ICDロゴ

ホールドタイム (hold time)

別名
ホールド時間 (hold time) 【ホールド・ジカン】

最終更新日: 2001/07/23

 電子回路において、ICなどに与える信号のタイミングを規定するためのパラメータの1つ。データを入力する時に、データ信号線上で、データを保持しておかなければならない、最小時間のこと。

 一般にデジタル信号を扱うICでは、データを内部に取り込むために、データそのものを渡すデータ信号線の他に、取り込むタイミングを知らせるための信号(クロック信号やデータストローブ信号など)をICに与える必要がある。このときデータ信号線は、タイミング信号よりも先にその内容(HかLか)を確定しておき、さらにデータが確実に内部に取り込めるように、タイミング信号を与えた後もしばらくはそのままの状態で保持しておく必要がある。そうでないと、IC内部でHかLかを正しく認識できず、内部状態が不定となってしまうのである。

 このタイミング信号に先だって、データ信号を確定、保持しておかなければならない最小限の時間を「セットアップタイム」といい、逆に、タイミング信号を与えた後もデータ信号を保持しておかなければならない時間を「(入力)ホールドタイム」という。セットアップタイムやホールドタイムは半導体製品ごとに規定されており、ICのデータシートなどに記述されている。例えばセットアップタイムもホールドタイムも共に10nsecであれば、タイミング信号を与えるよりも10nsec以上前にデータ信号を確定させ、さらにタイミング信号後も10nsec以上はずっと同じ状態を保持しておく必要がある。

 なおホールドタイムという用語は、データの出力の場合にも使われる。例えば出力を制御する信号(出力イネーブル信号など)をネゲートしても、データ出力はすぐにはオフにならずに、しばらくの間はデータ信号線上に有効なデータ信号が残っており、それを使用することができる。この時間のことを「(出力)ホールドタイム」と呼ぶ。例えば出力ホールドタイムが5nsecのICならば、出力イネーブル信号などをディセーブルにしても、最低でも5nsecの間はデータ出力が有効になっている。

Copyright (C) 2000-2007 Digital Advantage Corp.

アイティメディアの提供サービス

キャリアアップ