用意されていないので、表示されるメッセージはすべて英語になるが、試した限りでは日本語OSでも問題なく実行できた。

 ダウンロードしたファイル(.MSIファイル)をダブルクリックするとインストールが始まる。ネットワーク・モニタ2.xとも共存できるので、正式な日本語版が利用できるようになるまでは、両方使うようにしてもよいだろう。

 インストールを開始すると、ドキュメントもインストールするか、.capファイル(キャプチャしたパケットの保存先ファイル)の関連付けを変更するかなどが問われるので、適宜選択してインストールする。

起動画面

 以下がネットワーク・モニタ3.1の起動画面である。タブを使ってキャプチャ画面やスタート画面、パーサー画面(解析するプロトコルの表示画面)などを切り替えている。

ネットワーク・モニタ3.1の起動画面
従来のネットワーク・モニタ2.xと比べると、タブを使って分かりやすく整理されている。キャプチャしながら表示する機能などを備えたため、再設計されている。
  タブ切り替え用の矢印。
  新規キャプチャ/既存キャプチャ・ファイルのオープン。
  スタート画面。
  パーサー(解析部)の表示画面。
  キャプチャ(と解析表示)の開始。
  既存キャプチャ・ファイルのオープン。
  「セッション」指向の解析を有効にする。
  キャプチャするネットワークの指定。
  情報画面。

パケットのキャプチャと解析

 パケットをキャプチャして解析表示するには、キャプチャするネットワークを選び、上の画面にあるをクリックする。すると新しいキャプチャ・タブが作成されるので、上部にある開始ボタンをクリックして、キャプチャを開始する。

ネットワーク・モニタ3.1のキャプチャ画面
キャプチャ画面のレイアウトは基本的には2.xと同じように見えるが、キャプチャしながら表示できるようになっている。
  キャプチャ中のタブ。複数のタブで同時にキャプチャすることも可能。
  表示フィルタの例。でフレームを選んでプロトコルのフィルタ設定をコピーし、ここへ貼り付けると、簡単にフィルタを作成できる。
  表示フィルタの設定タブ。
  ネットワーク・インターフェイスの選択。
  キャプチャしたパケットの概要。
  階層別の詳細表示。
  16進ダンプ表示。

 見た目は従来と同じように見えるが、キャプチャを開始すると、キャプチャしたパケットはすぐに解析され、表示される。従来のように1度キャプチャを止めてから、表示画面にする必要はないので、非常に便利である。さらに、同時に複数のネットワークでキャプチャするといった機能も持っている。

 以上のように操作方法は従来とほぼ同じである。より進んだ使い方については、今後別TIPSで紹介する。End of Article

関連記事(Windows Server Insider)
Windowsネットワーク・プロトコルの理解と検証(運用)
 
更新履歴
【2007/08/31】 Network Monitor 3.1の情報を加筆して修正しました。

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