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低温ポリSi TFT液晶ディスプレイ

【テイオン・ポリ・シリコン・ティ・エフ・ティ・エキショウ・ディスプレイ】

最終更新日: 1999/09/20

 薄膜トランジスタ方式液晶ディスプレイ(TFT型液晶ディスプレイ)の1つ。低温ポリSi TFT液晶ディスプレイは、液晶の大画面化、製造コストの低減、表示画面の高精細化などの点に優れており、現在ではノート型PC用ディスプレイを始め、さまざまな機器に広くこのタイプの液晶ディスプレイが組み込まれている。

 低温ポリSi TFTパネルの製造技術が確立される以前は、ICプロセスと同様の高温プロセス(1000℃)が必要な高温ポリSi TFTパネルが製造されていた。この高温ポリSi TFTパネルでは、高温に耐える石英基板を使用して、これにSi薄膜を形成していた。しかし石英基板は高価で低価格化が困難であり、また製造にICラインを活用していたため、大画面化も難しかった(IC製造ラインで製造可能な最大の基板サイズは8インチ程度で、2型以上のパネルを製造することは難しかった)。

 高温ポリSi TFTパネルを低価格化、大画面化するために、大型で安価なガラス基板を使ってSi薄膜を形成する製造技術が競って研究された。ガラス基板は高温に耐えられないため、600℃以下の低温でSi薄膜を形成しなければならない。こうして完成されたものが、低温ポリSi TFT液晶ディスプレイである。ただし、大面積のガラス面に均一なポリSi薄膜の多結晶を形成するのは非常に困難で、一口に低温ポリSi TFTといっても、各社によって構造や材料にはさまざまな種類がある。

 初期の低温ポリSi TFT液晶パネルは、VTRカメラやカーナビゲーションなど、中型サイズのものが一般的だったが、現在では大型化が可能になり、ノート型PCなどが搭載するほとんどの液晶ディスプレイがこの低温ポリSi TFTとなっている。

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